豊かな制度めざして=全商連共済会理事長・鎌田保さんに聞く
県連理事長会議で主催者あいさつをする鎌田全商連共済会理事長
全商連共済会は創立以来、中小業者のいのちと健康を守り、さまざまな試練を乗り越えて、およそ23万人が加入する組織となっています。全商連共済会の歴史、魅力、そして今後めざすべき活動について、理事長の鎌田保さんに聞きました。
全国商工団体連合会(全商連)結成当初から、中小業者が「社会保障からのけものにされている不安をすこしでも軽く」する必要があると努力を重ね、会員どうし助け合う組織を望む声が広がる中、1984年、全商連共済会は約10万人の会員でスタートしました。
発足時は「保険的」な要素を含んだ制度でしたが、いのちと健康を守る活動を強め、生存者重視、会員とその配偶者を中心にすえた制度へと改善を積み重ね、現在23万人が加盟する組織となっています。
阪神・淡路大震災や東日本大震災など未曽有の災害には「特別措置」を設け、震災見舞金を届けてきました。被災地では見舞金を渡す活動をとおして全国の仲間の助け合いが実感されています。
創立以来、約150万人に850億円の入院見舞やお祝い、弔慰金を届け、会員どうしの助け合いを広げてきました。
共済会の集団健診は、病気を早期に発見し、多くの仲間の尊いいのちを救い、仲間どうし助け合う活動の大切さを実感させる取り組みです。私自身も2年前、商売を支えてくれた妻が脳梗塞で倒れましたが、共済に加入していたので助かりました。配偶者の多くが自らの健康を犠牲にして、経営を支えてくれています。家族の健康にも心を配り、配偶者も無条件で加入でき、婦人科検診などをすすめることができるのも全商連共済会ならではです。
全商連共済会の創立総会(1984年4月22日)
共済つぶしとも果敢にたたかい
違法なマルチ商法規制を口実に05年に保険業法が「改正」されました。しかし、その内容は市場拡大を狙うアメリカ政府と日米大手保険資本の圧力により、自主共済に保険会社に準じた規制を押し付けるものでした。その結果、PTAや障害者の共済などが廃止させられる状況となりました。
全商連共済会は、民商・全商連と一体で助け合い共済を守る運動を展開し、他団体とも共闘し運動しました。3年間で署名160万人、要請ハガキ21万枚を国会に届け、保険業法を「再改正」させ、全商連共済会を適用除外にさせました。
今後は、TPP(環太平洋連携協定)への参加や、保険業法の「再々改定」で、規制が強められる懸念もあります。民商会員の中に「助けられる人と助けられない人」の区別のない、全会員が加入する共済会で団体自治を高め、集団健診やレクリエーションなど、いのちと健康を守る活動を広げ「より民商らしい共済」をめざします。
この機会に、まだ加入されていない会員、その配偶者の皆さんに、助け合いの輪に加わっていただくことを呼びかけます。
全国商工新聞(2014年4月14日付)
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