後期高齢者医療制度 ただちに廃止せよ
後期高齢者医療制度廃止の可能性が広がっています。民主党は総選挙公約で廃止を掲げ、政権発足後は12年度末廃止の方針を打ち出しています。
全商連は同制度が成立した06年から、75歳以上を囲い込むように強制加入させ、保険料を年金から強制天引きする仕組みを「うば捨て山だ」と批判。反対の署名運動などを進めてきた成果です。
08年4月の制度開始後は、高齢者の怒りが爆発し、高すぎる保険料など各地の自治体に抗議が殺到しました。民商・全商連は社会保障推進協議会(社保協)など市民団体とともに署名・宣伝するとともに自治体に対し同制度廃止を求める意見書採択の要請、年金からの保険料天引きに対する不服審査請求の運動を推進しました。今年3月までに660以上の自治体で意見書が採択されています。不服審査請求も全国で7200件を超える(08年10月)など世論と運動を広げてきました。
08年2月、民主党など当時の野党4党は世論に応えて、同制度廃止法案を国会に提出。6月に参議院で可決させました。衆議院では自民・公明与党が法案を否決しましたが、福田内閣は支持率を落として退陣を余儀なくされ、先の総選挙で自公政権は敗北しました。
廃止の方針は出ましたが、総選挙時の即時廃止の主張から後退したのは問題です。来年4月には保険料引き上げが予定され、東京都の場合は高齢者が一律に負担する均等割(現在、年間3万7800円)が最高で4万2600円になるとの試算も。早急な制度廃止が求められています。
民主党のマニフェスト
社会保障分野医療・介護政策など
(1)「社会保障費2200億円削減」の撤廃(2)後期高齢者医療制度の廃止。医療保険の一元的運用による国民皆保険の維持(3)医学部学生の1・5倍増、医師数を先進国並みに。看護師などの医療従事者の増員(3)ヘルパーなどの給与を月額4万円引き上げ、介護人材の確保
年金政策
(1)年金制度の一元化と、月額7万円の最低保障年金の実現(2)「消えた年金」「消された年金」問題の解決に、2年間、集中的に取り組む
高齢者が望む制度を 青森民商 Nさん =印刷
後期高齢者医療制度と介護保険の保険料が天引きされ、手にする年金は月約6万円です。息子家族と一緒なのでなんとか生活しています。少ない年金から保険料を取り、75歳以上というだけで受けられる治療を制限する制度は許せません。
民主党が後期高齢者医療制度の廃止に動き出したのは歓迎です。しかし、その後にできるのが、年金天引きをして、結局高齢者を苦しめる制度であっては困ります。
私たちが望む制度をみんなで要求し、実現させていく運動が大切になると思います。
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