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新基地建設反対の世論大きく |
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政府は5月18日、米軍新基地建設予定地の米軍キャンプ・シュワブ沿岸部(沖縄県名護市)へ、自衛艦まで出動させて環境現況調査を強行しました。沖縄県民はじめ各地から厳しい抗議の声が上がっています。基地建設が進まないのを強圧的姿勢で打開しようとするもので、安倍内閣の危険性をあらわにしたものです。
この事前調査は、4キロ四方の海域でジュゴンやサンゴの生態を把握するための調査機器を設置するのが目的ですが、その際、海上自衛隊の掃海母艦「ぶんご」(5700トン)を投入し、潜水作業には海上自衛隊員を参加させました。地元マスコミをはじめ仲井真県知事、自民党県連からもいっせいに抗議が沸き起こっています。ところが久間防衛相は非暴力の抗議行動に対して「自衛隊の警備行動がないとはいえない」と県民を敵視し、弾圧さえちらつかせる発言をおこないました。
沖縄は、太平洋戦争で「本土防衛の捨て石」とされ、日本唯一の地上戦を経験したうえ、日本軍によって住民が集団自決に追いやられたという痛苦の歴史を持っています。自衛艦派遣は、安倍内閣が「沖縄戦での自決に日本軍の強要はなかった」と歴史を偽る態度を続けるなかで起こされた威圧行動であり、沖縄の歴史と県民の気持ちを踏みにじるものとして怒りを呼び起こしています。
久間防衛相は、自衛艦派遣の法的根拠について「官庁間協力」と言い、安倍首相は「海上自衛隊の潜水能力等を活用したもので、国の資源を有効活用した」と居直りました。「これでは自衛隊がどこへでも出て、なんでもできる」と怒りの声が上がるのも当然です。また、環境保護団体の調査で、調査器具が生きたサンゴ礁を貫通し亀裂を生じさせていたことが分かり、「自然環境調査でなく、自然破壊だ」と調査中止要求が出されています。さらに今回の調査が正式の環境影響評価法(環境アセス法)に基づくものではないということを防衛施設庁長官が認めており、法律通りにやれば3年もの時間がかかるため脱法的におこなわれたことが指摘されています。
道理のない基地建設を推進しているからこそ、県民への威嚇的な行動、乱暴な法解釈や脱法行為、環境破壊が次つぎ起こるのも当然と言わなければなりません。
米国には限りなく追随し、国民には強権姿勢を示す安倍政権を抗議の声で包囲し、新基地建設反対の世論をいっそう大きくしようではありませんか。
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