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大企業・大資産家に適正課税を |
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福田内閣発足後、初の経済財政諮問会議が4日に開かれました。
諮問会議では、御手洗経団連会長ら財界代表の求めに応じ、「歳出歳入一体改革」の堅持が了承されました。このことは、小泉内閣から続く「社会保障費を標的とした歳出削減」の継続を意味します。
政府は高齢化社会を迎えるなか、社会保障費の自然増さえ、2002年度から毎年削ってきました。この予算削減に伴い、医療や介護の制度から多くの患者や高齢者が排除されるという事態が広がりました。こんな社会保障の削減を継続するなら、「弱肉強食」の悪政を転換できないのは誰の目にも明らかです。
参議院選挙での自民党政治に対する国民の厳しい批判を受け、福田首相は「高齢者医療費の負担増の凍結」などを打ち出しました。しかし実際の政府・与党の検討では、75歳以上の被扶養者からの保険料徴収を半年ほど凍結するという程度にとどまっています。高齢者医療制度そのものが、世界に例のない差別医療の持ち込みであり、高齢者の不安を払拭するには、憲法が求める「生存権」の保障や「基本的人権の尊重」の立場から、制度を再検討する以外ありません。
諮問会議がいう「歳出歳入一体改革」の堅持では、歳入でも重大な問題をはらんでいることも見逃せません。あらためて「消費税を含む税体系の抜本的改革」に向けた世論誘導を広げようとしているからです。
すでに日本経団連は、税制提言で消費税率引き上げと法人実効税率の引き下げを要望し、御手洗会長は「公的年金の基礎年金部分を全額税方式にしてはどうか」と、消費税の福祉目的税化を提案しています。
財界は中小業者・国民が大変な苦難に直面しているにもかかわらず、「国際競争力の強化」を口実に大企業のため込み利益を膨らませる身勝手な姿勢を続けようというのです。
消費税は最悪の大衆課税です。消費購買力を底から冷やし、低所得者ほど負担割合が重く、広範な中小業者は身銭を切らされる営業破壊税となっています。こうした一方、消費税は、法人3税の減税分に当てられ、大企業に莫大な恩恵をもたらすとともに、輸出戻し税として、還付を独り占めにされてきました。
いま、日本の大企業の税と社会保険料負担はヨーロッパ先進国の7〜8割程度にすぎないことが、政府税制調査会の資料で明らかになりました。大企業・大資産家への適正課税こそ、税制改革の柱にするべきです。
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