多彩な企画商売の力に 第19回商工交流会
神戸から塀を世界へ
第19回中小商工業全国交流・研究集会(商工交流会、同実行委員会主催)が9月5、6の両日、神戸市内で開かれます。2年に一度、学者や中小業者、自治体職員などが1500人規模で集い、運動と研究の成果や経営の経験を交流。今回は「平和と商売」「消費税増税後の経営」「小規模企業振興基本法を生かした自治体政策づくり」など多くを学び、未来を切り開く機会となるものです。
注目集める3つのパネル 憲法講座
阪神・淡路大震災からの復興のシンボル=長田区の「鉄人28号」
今回のメーンテーマは、「つくろう!中小商工業の力で 平和で持続可能な経済・社会を」です。三つのパネルディスカッションと憲法講座、14の分科会や移動分科会を企画し、今日の中小業者をめぐる情勢と問題別・要求別の課題を明らかにします。
安倍政権の「地方創生」は「世界で一番企業が活動しやすい国」をめざし、国家戦略特区の名の下に雇用や農業、医療に関わる「岩盤規制」の緩和で新たなビジネスチャンスを広げようとしています。自治体の格差と地方の衰退が懸念されるだけに、地域再生を掲げ中小業者を中心としたまちづくりをどう進めるのかが、焦眉の課題です。
パネルB「地域再生の展望をつくる」では中小企業振興条例の制定や地域内の経済循環、住民自治に基づいた福祉の向上、人口を増やす地域づくりを実践する自治体の報告を踏まえ、地域再生の方向を明らかにします。
またパネルA「阪神・淡路大震災20年、東日本大震災5年目」では「復興災害」をもたらした創造的復興の教訓と問題点を明らかにし、災害対策のあるべき方向を深めます。
パネルCは「いま、輝く地域密着の小企業・家族経営」。地域に根差す人間性あふれる個人経営が見直されていることを踏まえ、地域にとってかけがえのない繁盛店の事例から経営改善のヒントをつかみます。
また、「憲法講座」では、醍醐聰、石川康宏両氏の対談を通じ、自民党憲法改正草案がめざす国家ビジョンと国民像を明らかにしつつ、改憲策動にストップをかける運動への展望を探ります。
土谷洋男・現地実行委員長は「地域経済の発展こそが中小業者の生業を支える道。皆さんの力で商工交流会を成功させましょう。兵庫では、お弁当や物産展などのおもてなしで全国の参加者を迎える準備も進めています」と話しています。
また、神戸市内の商店街役員・中小業者からも「もっと神戸を知ってほしい」と歓迎の声が届いています。
全国から多数参加を
全国実行委員長 磯谷吉夫さん
中小商工業全国交流・研究集会が22年ぶりに兵庫県で開かれます。阪神・淡路大震災から20年目の節目の年の開催となりました。
「負けてたまるか大震災」と再建に向かってたたかった20年間でした。ようやく皆さんをお迎えできるまでになりました。
被災者の運動で勝ち取った成果と教訓も数多く生まれました。
今、国会で「戦争法案」が審議されています。平和憲法を生かした運動の上に34年の歴史を重ねてきた商工交流会が、安倍暴走政権をストップさせ、改憲を阻止する大きな力になると確信しています。
政府も認めているように、家族経営の小規模事業者が地域経済を支えています。この商工交流会を「地方創生」を叫ぶ国や地方自治体に中小業者支援策の具体化を迫る運動の力にしていただきたいと思います。
東日本大震災から5年目、「創造的復興」の名の下に進められた復興策の問題点と課題も含め、大いに交流し「神戸の勇気と実践」を皆さんのお土産にできるよう、全力で取り組みます。全国から多数のご参加をお待ちしています。
魅力あふれる街 楽しんで
春日野道商店街理事・藤井克彦さん
神戸市は川崎製鉄や神戸製鋼などの本社があった企業城下町。春日野道商店街もそれを支えてきましたが、移転とともに活気も失われてきました。
しかし最近、若い人たちが、歌手などを招いたサウンドフェスタなどで商店街の活性化に取り組んでいます。
震災から20年。神戸の現状とともに、元気を取り戻そうと挑戦している商店街の姿も見てほしいですね。
神戸マイスター・伊藤建志さん
全国にも通用するハイレベルな技術・技能者と、神戸市が認定したのが神戸マイスターです。私が写真技術で認定されたのは94年。製造、建設、サービスなど110人ほどが認定されています。
都市名がついたマイスターは全国でも珍しいと思います。震災後、人口減も止まっていませんが、神戸のまちづくりを支える「神戸マイスター」にも注目してほしいですね。
モトコー1番街会長・西尾義昭さん
JR元町駅から神戸駅の高架下で商売をしているのがモトコー商店街で、7番街まであります。
神戸といえばスイーツに異国情緒などを思い浮かべる人が多いでしょうが、モトコーは昭和の香りが漂うレトロな場所。古道具や骨董品、古着などを主に売っています。「ビエンナーレ美術祭典」の会場にもなり、全国から人が集まります。
隠れた神戸もぜひ楽しんでください。
神戸の魅力発信
「つくろう!中小商工業の力で 平和で持続可能な経済・社会を」をメーンテーマに、第19回中小商工業全国交流・研究集会が9月5、6の両日、神戸市内で開かれます。開催要項と合わせ、2日目の分科会企画、全国の参加者を迎えようと準備に奮闘する現地実行委員会の動きを紹介します。
現地実行委員会は全国の参加者を迎える準備を進めています。5月11日に行った団体訪問の結果、神戸新聞やKISS FM KOBEなどの地元メディアが後援を決定。県中小企業家同友会からも「支部で配りたい」とパンフレット取り寄せの連絡がきています。
県内民主商工会(民商)・県連では、2日目の昼食の弁当を会員の知恵と力を寄せ合い準備をしています。第1回弁当業者の集まりには6業者が参加。「容器やお茶は一括で仕入れたらどうか」「次回は食材を持ち寄りメニューを考えよう」と、積極的な意見が出されました。「参加者が『おいしかったよ』と、笑顔になるような弁当を作ろう」と、はりきっています。
2日目には兵庫県立大学の教室で物産展を開く計画です。パール(真珠)、瓦せんべい、洋菓子、刃物、5本指ソックスなど。地場産業を中心に、出展者を募り、神戸の魅力を全国の人に発信していきます。
* * * ▽日程 9月5日(土)12時〜6日(日)15時30分まで
▽会場 神戸芸術センター、兵庫県民会館、神戸市勤労会館、兵庫県立大学・神戸商科キャンパス
▽参加費 1万円 学生・院生3000円。移動分科会は別途実費
▽申し込み 参加費を添えて8月23日までに実行委員会に申し込んでください
▽申込先 第19回中小商工業全国交流・研究集会 全国実行委員会事務局 〒171-8575 東京都豊島区目白2の36の13 全商連会館内
Tel03・3987・4391 ファクス03・3988・0820 Eメールseisaku@zenshoren.or.jp または全商連のHPからも送信できます
▽送金先 銀行振込=りそな銀行目白出張所 普通口座 0033885 名義「商工交流会」 郵便振替=00100-4-76755 名義「商工交流会実行委員会」 現金書留=上記の実行委員会宛て
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