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  トップページ > 活動のページ > 全国商工新聞 第3122号6月9日付
 
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時代を切り開く強大な民商・全商連を=第51回定期総会

 「歴史の転換点にふさわしい運動と組織をつくる方向が見えた」―。全国商工団体連合会(全商連)の第51回定期総会(5月24日〜25日・東京都内で開催)は、改憲と増税に突き進む安倍政権の悪政と正面から対決し、地域に根差し、激動の情勢を前向きに打開する多数派結集への展望を広げる総会となりました。組織拡大の前進で総会を成功させようと、各地での奮闘が最終日まで広がり、4月以降、読者9216人、会員1236人を増やし、表彰組織も221組織に達しました。

改憲・大増税に立ち向かい 多数派結集に全力

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安倍政権の暴走に立ち向かい、強大な民商・全商連の建設をめざしてがんばろう三唱する総会参加者

 総会には823人の役員、代議員、評議員が参加しました。
 あいさつに立った国分稔会長は「『負けてたまるか』という中小業者の底力を発揮し、改憲・増税の阻止を」と呼びかけました。
 岡崎民人事務局長の常任理事会報告では、今総会が全商連共済会総会との初めての連続開催になったことに触れ、「共済活動で培われた助け合いの精神を、民商・全商連全体にみなぎらせ、助け合い共済に対する権力からのいかなる介入も許さない措置を確立すること」とその意義を強調。さらに「増税強行という情勢の激動のもとで開かれた本総会の名において、大企業優遇と庶民いじめの税制をただす国会の実現と、安倍内閣退陣を迫るたたかいの決意を固めよう」と訴えると、参加者は大きな拍手で応えました。

48人が全体会討論確信と感動広がる
 47都道府県から48人が発言した全体会討論では、中小業者を苦しめる悪政のもとで、各地の取り組みが地域の業者や住民を励まし、民商への信頼を大きく広げている様子が生きいきと紹介されました。
 「日本版・小企業憲章(案)」を力に政策提案を行う自治体キャラバンが多くの県連で取り組まれ、「県内全自治体に要請し、住宅リフォーム助成制度を実現」(和歌山)、「松阪市で4月から商店リニューアル助成が施行」(三重)などの成果報告が相次ぎました。
 「地域の業者と力を合わせて夜オリに取り組み、行政や地元住民からも期待と信頼が寄せられている」(長野)、「グループ補助金獲得と災害公営住宅の地元業者受注で復興に貢献」(宮城)など、民商が果たしているかけがえのない役割に、確信が広がりました。
 方針案全体に貫かれる憲法に依拠したたたかいも豊かに語られました。鳥取県の児童手当差し押さえを取り消させた裁判闘争など、各地で広がる人権無視の強権的徴収とたたかい、「生きることが優先する」との立場で困難を打開している民商と会員の姿に感動が広がりました。
 組織建設では「班・支部での要求解決にこだわり、読者で過去最高現勢に」(兵庫)、「民商の原点である班会をすべての班で開き、全国けん引目標を突破」(宮崎・都城)など、民商の「値打ち」に確信を持ち、班・支部を基礎に、要求運動と組織拡大を一体に前進させている教訓が明らかにされました。
 総会は「歴史の転換点を社会進歩の方向へ促進するため、持てる力を尽くそう」と呼びかけた方針案と決算・予算案を満場一致で採択。新役員を選出しました。
 新たに副会長に選出された藤川隆広さん(大商連会長)が閉会あいさつ。「『基本方向』の実践に組織の大小の違いはない。全国の実践で読者30万、会員20万を突破しよう」と訴え、団結がんばろう三唱で前進への決意を固め合いました。

憲法と総会方針を指針に 激動の時代へ 国分稔会長あいさつ

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 全国から参加された代議員、評議員の皆さん。第51回定期総会へのご参加、大変ご苦労さまです。お忙しい中、ご臨席いただいた来賓、顧問の皆さん、全商連を代表して厚くお礼申し上げます。
 私たちは今総会を読者30万人・会員20万人の突破をめざして、読者・会員拡大の大運動に取り組んできました。その結果、全国の県連と民商が創意あふれる運動を展開し、大きな成果をかちとっての総会開催となりました。
 4月から消費税が8%に引き上げられ、中小業者は経費増やお客の減少、転嫁できないことに苦しめられています。「消費税を5%に戻せ、10%への増税阻止」の新署名を持って、大胆に地域や街頭、商店街で訴えたところでは、「庶民には増税で大企業には減税か」と安倍政権への怒りを呼び起こし、「本当に国民の立場に立った政治への転換が必要」と対話も弾み、期待も寄せられています。
 安倍政権は「高い支持率」とのマスコミのおだてに乗り、労働法制の改悪や医療・介護の切り捨て、原発再稼働やTPP参加推進、沖縄・辺野古への新基地建設押し付けなどの暴走を続けています。アメリカの戦争に参加できるようにする集団的自衛権の行使容認へ憲法解釈変更の検討を表明するなど、「海外で戦争できる国にするのかどうか」という日本の重大な岐路に差しかかっています。
 しかし、安倍政権の基盤は崩壊し始めています。これまで自民党を支持してきた保守層、自民党の中枢だった人からも「このままではいけない」の声が上がり、政治に無関心だった人たちも「いま動かなければ孫子の代に申し訳がたたない」と行動に立ち上がる人が増えています。マスコミが伝える表面の動きに惑わされることなく、安倍政権と国民との矛盾をしっかりとらえ、私たちの方針に確信を持って運動を進めようではありませんか。
 今総会のメーンスローガンは「改憲、大増税の暴走政治に立ち向かい、時代を切り開く強大な民商・全商連の建設を」です。私たちは、「民商・全商連運動の基本方向」と「納税者の権利憲章」(2次案)、「日本版・小企業憲章」(案)を力に、中小業者の切実な要求実現の運動と、それを保障する強大な民商・全商連の建設へ奮闘してきました。
 これらの運動方針の根底にあるのは、世界に誇るべき日本国憲法です。総会方針案でも「憲法を守り生かすたたかいをあらゆる局面で強める」と強調しています。憲法を指針に激動と変革の時代に正面から立ち向かい、会内外の大きな期待に応える大奮闘が求められています。
 私たちは、この2年間、消費税増税法が強行された後も増税中止の大運動を展開し、東日本大震災からの復興と東電原発事故の完全賠償、原発ゼロ、社会保障改善の運動などの国民共同を強めてきました。地域では商店リニューアル制度、住宅リフォーム、商工フェアなど中小業者の経営環境改善と経営力強化の運動を進めました。税金では改悪国税通則法のもとで事前通知の徹底やお尋ね文書乱発中止を迫り、滞納者への強権的徴収を許さず納税緩和措置を適用させる運動を強めて、数々の成果を挙げてきました。
 これらの行動や成果は「一人ひとりの会員の要求はもちろん、その地域の中小業者の共通した要求を重視し、班・支部を基礎とした営業と生活に密着した活動を強めます。道理に合ったすべての要求を取り上げ、その実現のため努力します」という基本方向に沿った、民商ならではの活動だと思います。
 運動の手を緩めれば、次は10%への増税が決められ、「海外で戦争する国」へとつくり変えられてしまいます。「集まって、話し合い、相談し、助け合って、営業と生活を守る」という活動の原点と「道理、団結、共同」という民商の三つの理念を常に堅持して粘り強く運動すること、強大な民商・全商連を建設することが活路を見いだす道ではないでしょうか。今こそ「負けてたまるか」という中小業者の底力を発揮していこうではありませんか。
 2日間の総会と翌日の共済会第23回総会を成功させ、運動を強め組織を大きくして、経営と暮らし、権利を守る力をいっそう強めていきましょう。

来賓あいさつ
暮らし守る共闘広げ 全国労働組合総連合議長 大黒作治さん
 安倍内閣が誕生して1年半。アベノミクスで一時的に株価高と円安現象が起き、一握りの大企業や富裕層だけに新たな富をもたらしました。しかし、多くの国民は円安によるガソリンや食料品の高騰に加えて4月からの消費税8%への引き上げ、年金削減などで生活はますます苦しくなっています。これでは物価が上がっても購買力は向上せず、景気が深刻になるだけです。
 私たちは春闘で、すべての労働者の大幅賃上げと最低賃金1000円以上への引き上げを求めました。自動車や電機など大企業は6年ぶりにベア回答をしましたが、賃上げで購買力を向上させるまでには至っていません。
 安倍内閣がいう「世界一企業が働きやすい国」というのは、働く者の人権を侵害して大企業に大もうけをさせるものです。暴走政治をやめさせ、ブラック企業の根絶や働くルールの確立とともに、正社員が当たり前の社会にすることを政府に迫っていきたいと思います。
 安倍内閣は消費税10%への引き上げの決断を年内にも行おうとしています。これまでの一点共闘をさらに発展させ、全商連の皆さんとともに暮らしを守る共闘を大きく広げたいと思います。

国民のための政治を 日本共産党書記局長・参議院議員 山下芳生さん
 4月からの消費税増税で8兆円もの負担増になり、「生活が苦しい」「商売が成り立たない」という悲鳴が広がっています。
 そもそも消費税ほど、不公平な税金はありません。所得の少ない人ほど負担が重くのしかかり、価格に転嫁できない中小業者は身銭を切って納めています。
 政府は「消費税増税はすべて社会保障のために使われる」とキャンペーンをはって偽り、年金や介護保険を改悪し、生活保護受給を窓口で受け付けない水際作戦を強化するなど社会保障の切り捨てを進めました。
 さらに、大企業には復興特別法人税の廃止や投資減税など1・5兆円もの大盤振る舞い。安倍首相は経済政策の基本方針である「骨太の方針」に、法人税率の引き下げを明記すると言っています。
 日本共産党は、消費税増税に頼らない道として、「応能負担の原則」に立った税制の改革と大企業の内部留保を活用することを提案しています。
 今、憲法の解釈を変えて集団的自衛権行使を容認し、アメリカと一緒に海外で戦争する国づくりを進めるとする安倍政権の暴走に対し、国民の中で不安感や危機感が高まっています。それぞれの課題でたたかいを発展させ大きく合流し、国民のための新しい政治を切り開いていきましょう。

総会に対する常任理事会報告
事務局長 岡崎民人
 岡崎民人・全商連事務局長は24日、全商連第51回総会に対する常任理事会報告を行いました。
 報告の中で消費税増税を許さないたたかいに触れ、「総会の名において大企業優遇と庶民いじめの税制をただす国会の実現と、安倍内閣退陣を迫るたたかいの決意を固めよう」と、安倍内閣打倒を呼びかけました。共済会と初の連続総会について「助け合いの精神を、民商・全商連全体にみなぎらせる」と、その意義を強調しました。

憲法を生かして
 情勢の特徴に言及し、安倍政権の暴走について、(1)消費税の大増税と表裏一体となった財界要求丸のみの法人実効税率の引き下げ(2)原発の「輸出」や新増設、TPP参加表明(3)秘密保護法の強行、集団的自衛権の行使容認など「戦争する国づくり」への異常な執念-の三つの側面から解明。しかしその暴走は「自民党の支持基盤の崩壊と保守層の相次ぐ離反を招いている」と強調しました。
 その上で、憲法の平和的・民主的条項に依拠して困難を打開してきた民商・全商連の歴史に触れ「希望のもてる経済社会の実現」へ向け「権力者・為政者の誤りを正す運動に立ち上がろう」と訴えました。
 「要求運動-2年間の前進と今後の重点」について、(1)経営要求(2)税金、社会保障(3)平和、民主主義、政治戦-の3点にわたって報告。
 「経営要求」では、地域おこしと結んだオリエン・民商まつりや経営交流、628自治体にまで広がった住宅リフォーム助成制度、30都道府県116市町村で制定された中小企業振興基本条例、店舗や工場にまで広がった被災地への直接支援、総額95億円余りをかちとった原発賠償など、さまざまな前進を紹介。
 今後の重点として、(1)県連・民商での問題別・業種別対策と業界懇談会開催などへの挑戦(2)中小業者の役割発揮と地域経済の活性化を結び付ける政策提案の強化(3)原発完全賠償と不当な賠償金課税を許さないたたかい、「生業」訴訟への支援などを提起しました。
 「税金、社会保障」では、「税率の引き下げと消費税率10%阻止の国民的大運動」を提起。また、逆進性、輸出戻し税、戦費調達税としての歴史を持つ消費税の根本的欠陥を、対話運動で広く国民に知らせようと呼びかけました。

権力とたたかい
 権力的な徴税攻勢とのたたかいでは、その象徴的な事件である「岡山・倉敷民商事件」への支援とともに教訓を生かすことを強調。「憲法に違反する税理士法の拡大解釈」とたたかうとともに、申告納税制度の擁護・発展を呼びかけました。
 「児童手当の差し押さえは違法」とした鳥取地裁・広島高裁判決についても言及し、「納税者を励まし、困難打開の力になっている」と紹介。払いきれない国保料(税)や、下請け業者への過重負担、建設現場からの排除にもつながっている社会保険の強制加入問題について、保険料の負担軽減をはかる運動の推進を求めました。
 「平和、民主主義、政治戦」では、総会を機に集団的自衛権の行使容認反対などを求める新たな憲法請願署名に取り組むことを提起。来年4月のいっせい地方選挙では、大増税路線や改憲をすすめる「安倍政権の暴走に国民的な審判を下そう」と力を込めました。
 「組織建設-2年間の教訓と今後の重点」では、この2年間の到達について、「対象業者数の10%に接近する立場で、商工新聞読者30万人・会員20万人の回復・突破」をめざしてきたと強調。地方別活動交流会を初めて開くとともに、「相談活動・拡大運動全国交流会」や「商工新聞中心の活動と班・支部建設」全国交流会などを開催し、学習・教育活動も強化してきたと力説。総会成功をめざす拡大運動などの成果を報告しました。
 同時に、購読中止や退会の現状に触れ、「根本に経営と暮らしの基盤を根底から破壊する悪政がある」と指摘する一方、「組織的な前進ができない理由を悪政のみに求めるのは正しくない」と強調しました。
 その上で、経済センサス活動調査からみた民商・全商連の勢力について読者が対象業者比の約8・1%、会員が約6・0%となっていると指摘。「この到達は悪政とせめぎ合い、組織率を基本的に維持している」とし、「困難だけに目を奪われることなく、民商の『値打ち』に確信を深め、打って出るなら、多数派結集へと向かうことができる」と強調しました。

基本方向に学ぶ
 今後の重点について、(1)「基本方向」に基づく検証と学習の強化(2)旺盛な相談活動と運動の継承発展(3)商工新聞の積極活用と班・支部活動(4)団結を強める機関運営と連合会組織の役割-の4点にわたって提起。
 「基本方向」に基づく検証と学習の強化では、道理・団結・共同の「三つの理念」を明らかにした「基本方向」は、歴史の中で試され、確かめられてきたとし、「ここに立ち返ることが大切」と強調しました。
 「要求実現をめざす運動の基本」に関しては、(1)要求実現の道筋を明らかにし、展望を示すならば、知恵と力は発揮される(2)「班・支部を基礎に、道理に合ったすべての要求を取り上げる(3)要求ある者が運動の先頭に立てるようにし、要求実現の道筋などを広く知らせて組織する(4)組織として共同事業は行わない-など、あるべき活動方法が貫かれているかどうかの検討を深めてほしいと、呼びかけました。
 旺盛な相談活動では、「仲間を増やす取り組みの要は対話運動と相談活動」だと強調。その発展・強化のため「成功や失敗、喜びや苦労が蓄積されている業者人生の豊かな示唆を、若い世代の模索や試行錯誤、そして成長へと生かすよう、『聞く力』を高めよう」と呼びかけました。
 商工新聞の積極活用と班・支部活動では「この取り組みが前進してこそ、全会員参加の運動を推進できる」「商工新聞そのものが組織者としての力を持っている」と指摘。客観報道を標榜する大手メディアが国家権力への迎合を強める中で、「中小業者の大同団結と平和的・民主的日本に貢献する」商工新聞の役割に触れ、「商工新聞と中小業者の出会いを組織しよう」と訴えました。また、SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)の活用を呼びかけるとともに、県連の指導・援助の役割発揮を要請しました。
 今後2年間の全国目標として「対象業者数の10%にあたる31万8000人を組織すること」を提起。すでに読者数では13県連が組織し「実現できない目標ではない」と強調し、その上で「主戦場は地域にある」とし、「地域にどんな民商をつくるのか」を深く討議し、「全会員参加の運動の探求」を呼びかけました。
 「助け合い共済」では、84年に10万人で発足した全商連共済会の歴史に触れながら、阪神淡路、東日本大震災の際には、被災者の苦悩に心を寄せ、特別措置として激励見舞金を届け、安否の確認、支援活動にもはずみをつけてきたと指摘。TPPや保険業法による共済つぶしの策動に負けないためにも、「団体自治を高め、全会員加入を早期に達成しよう」と訴えました。
 「婦人・青年の対策強化」では、結成40年を迎える全婦協の歴史を民商として学ぶことを強調。10万人にまで後退した事実を直視し、「会員比6割以上の婦人部をつくる援助を強めよう」と呼びかけました。業者青年対策では、経営力アップの工夫を重ねている青年の取り組みを紹介し、すべての民商に青年部を再建・結成し、1万5000人の全青協に力を尽くすことを求めました。
 最後に、困難を乗り越えてきた民商・全商連の60余年の歴史に触れ「中小業者が平和で豊かな社会、地域に根差し地域とともに繁栄し、役割を発揮できる社会をめざし奮闘しよう」と結びました。

総会のまとめ報告
事務局長 岡崎民人
 本総会は、「改憲、大増税の暴走政治に立ち向かい、時代を切り開く強大な民商・全商連の建設を」のスローガンで開催されました。全体として、このスローガンにふさわしい深い討議がされました。
 総会に向けた拡大では、総会期間中も最後まで目標達成を追求し、代議員の皆さんが地元と連絡を取り合っている姿がありました。全国の仲間の奮闘にあらためて敬意を表したいと思います。
 最終集約は27日に県連を通じて報告してもらいますが、昨日までの到達は、4月以降8886人の読者を迎え現勢は26万4193人になりました。また、会員も1203人迎え19万1595人となりました。
 次に討論の特徴です。現時点で99人から発言通告が提出され、47すべての都道府県連から発言していただきました。そのこと自体、大変、画期的なことです。いくつかの特徴に触れます。
 一つは、危機打開の取り組みです。
 リフォーム助成制度の実現へ、自治体にさまざまな働きかけをしている様子や、夜オリも地域の業者の力を引き出し、地域を元気にする取り組みとして自治体からの協賛を得ていることも報告されました。
 被災地では、全国支援も生かし、仮設住宅で「さおり織」などのものづくりを広げ、その中で復興への意欲を高めている取り組みも報告されました。復興公営住宅の建設を担うネットワークづくりも進んでいます。
 特徴的なのは、自治体交渉の際に、「日本版・小企業憲章(案)」を紹介することで、民商の掲げる要求や政策提案に共感や信頼を広げていることです。
 二つは、増税中止と結んだ徴税攻勢との対決についてです。
 4年連続の国保料引き下げや、児童手当差し押さえを断罪した判決、滞納整理マニュアルの改定、社会保険料徴収での横暴是正、そして法人の集団申告や日常的な自主計算活動などが報告されました。
 強調したいのは、一つの司法判断をかちとったことから、差し押さえを撤回させ、あるいは徴収行政のルール改善につなげていることです。
 三つは、憲法・平和・民主主義を守る運動についてです。
 沖縄での辺野古新基地建設をめぐり、権力むき出しの横暴が広がっていること。また、オスプレイの配備が全国展開され、住民の暮らしや安全を踏みにじる行為を繰り返し、その既成事実の積み上げが、急速に進んでいる実態も報告されました。これらは、安倍政権の戦争する国づくりの具体化にほかなりません。
 しかし一方で、広範な国民が、危機意識を高め、新たなたたかいに立ち上がっていることも紹介されました。それは、従来の枠組みを超えた一点共闘の広がり、あるいは世論の盛り上がりを背景とした自衛隊機の夜間飛行差し止め判決などにも示されています。
 「戦争か平和か」のせめぎ合いが激しくなっているだけに、「平和でこそ商売繁栄の道」の信条を生かすたたかいが、民商・全商連に強く求められています。
 四つは、値打ちの押し出しと仲間を増やす取り組みについてです。
 地域全体に目を配り、そこで発生するさまざまな困難に対しても機敏な要求解決に徹する姿勢を示すことが、民商の値打ちを鮮明にしています。また、原発完全賠償の運動のように大企業の横暴とたたかって実益を獲得する取り組みが若い世代の共感と信頼を広げていることも明らかにされました。
 こうした民商の値打ちを、旺盛な対話運動や商工新聞の紙面紹介を通じて知らせることが、「民商は頼りになる」「民商はいいよ」の紹介となり、読者前面の拡大にも結実しています。
 五つは、連続総会を生かした総合力の発揮についてです。
 今回、共済会との連続総会としたことから、民商・全商連と共済会の相互理解が深まり、方針論議や拡大行動も一緒に取り組む奮闘が広がりました。
 また、婦人部への援助として、業者婦人のあふれる思いを民商としても受け止めることが、民商運動の全体に業者婦人の力を生かすことができることも明らかになりました。
 青年対策では、同じ世代の中で仲間の創意を引き出そうとする青年部の取り組みとともに、青年の模索を大切にし、その成長への親身な援助も紹介されました。運動の継承発展へ響きあった討論にもなりました。
 次に、今後の取り組みについて3点ふれます。
 一つは、「地域を主戦場」として、増税中止と改憲阻止の共同を発展させることです。
 早ければ、秋にも10%への増税を判断しかねない安倍政権の悪政に対し、署名を使った旺盛な対話が緊急に求められています。また改憲阻止へ、集団的自衛権の行使容認を断じて許さず、憲法を守り生かすたたかいを、新署名を軸に大きく展開しようではありませんか。
 二つは、自治体対策です。
 討論でも、昨年の地方別活動交流会を契機に、新たな前進を開始したという発言がありました。自治体対策でいえば、実情と要求を出し合い、困難解決に力を合わせ、地域経済振興への積極的提案を進めることが基本です。
 これらの取り組みを通じて、来年のいっせい地方選挙で安倍政権の悪政に、厳しい審判を下すことが強く求められています。
 三つは、地域にどんな民商をつくるかの検討を深めることです。
 要求運動と組織建設を一体的に推進する立場から、大志ある目標と計画を策定してほしいと思います。この2年間、基本方向で検証を重ね、運動の継承発展をはかる意識的な努力を太く貫いていくことが大切です。
 第51回総会の成功を確信とし、新たな前進を切り開こうではありませんか。総会に参加した私たちが、まず運動の先頭に立つことを誓い合い、まとめの報告とします。

全国商工新聞(2014年6月9日付)
   
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