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  トップページ > 全商連の活動 > 全国商工新聞 第3218号6月6日付
 
全商連第52回定期総会
 

全商連第52回定期総会 全体会討論

地域に輝く民商を 要求の実現と拡大を結んで

 全体会討論では13人が発言。2年間の多彩な活動の到達と教訓、拡大で悪政に反撃する決意が示され、方針案を豊かにする内容に共感の拍手が送られました。

対象比30%以上を46年 大商連 井村 葵さん=運送
 松原民商は会員1065人で商工新聞読者は1273人です。前回総会時現勢を1人上回り、表彰基準を突破しました。表彰は20年ぶり。みんなの前で表彰されるのはうれしいですね。
 松原市の対象業者数は3132で会員の業者比率は34%。30%以上を46年間維持しています。しかし春の運動では増えても50人前後。これでは会員1000人を切ってしまうと、1月初旬に常任理事会を開き「チャレンジ100」を打ち出し、年間会員拡大100人の目標を掲げました。
 大きく増えない原因は、日曜日だけの拡大行動になっていたこと。それで平日も拡大行動をしたことで、今年の春の運動で86人の新会員を迎え入れることができ、年間目標も達成できました。
 また、一昨年50周年行事として企画した民商健康まつりに、市長が会場となる公園使用の許可を出さなかったため、民商は市を相手に裁判でたたかっています。裁判もヤマ場を迎えていますが、このたたかいも会員を増やす大きな力になりました。

民商拡大で新基地阻止 沖縄県連 喜友名 龍也さん=鉄筋
 米軍属・元海兵隊員によって、うるま市の20歳の女性が殺害されました。基地を野放しにしてきた日米政府に大きな怒りを感じます。
 この2年間、沖縄は大きなたたかいと成果をつくりました。14年の名護市長・市議選の勝利、昨年11月の翁長知事の誕生。悲惨な沖縄戦の経験を繰り返してはいけない、米軍基地は経済発展の最大の阻害要因であり押し付けは認められない、と沖縄の心が一つにまとまったものです。総選挙でも「オール沖縄」の候補者が完全勝利。今年3月には国が裁判での和解を受け入れ、辺野古の新基地埋め立て工事は無期限で中断しています。現在は県議選挙の真っ最中。参院選挙に弾みをつけるよう頑張る決意です。
 全国からの支援と期待に応え、新基地建設阻止と中小業者の要求実現を担える大きな民商をつくろうと努力してきました。毎月2回の全県拡大統一行動は、日常的な拡大を意識させ、各民商で「なんでも相談会」や対象者訪問を行い、3月末で昨年より112人上回る会員を増やすことができました。

自治体動かす要請行動 群馬県連 奈良 民男さん=製造加工
 群馬県連では全自治体要請行動を2年連続で取り組みました。行動の力になったのはパンフ「小規模企業振興基本法をどう活用するか」(全商連作製)などの学習です。
 1年目は初めて足を運ぶ自治体もありましたが、地域の産業構成や世帯数に対する事業所の割合など経済センサスから自治体の特徴をつかんだ要請に一目置かれ、「地域を活性化させたい」との思いを共有することができました。
 2年目は自治体にも変化が表れ、伊勢崎市では創業資金創設の要請に対して「既存の制度融資に創業を組み入れ、検討したい」と前向きな考えが示され、今年4月からスタートしました。
 また、安中市では高崎民商安中支部が住宅リフォーム、商店リニューアル助成の創設で市長と懇談したところ一気に二つの制度が創設されました。
 拡大では多くの会員が運動に参加することに力を入れ、5民商が総会表彰を突破し、県連としても8年ぶりに会員比150%の読者を達成しました。

震災復旧へ班会開いて 熊本県連 松尾 信幸さん=建設
 震度7が連続して起きた熊本地震から1カ月たちました。死者・行方不明者50人、建物被災7万5000棟を超え、今も毎日余震が続いています。
 震災直後、県連が災害対策本部を立ち上げ、安否確認や被害状況の聞き取りを行い、ニュースを発行し、県に「熊本地震からの復興への提言と私たちの要求」を提出しました。全国の仲間からは、次々と支援物資や1200万円を超える義援金が届き、励ましの声とともに被災会員に見舞金として届けています。あらためて感謝します。
 宇城民商も震災直後から会員訪問を行い、10日余で60人から被害状況を聞き取ってきました。「こんな時だからこそ集まれば元気が出る」と班会も開き、その中で出された声をもとに6人が「納税の猶予」を申請しました。
 今、すべての班会で被災救援と拡大を率直に訴えています。全商連総会に向け、2日間で商工新聞読者10人を増やしました。
 「まけんばい」の気持ちで、被災した会員に寄り添い、民商の存在を示し、復旧に全力を挙げます。

パワーあふれる拡大を 宮城県連 三戸部 尚一さん=印刷
 東日本大震災から5年を迎えました。宮城県政は「創造的復興」方針のもと、250キロの巨大防波堤など大手資本の大規模土木事業を推進してきました。一方で、現在も4万8000人の被災者が仮設に住み、県外避難者も6026人います。街づくりは遅れ、先の見通しが立たず中小業者は苦悩しています。福島原発事故の影響も深刻な上、東電は損害賠償を打ち切るなど言語道断です。
 こうした中、宮城県連は組織拡大に正面から取り組んできました。特に、いつでも独自追求をしてきた気仙沼本吉民商や「1100人民商に近づける」と奮闘する石巻民商は全県を激励しました。
 世代継承が求められる中、青年部活動が質量の面で前進していることは大きな希望です。また、婦人部の所得税法第56条廃止の意見書は県内7割以上の自治体で採択を勝ち取りました。
 安倍政権ノーの声が日増しに強くなっています。民主主義と立憲主義を守るため、地方からパワーあふれる組織拡大でさらなる高みをめざして頑張りたい。

2000万署名必ずやりきる 長崎県連 戸崎 和久さん=建設
 戦争法廃止めざす2000万人署名の提起を受け、1会員10人、3万人の署名を集めることを提起しました。昨年比1・5倍の140人が参加した新春決起集会でも参院選挙で野党統一候補の擁立を実現するため「2000万人署名を必ずやりきろう」と訴え、大いに盛り上がりました。
 長崎民商では140人を超える会員が「署名チャレンジャー」に登録し、署名を集めています。80人分を集めた会員は「参院選挙で戦争法に賛成した議員を落選させるため、あらゆる人に署名を訴えることが大切」と話し、奮闘しています。
 基地の町で活動する佐世保民商の地域には、自衛隊や米軍関係者の家族も多く、「自衛隊関係者も戸惑っている」と話してくれる人や、「二度と戦争は嫌。佐世保が攻撃の的になるから」と署名に応じてくれる人もいました。
 五島民商では役員の要求から計画された沖縄連帯ツアーを力に、戦争法廃止のたたかいを一層強めようと決意し、署名集めに頑張っています。

署名で民商の魅力広げ 埼玉県連 菊池 正美さん=家電販売・修理
 埼玉県連は、戦争法反対、消費税増税反対、マイナンバー制度反対の三つの署名で民商の値打ちを広げ、拡大に弾みをつけようと取り組んできました。4月30日現在で、「戦争法」署名は3万2971人(会員1人当たり3・6人)、「消費税」署名は4万4150人(同4・9人)を集め、さらに上乗せに挑戦しています。
 目標は1会員当たり30人。これをどうやり遂げるか議論し、(1)全会員訪問を通じ、署名を広げ拡大に取り組んでもらう(2)署名推進リーフをつくる¥文字(3)目標をやり遂げている三郷民商の教訓に学ぶ(4)出足早く取り組む―ことを決め、取り組んできました。
 県連としての拡大統一行動も設定、新年早々には決起集会も開き、戦争法反対署名を一人で100人以上やり遂げた会員を表彰するなどの工夫もしました。三役や婦人部による駅頭での宣伝・署名行動はじめ、自動車パレードで訴えた民商もあります。
 署名の目標達成とともに、会員1万人、読者1万5000人の回復をめざして頑張ります。

「換価の猶予」活用強め 静岡県連 西野 雅好さん=木製品製造
 県内13税務署のうち12税務署に64人が「納税の猶予」、「換価の猶予」を申請し、16人が決定通知を受け取りました。残りの人たちは5月末から6月にかけて結果が通知されると思います。否決されれば異議申し立てをして納税者の権利を認めさせる運動につなげたいと思っています。
 「換価の猶予」が広がったのは1月14日の全県事務局員会議で時間をとって納税緩和措置の学習をし、申請書の書き方や家計表のつくり方、注意点などをみんなで学んだことが大きな力になりました。
 藤枝市では差し押さえ件数が減っています。2014年に副会長が差し押さえに対して、異議申し立てをし、近隣の民商の仲間の力を借りて20人が口頭意見陳述をしてたたかったことが市の対応に変化をつくり出しました。
 地方税は国税にならうと法律に明記されていますので、国税での換価の猶予の活用を大きく広げながら地方税でも「徴収の猶予」を認めさせる運動を前進させたいと思います。

106カ月連続で会員拡大 愛媛県連 小野裕二さん=造船
 市議会に請願書を出してから10年半、今治市で住宅リフォーム助成制度が実現しました。県連の自治体キャラバン、市議会への要請行動、地元有力者とも懇談を重ねてきた成果です。
 今治民商は新会員を106カ月連続で迎えています。「毎月一人でも会員を増やそう」とこだわり、この2年間で入会した99人のうち7割は会員の紹介です。入会者の多くが「複数の会員から民商を勧められた」といいます。地場産業の造船業界では、労働保険の手続きの評判が広がり、700事業所のうち110人が会員です。
 会員が紹介しやすいように宣伝に力を入れてきました。路線バスに全面広告を出したり、ダンスコンテストなどのプログラムに広告を出したり、50周年を迎えるにあたり、ゆるキャラもつくりました。民商も従来の殻を破って、ソフトに対応していくことが求められています。
 参院選の統一候補が愛媛でも決まりました。政治と要求を結ぶ対話運動を全会員規模で取り組むことに全力を挙げる決意です。

無罪判決勝ち取るまで 岡山県連 金岡 誉幸さん=運送
 私が倉敷民商に入会した翌14年1月、倉敷民商の事務局員が逮捕されました。民商で私が学んだのは自主計算、自主記帳、自主申告です。それだけに最初は何が起きているか分かりませんでした。
 すべての公判を傍聴して分かったのは、税理士法の矛盾、検察の横暴、権力による結社の自由の侵害、そして増税反対の先頭に立っていた民商への弾圧の意図でした。
 税務書類の作成は、税理士の独占業務としていますが、今は技術の進歩で会計ソフトを利用すれば誰でもできます。民商ではその使い方を教えているだけです。税理士法は時代にまったく合っていないのです。
 裁判では100の傍聴席が毎回、埋まります。支援する会も各地でつくられ、全国の連絡会も結成されました。倉敷民商青年部はこの間、3人のメンバーを新たに迎え、倉敷民商も商工新聞読者を増やしています。私たちは、どんなことがあっても、3人の事務局員の無罪判決を勝ち取るまで頑張ります。

紹介したくなる民商に 鹿児島県連 綾田 民樹さん=ガス機器メンテナンス
 昨年9月初旬に1回目の拡大推進会議を開き、総会現勢の回復をどうやりきるか議論しました。
 入会のきっかけの約70%が会員の紹介によることから、すべての会員に紹介を訴えようと、全民商で署名を片手に会員訪問を行いました。春には、チラシを地元新聞に折り込み、商工新聞の商店街配布を行いました。
 立て看板を見て相談に来たという報告もありました。広く地域に民商を知らせることが、紹介しやすい環境をつくる近道になります。
 そんな中、全商連の磯谷副会長の激励訪問を受け、私は「民商は地域の業者に何を望まれているか、それに応えられているのか。それを応えることで、民商の地域への浸透度を知るバロメーターになる」と思いました。
 現在、会員・読者の対象業者比は、過去最高現勢だった99年を上回っています。この間の拡大運動が、多様化する時代に対応し、少しずつ地域に根付いてきていることだと受けとめ、自信と誇りを持ちたいと思います。

増やしてこそ要求実現 兵庫県連 村上 健治さん=酒類小売
 前総会で、和歌山県連や愛媛県連の全自治体キャラバンの取り組みを学び、早速、兵庫県連でも総会方針に盛り込み実践しました。
 私はそれまで兵庫県庁と神戸市役所しか行ったことがありませんでしたが、全自治体キャラバンでは三役が手分けをして民商に入り、地元の役員と一緒に自治体を訪問しました。
 1年目は「どんな団体か」と構えていた自治体もありましたが、2年目は全国商工交流会の後援のお願いも合わせて要請書を持って自治体を訪問。話が弾み、本音や自治体の苦悩も出るようになりました。
 税金の滞納や国保料が払えない、保険証が取り上げられたなど緊急切実な要求での入会が後を絶ちません。一人の力では解決できないことも民商という組織があれば打開の道が開ける。それが65年の歴史が切り開いてきた民商運動です。憲法に基づき、生きる権利が優先するたたかいを進めるなら困難は必ず打開できます。増やしてこそ民商、増やしてこそ要求実現。一緒に頑張りましょう。

商売伸ばす要求に応え 北海道連 志子田 英明さん=飲食
 北海道・帯広のカラオケスナック「ときお」のマスター志子田です。昨年50周年を迎えた帯広民商は、この1年間で75人の入会者を迎えました。45人は税金要求で、このうち7人は税務調査での入会。「申告は適当にやっていました」と税務署員が用意した¥文字(G0-8564)自白調書¥文字(G0-8566)にサインを迫られた人もいました。会外ではこんなひどい事例が横行しています。
 4月の衆院5区の補欠選挙では、「消費税ストップ」「TPP反対」、そして「中小企業の社会保険料は軽減を」と一致する政策が増えていきました。「自分の要求を実現する選挙だった」と、会員もみんな元気になりました。帯広民商には、30年以上毎月班会をしている班が17班あります。「元気が出る民商」とは、自分たちの居場所であり「喜び、苦しみ、人生そして未来を語れる」場所です。
 小規模とはいえ、私たちは経営者。「商売をどう伸ばすか」の要求に正面から取り組んでいく時期がきたのではないか。「元気な民商」を打ち出し、中小業者の時代を切り開く決意です。

全国商工新聞(2016年6月6日付)
   
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