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  トップページ > 全商連の活動 > 全国商工新聞 第3283号10月9日付
 
全商連の活動
 

7省庁に要求迫る 業者施策の改善、拡充へ=全中連

 全国中小業者団体連絡会(全中連)は衆院解散を翌日に控えた9月27日、60項目余に上る中小業者の要求実現を求め、国土交通省はじめ7省庁と交渉、政党にも業者の願いを届けました。国会内集会には、全国から100人を超える業者らが参加。日本共産党の真島省三衆院議員が、冒頭解散について「森友・加計」疑惑隠しの「自己保身解散」と批判するとともに、市民と野党の力を結集し、安倍政権を倒そうと呼び掛けました。

【国交省】社保加入指針徹底を 「元請け・下請け間の調査行う」

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労務単価の調査、引き上げを求める交渉参加者

 社会保険に加入義務のない小規模事業者への加入強要問題、建設労務単価の引き上げ、リフォーム事業支援の推進などを要望しました。
 強制加入問題について、国交省が「元請けなどにまだ誤解がある」と回答したのに対し、参加者は「法人にしないと契約を解除する」「加入しないと現場に入れない」などの間違った対応が今も横行していると告発。「今までと同じ対応では変わらない」とし、ガイドラインと異なる対応をしている会社名の公表を含めた指導の徹底を求めました。
 建設労務単価に法定福利費を別枠として確保する問題では、台風被害を受けた大分の参加者が「労務単価も6年前から変わらず、法定福利費も確保されておらず、業者が減少。災害に対応する重機さえないのが実態だ」と発言。担当者は、毎年行っている労務単価の調査に加え、「2万5000社を対象に、法定福利分を含む労務単価を受け取っているかどうか元請け・下請け間の調査を行うことにしている」と新たな対応を進めていることを明らかにしました。

【厚労省】強権的な徴収やめよ 「研修で周知徹底」

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各地の現場の実態を厚労行政に生かしてほしいと訴える住江憲勇・全国保険医団体連合会会長

 「国保料(税)引き下げのための一般財源からの繰り入れは可能であることを市町村に対しアナウンスするよう徹底すること」の要望に対し、国民健康保険課は「将来的に法定外繰り入れを解消してほしいが、『6年で解消』などとは言っていない」と回答。参加者は「(岐阜市や千葉県柏市、兵庫県などは)国が期間を切って解消を迫っているとの認識だ」と告発し、「文書で国の方針の徹底を」と求めると「検討する」と述べました。
 労働保険徴収課は、労働保険事務組合がマイナンバーを扱えない場合にも「直ちに罰則や認可の取り消しなど不利益扱いを課す考えは一切ない」と言明。
 社会保険料徴収に対し、厚生年金保険適用徴収専門官は「直ちに差し押さえ等の滞納処分ではなく、電話や文書による納付督励を行い、経営状況や今後の見通しを丁寧に伺いながら、納付の猶予や計画的な分割納付の相談に応じている。会社をつぶすためにやっているわけではない」と回答。
 参加者が各地の年金事務所の横暴を告発。「滞納分を毎月3万円分納。6月に5万円の増額に応じたら、8月に約200万円を年内に納めないと売掛金を差し押さえると言われた。会社をつぶしてまで払うのか」(岐阜北)、「納付不可能な誓約書を書かされ、換価の猶予の説明もないまま介護報酬が差し押さえられた」(神戸北)など、かけ離れた実態が出されました。これを受け、「8月、来所通知に換価の猶予のリーフレットを同封しなさいと指示依頼を出したが、それだけでなく研修カリキュラムの中に組み入れ、周知徹底を図っていきたい」と回答しました。

【国税庁】違法な税務調査告発 佐川長官問題も追求
 税務調査の事前通知を文書で行うことや税務運営方針に沿って納税者の対応は親切・丁寧を心掛けること、納税者を来署させ、事前通知なしに調査に移行する手法の違法性を追及しました。
 参加者は不当な税務調査や強権的な徴収の実態を告発。「預金通帳の残高が多すぎるとして『私は脱税した』と虚偽の『質問応答記録書』が作成され、『印鑑を押さなければ逮捕させる』と押印を迫られ、8年間さかのぼって多額の追徴金が課税された」(岩手・一関)、「修正申告の内容に異議を唱えると4回にわたって所得税額が増額され、最後は実額計算ではなく推計で課税された。公権力を使ったどう喝行為」(岩手・胆江)、「調査で領収書がすぐに出なかったことを理由に消費税の仕入れ税額控除が否認され、500万円が追徴され、経営難に追い込まれている」(兵庫・西宮)、「担当者が変わった途端、延滞税の一括納付を迫られ、取引先に資産負債の調査書を送り付けられて仕事を失った。上司は対応が不適切と認め謝罪したが、署員の誤った対応で信用を失った」(埼玉東)などと訴えました。
 参加者は森友・加計疑惑を隠ぺいする答弁を繰り返した佐川宣寿氏の国税庁長官就任について「記録がない、書類破棄したと平気で言ったが、税務調査で納税者が同じことを言ったら許されるのか」と怒りの声をぶつけました。
 災害など不可抗力で書類を紛失した時の配慮を求めたことに対し「前年の申告を参考にするなど合理的な方法で対応できる」と回答しました。
 国税庁が「消費税は「預り金的性格を有する」と主張している問題で『国税庁レポート2017』からその記述が削除されていることを指摘すると、「(理由は)後日、回答する」ことを約束しました。

【経産省中企庁】「再度設計を検討中」

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「中企庁設置の目的に立ち返ってほしい」と訴える橋沢代表幹事

 小規模企業持続化補助金の予算増額など施策の充実を求めました。
 持続化補助金の本予算化と予算増額を求めたのに対し「来年度当初予算の概算要求に計上している。増額については補正予算の方が対応しやすいことからこの間、補正で実施してきている。制度設計をどうするか検討中」と答えました。
 東電福島第1原発事故の損害賠償で、減額や打ち切り、超過分の請求書を渡さない門前払いなどが起きている問題についてただすと、担当者は「超過分の請求書を渡さないという事例があったことは聞いている。東京電力には不適切な取り扱いをしないよう指導したところ」と現状を説明。相当因果関係の証明にあたって、必要以上の書類の提出が求められるなど、被災者に責任が押し付けられている実情を指摘し是正を求めました。
 中小企業・小規模企業振興条例の制定を自治体に促すよう求めたのに対し、担当者は「条例制定権を侵すのでできない」と回答。参加者が「小規模企業振興基本法には、基本計画の策定など自治体の責務が位置づけられている」とただすと、「よく現場と意見交換していきたい」と述べました。

【総務省】番号記載強制するな 「法的強制力ない」
 共通番号(マイナンバー)の利用範囲拡大や自治体での取り扱い、滞納者への徴収行政のあり方などについて要請しました。
 自治体から送付される住民税の「特別徴収税額の決定・変更通知書」に共通番号欄が設けられ、一方的に番号が記載された問題で、100を超える自治体で誤送付などが発生し、番号の漏えい、流失が生じたことを訴え。国民の利便性を図られるどころか、プライバシー侵害を引き起こしていると批判しました。
 総務省が、“技術的助言”の名のもとに、記載していない自治体を「指導」していることについて、「強制か」と問い詰めると、「技術的助言に法的強制力や罰則はない」と明言。「番号漏えいは起きてはならないこと」と回答しました。
 また、一部自治体で、シルバーパスの発行に「マイナンバーカードが必要」と宣伝するなど、番号の利用範囲が拡大されている問題で「カードを持っていない人が公共サービスを利用できないようなことがあってよいのか」と追及。同省は「カード利用は利便性を高めるためで、持っていない人がサービスを受けられないようなことはあってはならない」と答えました。

【財務省】納税者権利憲章制定を 「意見交換したい」
 財務省には、消費税率を5%に戻すことをはじめ、税金の集め方、使い方の見直しに関わる9項目を要望しました。
 参加者は、「商店街でアンケートをすると、100%が反対」「消費税が上がって地域に4軒あった店が次々につぶされ、家を売って消費税を払った人もいる」など切実な実態を届けました。
 軽減税率の導入に伴うインボイス制度の実施、納税者の権利憲章制定について「生の声を聞く機会を持ってほしい」と要望したところ「ぜひ意見交換させてほしい」との回答を得ました。

【金融庁】高金利ローンただせ 「検査し適正化図る」
 中小企業のニーズに沿ったきめ細やかな融資に努めることなどを金融機関へ働きかけるよう求めました。
 庁側は金融円滑化法の精神は今後も変わらないことや、セーフティネット保証第5号の部分保証化など信用保証制度の改正に伴い、貸し渋りが起こらないように注視していくことを約束。また「(小規模向けの保証限度額2000万円への拡充は)重要であり、金融機関は積極的な資金供給を担っていただきたい」と答えました。
 参加者は、金融機関の窓口で高金利のフリーローンやカードローンが勧められている問題について、「自己破産につながる。金融機関のコンサル機能を果たしていない」と指摘。
 庁側は「検査を実施し、実態把握の対話を始めている。多重債務の発生抑制や利用者保護の観点から銀行の業務運営の適正化をスピード感を持って進めたい」「不適切な勧誘については庁のカードローンホットラインに情報提供をしてほしい」と回答しました。

全国商工新聞(2017年10月9日付)
   
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