中小業者の健康守ろう 誘い合って集団検診=民商共済会
「日曜日に健診をやってもらえると、本当に助かる」「業者は体が資本。1人でも多くの会員に健康診断を受診してもらおう」―。全国各地の民商共済会が集団健診を取り組んでいます。多くの業者が健康に不安を抱えながら商売を続けています。こうした仲間に、健診の受診を呼びかけ、いのちと健康を守り合う活動が広がっています。
会員中心に準備、運営=兵庫・明石
日曜実施も好評
兵庫・明石民商共済会は9月9日、神戸医療生活協同組合・ひまわり診療所で、今回で25回目となる民商健診を行ないました。この日は最初の日曜健診で、69人が受診しました。
健診は、市が行う特定健診と併せて、心電図や肺のレントゲン撮影、大腸がん検診などをワンセットにした健診メニューを診療所の協力も得て実施しました。
朝8時から会員たちが集まり、机やいすの設置、受付作業の分担など、共済会役員を先頭に会員が中心になって作業を進めました。
民商健診実行委員長=特殊車両整備=が「私も民商健診でがんが見つかり、命が助かった1人。今年は会員比5割の受診目標を決めました。最後まで声をかけていきましょう」とあいさつ。
健診中の待合室では「また体重増えたわ」「ええもん食べとるんやろ」「仕事どない」「売り上げが減って、きついわ」など、受診者同士の会話も弾み、11時30分には全員の受診が終了しました。
初めて民商健診を受診した会員は、「予定通りに終わって良かった。日曜日にやってもらえるのがうれしい」と喜んでいました。
ひまわり診療所では、「新たな医療機器を導入する予定だが、購入にかかる消費税は転嫁できず診療所が負担。消費税増税で地域医療も壊れてしまう。一緒に増税中止に向けて頑張りましょう」と連帯のあいさつを受けました。
健診終了後、恒例となった手巻きずしを食べながら意見交流。「いつもはもうちょっと混むけど、今回はみんなの頑張りで、早く終わった」「受付名簿の行間をもう少し広くしたら、書きやすいと思う」などの感想を出し合いました。
支部中心に呼びかけ=神奈川・相模原
早朝から病院も協力
神奈川・相模原民商共済会は9月9日、さがみ生協病院で集団健診を行い94人が受診しました。
健診は特定健診で定められた項目以外にも、大腸がん検査や胸部・胃部のレントゲン、前立腺がん(男性のみ)など、気になる項目について希望する人は受診できます。この日は相模原市母親大会が開催され、母親大会に参加する婦人部の役員に対応するため、病院職員やレントゲン技師が朝6時から出勤してくれました。共済会役員も朝6時から受け付けや案内係を担い、胃のレントゲンが終わった人にお茶や牛乳を渡しました。こうした共済会役員の頑張りもあり、健診はスムーズに進行。お昼までにすべての受診を終えました。
参加した会員の中には年1回の集団健診で久しぶりに顔を合わせる人もいます。待合室では「どう、体の方は」「相変わらず医者通いだよ」など健康や商売の近況を交流していました。また「民商の健診は日曜日に行われるし、時間も都合を付けてくれるので助かるよ」などの声も寄せられました。
毎月の共済役員会では、集団健診に向けて各支部の受診申し込み状況を明らかにし、100人の受診者を目標にし、各支部で会員訪問や電話で受診を呼びかけてきました。また、胃のレントゲン撮影に時間がかかるため、病院が受診者にレントゲン撮影の時間帯を8グループに分けて行う案内の発送をしてくれました。
民商共済会は後日、健診結果報告会の開催を予定しています。管理栄養士から「健康と食生活」の話を聞いた後、診断結果や不安な事などを看護士さんと個別相談します。
女性の受診に配慮=広島・庄原
体制整えスムーズに
広島・庄原民商共済会は9月19日、広島共立病院の協力を得ながら庄原市保健センターを会場に集団健診を行い、53人が受診しました。
受診者同士顔なじみが多く、「仕事はどう」「遊ばん程度しかない」「家で測ればこんなに高くないんだが。血圧計が壊れているんじゃないか」など、順番を待つ間の会話も弾みます。
毎年民商共済会の集団健診を受けている会員は「昼からおやつも食べられんのはしんどいけど、仕事が終わってから受診できるのがいい」「ニュースでの案内が出たらすぐに申し込むようにしている。同じ先生に診てもらう方が安心」と話していました。
昨年は血液採取を1人で行ったために時間がかかったこともあり、今年は2人体制で行い、スムーズに健診を終えることができました。
また、女性の気持ちに配慮して今年は、体重測定を女性にやってもらったところ大変好評でした。
また今年初めて受診した会員からは「庄原市の行う健診よりは時間が短かくて楽しかったよ」と話していました。
全国商工新聞(2012年10月15日付)
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