第17回商工交流会 パネル討論「東日本大震災ビジョンを問う」
第17回中小商工業全国交流・研究集会が9月17、18の両日、さいたま市内で開かれます。パネルディスカッションや分科会の企画内容と魅力、パネリスト、助言者などを紹介していきます。1回目はパネルディスカッション「だれのための復興か―東日本大震災ビジョンを問う」です。
第16回商工交流会(09年10月31日〜11月2日、京都)でのパネルディスカッション
地域の資源と文化を生かした復興へ
復興基本法が6月20日に成立し、25日には政府の復興構想会議が「復興への提言」を答申しました。岩手、宮城、福島の被災3県でもそれぞれの復興計画案が示されました。復興ビジョンは地域で生活し、生き、働き、営業している人びとの要望を基礎に、持続可能な災害に強い地域づくりをどう進めるかの方向性を示すものでなくてはなりません。
パネル討論では、「誰のための復興か」という視点で復興ビジョンを検討し、「地域の資源と文化を生かした」復興の道を探ります。
綱島不二雄氏は、東日本復旧・復興みやぎ県民センター代表で、県民の立場からの対案を示す運動を進めています。村井知事の「水産業復興特区」構想の問題点を明らかにし、漁業復興への具体的提案も示している漁業権問題に詳しい専門家です。
斉藤信氏は日本共産党の岩手県議会議員で、救援・復興岩手県民会議の常任世話人です。「安全の確保」「暮らしの再建」「なりわいの再生」の3原則を掲げ地域循環型社会づくりをめざす復興に尽力しており、地方政治の現場からの報告が期待されます。
福島大名誉教授の鈴木浩氏は「福島県復興ビジョンへの提言」を座長としてとりまとめた県の復興ビジョン検討委員です。同提言では、「原子力への依存から脱却」を明確にし、福島県は「真に持続可能な社会モデルを国内はもとより世界に発信していくような先進地域」として展望を開く必要があると述べ、注目されています。
コーディネーターは吉田敬一・駒沢大学教授が務めます。
全国商工新聞(2011年7月25日付)
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