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「瑕疵(かし)担保履行法」改善へ運動を |
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いま、広範な建設業者や宅建取引業者の間には、新たに浮上した「瑕疵担保履行法」をめぐって、大きな苦悩が広がっています。
同法は、数年前に「耐震強度偽装事件」が発覚したのを契機に立法化され、消費者保護の立場から、住宅などの構造耐力上、主要な部分の瑕疵を改修するための資金を保険金などで確保するとしました。しかし今日、住宅着工件数の落ち込みや建築確認審査の画一的な厳格化などで、多くの中小建設業者が極度の経営危機に見舞われ、その一方で大手ハウスメーカーを優遇する措置が同法に盛り込まれていることから、来年10月からの法施行を前に、制度の改善を求める声が高まっています。
問題の一つは、「誰がその保険料を実質的に負担するのか」です。国会で、国土交通省は保険料の転嫁に関して「消費者の理解等を勘案して適切な対応がなされるだろう」としましたが、法律に明記されているわけではありません。また、大手ハウスメーカーなどの強い要望を踏まえ、保険金制度とは別に、供託金制度が設けられたことも問題です。この供託金は、1戸でも2000万円という法外な供託額で、町場の工務店などが活用できる制度ではありません。供給戸数が増えるほど上乗せ額が減額され、しかも掛け捨ての保険金制度と違い、「10年後には全額返還」「検査も免除」という仕組みです。要は供託所に資金を寝かしておく余剰資金がある大企業なら、瑕疵担保での実質的な負担を避け、顧客に対しては「サービスです」と宣伝することもできるわけです。
供託金制度についていえば、瑕疵担保としての「救済基金」への拠出が免除されていることも見逃せません。例えば、供託金は5000戸で3億4000万円ですが、故意・重大な過失が生じた場合、その範囲内の補償に行政責任は限定され、後は民事に委ねられます。
全商連は4月15日に国土交通省と交渉し、建設業許可のない中小建設業者でも、保険に加入できる措置を確約させるとともに、資金力に応じた保険料での差別が発生すれば、行政指導で是正させるとの回答を引き出しました。
「中小事業者等に過大な負担とならないよう配慮する」との国会付帯決議も生かし、保険料を既存の任意保険での料率より低くすることを要求するとともに、供託金での大手ハウスメーカーへの優遇措置を改めるよう、世論と運動を広げようではありませんか。 |
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