全商連トップページ
中小施策 税金 国保・年金 金融 経営 業種 地域 平和・民主 教育・文化 県連・民商 検索
 全商連とは活動方針・決議署名宣伝資料調査婦人部青年部共済会商工研究所発行案内入会申込リンク
  トップページ> 全商連とは > 全商連付属・中小商工業研究所> 全国商工新聞 第2798号 9月17日付
第15回中小商工業全国交流・研究集会
 

パネルディスカッション

 第15回中小商工業全国交流・研究集会は、三つのテーマでパネルディスカッションが開かれ、イラスト展や物産展も大好評でした。青年たちの元気な姿もあちこちで見られ、積極的に交流しました。

PHOTO
自分で製作したギターを演奏する一柳さん。美しい響きに会場は酔いしれました
極める―技術・商売
業者の知恵と工夫で勇気を持って道開く

 「極める」では、吉田喜一・東京都立産業技術高専教授をコーディネーターに、三好啓之・共栄企業組合理事長、愛知・津島民商の一柳邦彦さん(ギター製造)、渡辺吉明・日本テクニカルデザイナーズネットワーク理事長がパネリストを務め、山田卓司さん(自治労連都職労)が司会をしました。
  三好氏は京都の伝統産業を現代に生きるものにと「西陣を考える会」をつくり、素材と技術を駆使して西陣のブランド化を図り、差別化を通じて販路開拓をすすめてきた経験を紹介。「伝統は変化し、革新していく中で継承されていくもの」と強調しました。
  一柳さんは技術のほか、材料も受け継ぐことを強調。
  木を理解し管理することでこそいいものができ、「いい音を出すということは言葉を伝えること」と、製作費100万円のギターで演奏を披露、参加者は美しい響きを堪能しました。
  渡辺氏は売れる商品、ユーザーの求める商品開発へのスキルを紹介。欠陥商品を出せば一夜で企業はつぶれるという厳しい環境になっており、プロセスをきちんと踏み、表示の仕方も適切であることが大事だと指摘しました。
  討論では「提案型がいいと思うものの、金型作りなどリスクもあり難しい」「クレームにどう対応していけばいいか」など疑問、悩みも率直に出され、「極めるのは1人では難しい。共同ですすめてこそいいものに近づける」「勇気を持って前へ進み道を開くことを学んだ」などの声が出されていました。

PHOTO
パネルディスカッション「広げる」ではパネリストの報告に参加者の関心が集まりました
広げる―ネットワーク
異業種交流通じて新製品・新分野へ挑戦

 異業種交流を通じて新たな分野に挑戦するとりくみを交流しました。
  神奈川県異業種グループ連絡会の芝忠さんが司会を務め、2人のパネリストが報告。
  大阪・生野区の佐藤元相さんは異業種交流会「フォーラム・アイ」の活動を紹介。「生野を日本のミラノに」をめざし、オリジナルブランド「YOROI」を生み出しました。アルミと革を融合させ、機能、品質、デザインを追求したバッグなどを製造・販売。ミラノ出展に続いて、ニューヨークでも展示します。「中国と同じ製品を作っていても太刀打ちできない。明確なコンセプトと創造力を身につけ、付加価値の高いものづくりが求められている」と強調しました。
  長野・岡谷市で(有)日拓精工を経営する荒井潔さんは、異業種交流グループ「NIOM(ニオム)」の活動を報告。
  「13社が集まって(株)ニオムネットを立ち上げ、旅行業からチタンなどのアクセサリーを製造・販売まで幅広く営業している。頭をひねれば加工業者も製品ができる」と語りました。自社ではコンピューター外付けハードディスクを開発・販売。休憩時間には製品を手にしながら、参加者とパネリストが熱心に交流しました。
  討論では会場から生産が中国に移る中で美濃焼の職人らが異業種交流をし、たんすの引き出しにレリーフを埋め込むなどの工夫が生まれた経験などが報告されるとともに、「販路拡大をどう図ればよいか」との質問も出され、「ネット販売が一番」など意見を交換し合いました。

変えるー自治体・地域
各地で生まれる変化 地域振興運動を交流

 地域経済が疲弊するなかで、地域振興のための自治体政策をどう考えればよいのか。各地で大きな変化を生みつつある「地域振興条例の制定」を中心に議論されました。
  大阪・大東市商工グループリーダーの三浦純一さんは、産業振興を目的とした商店街と製造業の実態を調査し、「産業振興ビジョン」を制定するまでのとりくみを報告。中小商工業者が自ら考え挑戦していく「自治力」を高めるために、「人との関係を育てる場所」を提供していくことが自治体職員として大事な役割だと強調しました。
  帯広民商会長の志子田英明さん=飲食=は、4月から施行された「帯広市中小企業振興基本条例」制定運動を報告。
  民商が12年前から条例制定を議会に働きかけ、市の実態調査結果では、「想像を超えていた」と市職員が驚くほど地域経済が衰退している実態が浮き彫りとなり、振興条例が実現した経過を話しました。
  条例は市長の責務を明確にするなど画期的な内容です。
  浜松民商事務局員の高林順さんは、ヤマハやスズキなどの大工場が相次いで流出するなかで、自ら市長選挙にも立候補しながら、地域振興条例制定の運動に粘り強くとりくんだことを報告。選挙では敗れたものの、大型店出店を制限する「商業集積ガイドライン」が作成され、9月議会で罰則付きの条例案が提出される予定になっており、地元の商店街会長からも喜びの声が届いたことなどを紹介しました。
 
全商連トップ ページの先頭