若手業者が商売発信 わっと大交流祭=大青協
55ブース700人
「若手業者の本気を発信」「新鮮な発想とチャレンジで大阪を盛り上げよう」―。さまざまな商売を営む業者青年の熱気があふれた大商連青年部協議会(大青協)の「わっと大交流祭」(2月21日)。会場のマイドームおおさかには飲食コーナー、体験コーナー、展示コーナーなど55ブースの出店と特設ステージが設けられ、700人が来場し大にぎわい。参加者同士の名刺交換や商売交流も行われ、多くの業種の人とつながり、可能性をつくり出す民商の新たな魅力を発信しました。
つながり広げ 手応えつかむ
ライブパフォーマンスに歓声で応える参加者
交流の成功を喜ぶ参加者一同
「見事な仕事やな」「これは何を作ってるの」―。商売の話に花が咲き、笑顔がはじけた「わっと大交流祭」。フェイスペイントや甲冑体験、その場で調理したおいしい料理、板金塗装の実演など、多彩なプロの技と工夫に、会場のあちこちで交流の輪が広がりました。
座布団作りの体験コーナーを設けたのは、「ふとんのマルイ」の2代目で、一級寝具製作技能士の資格を持つ井川大輔さん。大阪府知事賞(2010年)も受賞した匠の技で、木綿を畳みながら、あっという間に座布団に仕上げていきます。出来上がった座布団はきっちりと角が付き、表面は測ったように均一で滑らかな手触りです。体験者からは「布団を作るのってこんなに手のかかる仕事なんだ」と、驚きの声が上がりました。
「職人の作る本物の木綿布団の良さをアピールできたかな」と井川さん。「本物の良さを知ってもらえれば、さらに商売は発展できる。民商でこういうアピールの場をつくってほしいし、もっと積極的に関わっていきたい」と手応えを感じていました。
バイクを展示し、「レンタルバイク」サービスをアピールしたのは「タイガーオート」の2代目、高尾大輔さん。1時間あたりで、50シーシーバイクが756円、1000シーシー以上が4320円で借りられる新サービスが注目を集めました。
「バイクを買ってもらうには、まず魅力を知ってもらうことが大事」とレンタルサービスの狙いを明かす高尾さん。「販売・修理・保険・カスタムなど、バイクの専門家として、お客さんの要求になんでも応えられる店をアピールしたい」と意気込みを語りました。
陶芸家の阪本健さんは「大阪・岸和田の土にこだわり、日常に溶け込む丹波焼の素朴な魅力を知ってもらいたい」と、ろくろを回しながらアピール。ジャークチキン(ジャマイカ料理)を販売した男性は「将来開業を考えており、いろんな業者とのつながりができることは、大きな経験になる」と参加への思いを語りました。
多彩な演出で 刺激しあって
メーンステージでは、大阪を拠点に活動するアーティストのライブ、会員の自転車店のバイクチームによるバイクトライアルショー、グラフィティアートなど多彩なパフォーマンスで盛り上がり参加者を楽しませました。
「BAR ADO」を経営し、フジロックフェスティバルなどにも出演経験があるラッパーのGEBOさんはメーンステージの大トリで出演。機関銃のような超高速ラップで会場を沸かせました。1回の出演料は数十万円に上るというGEBOさんですが、「民商にはお世話になってるし、人のつながりの中で本当にいいものを発信するという『わっと』の精神は自分のやっていることとも重なる」と無償で出演。「音楽で、地域に生きる中小業者やみんながつくった大阪のまちの魅力を発信し、盛り上げていきたい」と地元への思いを語りました。
参加者からは「つながることが民商のネットワークの原点だと感じ、自分の商売も頑張る刺激になった」「商売始めるなら民商だと思う」「体験コーナーが多く、熱気を感じた」「ライブもあって楽しい雰囲気だった」など感想が寄せられました。
大青協会長の須田剣治実行委員長=塗装=は「成功できて本当に“ほっ”とした。ともに頑張ってくれた部員や事務局の実行委員会の仲間に心から感謝している」と心境を語り、「今回できたつながりや成果を生かしながら、次回はさらに多くの人が参加できる形で交流会をやりたい」と今後の展望を語っています。
◆成功の秘訣は
交流祭は結成40周年を迎えた大青協が昨年から準備と討議を重ね、民商や大商連の協力を得て実現したもの。実行委員会の6回の討議の中で、大阪の地域全体を盛り上げる“祭り”にしようと話し合い、ビラ4万枚を作製し、出展者ニュースやSNSなどでも告知。会外の業者などにも声掛けを広げる中で、紹介が新たなつながりを呼び、会内外からの55組の出展者と、700人の参加者(会外約250人)を集めました。
全国商工新聞(2016年3月28日付) |