納税者の権利憲章 強権的な税務行政許すな
中小業者が生活できない過酷な税制、人権を無視した税務調査、強権的な税の徴収、不公平な不服申し立て制度など、日本では納税者の権利は確立されていません。OECD(経済協力開発機構)に加盟する30カ国で、納税者の権利憲章が制定されていない国は日本だけです(表2)。
民主党は、マニフェストで納税者権利憲章の制定を掲げており、確実な制定と内容の充実が求められます。
全商連は1977年、「納税者の権利宣言」(第1次案)を日本で最初に発表。その後、第4次案まで発表しています。
92年には、「納税者の権利憲章への提言」を発表。「事前通知や調査理由開示の義務付け」「第三者の立会人及び調査内容の記録や録音」「生存権的財産の差し押さえや徴収禁止」など、13項目を提案しています。
同年11月には「納税者の権利憲章制定のための税制視察団」をアメリカ・カナダに派遣。税務行政の実態や納税者の権利保護に関する資料などを入手し、大きな成果を挙げました。
02年には、ヨーロッパをはじめ各国で専門家へのインタビューなどを通じて、納税者の基本的人権保護のための法制や行政指針を刻々と整備する世界の流れを鮮明にした「世界の納税者権利憲章」を出版しました。
全国の学者、税理士、弁護士、中小企業団体らにより、納税者権利憲章の制定を求めることを目的とした「TCフォーラム(納税者権利憲章をつくる会)」が93年に設立され全商連も加盟。100万人分の署名を国会に提出しています。
民主党のマニフェスト
納税者の権利憲章
(1)納税者の権利を明確にするために「納税者権利憲章」を制定(2)更正期間制限の見直し(3)国税不服審判のあり方の見直し
1日も早く憲章を 京都・南民商 Kさん =衣料品販売
税務署員に店や自宅に強引に上がり込まれ、勝手にレジやタンス、ベッドの引き出しを開けられるなど不当な税務調査を受けたのは17年前。その後、人権侵害の調査に対し、国家賠償請求訴訟を起こし、京都地裁に次いで大阪高裁で全面勝利してから11年がたちましたが、いまだに人権無視の税務調査が絶えないことに怒りを覚えます。
やはり「納税者の権利憲章」を1日も早く制定し、税務調査での立ち会いを認めるべきだと思います。
|