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  トップページ > 方針・決議のページ > 主張 > 全国商工新聞 第2829号 5月5日付
私たちの主張
 
  イラク違憲判決に従い撤退を  
   
   名古屋高等裁判所は4月17日、自衛隊のイラク派兵差し止め訴訟の控訴審判決で、「イラクで米兵を輸送する航空自衛隊の空輸活動は、イラク特措法や憲法9条に違反する」「平和的生存権は憲法上の基本的人権の基底的権利であって具体的権利性を有する」との画期的な判決を下しました。
  判決は、イラクの現状は単なる治安問題の域を超え、泥沼化した戦争状態と指摘。バグダッドは「人を殺傷し又物を破壊する行為が現に行われている地域」であり、多数の市民に犠牲者を出す「戦闘地域」だとし、イラク特措法に違反するとしています。
  航空自衛隊が米軍などの多国籍軍の武装兵員を空輸することは「他国による武力行使と一体化した行動」であり、「自らも武力行使を行ったとの評価を受けざるを得ない」として、憲法9条第1項に違反する活動を含むと、明快に断じました。
  このことは、「戦闘地域であるイラクに、米軍支援のために自衛隊を派兵するのは憲法9条違反」と主張し、イラク派兵反対、即時撤退を要求してきた民商・全商連をはじめ、広範な国民の主張の正当性を司法判断が裏付けたものです。
  平和的生存権についても、憲法9条に違反する戦争の遂行などへの加担・協力を強制される場合、裁判所に対して違憲行為の差し止め請求や損害賠償請求など具体的権利性があることを明確にしました。
  防衛省によると自衛隊のイラクでの活動実態は、輸送は694回、兵士の輸送人数は隠し続けています。政府は「自衛隊のいるところが非戦闘地域」と主張し、「イラク特措法」を強行しましたが、特措法の違憲性を認定したのも同然です。自衛隊海外派兵恒久法を企むことも断罪されるものです。
  判決をめぐり、福田首相は「問題ない。特別どうこうすることはない」、高村外相は「暇でもできたら(判決文)読む」と発言。航空自衛隊の幕僚長が「そんなの関係ねえ」と述べるなど、不見識であり、憲法や司法判断を認めない発言は絶対に許すわけにはいきません。
  憲法99条は国務大臣、国会議員、公務員に憲法擁護の義務を課しています。政府は、この判決を重く受け止め、イラクから自衛隊を即時撤退するべきです。
  違憲判決を力に自衛隊の海外派兵恒久法成立を許さない世論を広げ、引き続き、憲法9条の擁護、平和的・民主的条項の発展のために全力を挙げましょう。
 
     
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