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  トップページ > 方針・決議 > 全国商工新聞 第3291号12月4日付
 
方針・決議
 

改憲・大増税阻止、要求運動と組織建設の一体的推進を

2017年11月26日
全商連第7回常任理事会決議

 全国商工団体連合会は11月25、26の両日、都内で第7回常任理事会を開き、次の決議を採択しました。

一、はじめに
 民商・全商連は、臨時国会冒頭の解散に際して「切実な要求実現へ、総選挙で安倍退陣の審判を」と緊急要求を掲げてたたかいました。改憲・大増税阻止の宣伝に取り組み、争点を特集した商工新聞を使って、集まって話し合い、野党共闘の前進に力を合わせてきました。
 総選挙は、安倍政権の継続を許す残念な結果となりました。「希望の党」結党と民進党の解党的分裂で野党共闘に分断が持ち込まれ、大政党有利に働く小選挙区制によって「アベ政治を許さない」という民意とかけ離れた衆議院の議席構成となりました。
 一方、市民と野党の共闘勢力は38から69へと議席を増やしました。沖縄では、翁長知事を支える「オール沖縄」の候補が小選挙区の4選挙区中3区で勝利しました。短期間に実質的な野党統一を実現したところで、立憲民主党や無所属の候補が小選挙区を競り勝つ状況が広がりました。安保法制(戦争法)の成立以降、2年余にわたり、広範な市民・団体が立憲主義・平和主義・民主主義の回復を求め、「野党は共闘」と粘り強く働きかけてきた努力が結実したものです。
 日本共産党は、野党共闘のため、67の小選挙区で立候補を取り下げたこともあり、議席を減らしましたが、誠実な姿勢に保守層を含む広範な市民から信頼が寄せられ、存在感を高めています。
 総選挙の全体を通じて、共産党排除の改憲翼賛体制を狙う補完勢力の野望を打ち砕いたことは重要です。「希望の党」の当選議員を含め、「安倍9条改憲は許さない」の声が広がり、自民・公明以外の全政党が10%への消費税増税の凍結や中止を求める状況が生まれています。
 投票日直後には、10・26業者婦人決起集会が開催されました。約1700人の業者婦人が「いま、守りたい−いのち・暮らし・商売を」と、国会議員や政府・省庁に切実な要求の実現を働きかけ、多彩にアピールしました。婦人部の団結の力とともに、民商・全商連の新たなたたかいへの決意を会内外に示す機敏な行動となりました。
 特別国会で、安倍首相は全閣僚を再任し、改憲への意欲をあらわにしましたが、憲法の公布記念日である11月3日には、全国各地で安倍9条改憲に反対する催しが取り組まれ、国会議事堂を約4万人の市民が包囲しました。
 日本を再び「戦争国家」にしようとする時代の逆流を断じて許すことはできません。
 中小業者の生きる道ひらくたたかいを大きく進め、全商連第53回総会と全商連共済会第25回総会を会勢の前進で迎えるために力を合わせて奮闘しましょう。

二、団結と共闘を強め、要求実現と組織拡大を
1、憲法を生かして「税の在り方と使い道」を正そう
 全商連は、「納税者の権利宣言」(第5次案)を発表します。安倍暴走政治を許さず、憲法から導かれる税制・税務行政の「あるべき姿」を明らかにし、「税の在り方と使い道」を根本から正す世論と運動を巻き起こしていきます。
 約16年ぶりの「権利宣言」改定で、格差と貧困を拡大する税制のゆがみや大軍拡を厳しく批判しつつ、最悪の大衆課税である消費税の本質を明らかにしました。また、倉敷民商弾圧事件を教訓として、税理士法の改正方向と申告納税制度の擁護・発展を提案しました。あらゆる税法が課税の限界を明示し、個人の尊厳を守るよう、徴税権力の横暴を正す方向や納税緩和制度の意義、所得税法第56条廃止の展望なども示しました。
 第19回税研集会を契機として、「権利宣言」が示す政策提案に確信を深め、直面する税金闘争を前進させます。地域を舞台に、税制・税務行政の民主的な改革と憲法擁護のたたかいを結ぶ学習会やシンポジウムを積極的に開催し、市民と立憲野党の共闘発展に貢献します。地域各界連の活動を再開・強化するとともに、複数税率やインボイス制度の問題点を広く知らせ、実施中止を政府に迫ります。
 悪魔の選択を強いる「税と社会保障の一体改革」に反撃し、国保・介護・社会保険料での応能負担の徹底と納付緩和措置の拡充を働きかけます。国保の都道府県化を中止させ、自治体独自の減免制度や一般財政からの繰り入れの維持・拡充を迫ります。協会けんぽや厚生年金の保険料を小規模基本法の付帯決議に基づき、軽減するよう要求します。
 班や支部で集まり、「自主計算パンフレット」を使った自主計算・自主申告の活動を組織建設と結んで強めます。「納得の自主申告ができる」「納税者の悩みにとことん応える」「マイナンバーへの対応も安心」など民商の値打ちを大きく知らせ、多くの仲間を迎え入れます。
 集団申告の意義と役割を法人申告の会員を含めて学び合い、3・13重税反対全国統一行動を全会員参加で成功させます。

2、9条改憲を阻止し、核兵器禁止条約批准を迫ろう
 次の通常国会において、9条を変質させる改憲の発議が強行されかねない緊迫した事態を迎えています。アメリカ追随の自衛隊・海外派兵で「殺し、殺される」戦争に日本を巻き込み、平和国家としての歩みを根底から踏みにじる暴挙を断じて許すことはできません。
 「安倍9条改憲NO!全国市民アクション」の3000万人全国統一署名と併せ、全商連の「日本国憲法を守り生かすことを求める請願」署名を強め、春の運動期間中1会員10署名をめざします。
 全商連の憲法署名には、特定秘密保護法や戦争法、治安維持の名目で市民を監視し取り締まる共謀罪(テロ等準備罪)、改悪国税通則法にある扇動罪の即時廃止が盛り込まれています。署名の趣旨を広く知らせ、全会員の参加を呼び掛けます。
 「憲法カフェ」などの開催と併せ、「改憲反対の決議」を民商から班・支部へと広げて政府に送付するなど、「平和でこそ商売繁盛」の信条に基づく活動を強めます。
 北朝鮮の核実験やミサイル発射は断じて容認できません。重要なのは、破滅をもたらす核戦争ではなく、経済制裁と対話による解決をめざすことです。日本政府が核兵器禁止条約を批准してこそ、北朝鮮にも核兵器を放棄させる大義ある立場に立てます。広島、長崎の被爆者や広範な市民とともに活動してきた「核兵器廃絶国際キャンペーン(ICAN)」に対し、ノーベル平和賞が贈られたことにも「核兵器のない世界」を求める国際社会の強い意思が示されています。「ヒバクシャ国際署名」を広げ、非核三原則の厳守と核兵器禁止条約の批准を求める世論と運動で政府を包囲します。
 在日米軍基地の強化やオスプレイの配備拡大に反対します。沖縄・辺野古新基地阻止に向けて名護市長選挙(2月4日投開票)で稲嶺市長再選をめざし全国から支援を強めます。

3、商売交流と業種別対策で、経営要求を実現しよう
 「アベノミクス」の転換による小企業・家族経営の振興と循環型地域経済の実現が強く求められています。「商売を伸ばしたい」「良い仕事をしたい」という経営要求に応え、商売交流や業種別対策を強めて仲間を増やします。
 第20回中小商工業全国交流・研究集会の報告集に学び、商工交流会運動を推進します。商売の工夫を語り合い、経営意欲を高めます。事業計画作りや補助金獲得などで学習会を開きます。金融機関と懇談し、年末・年度末の融資要求や税務署による反面調査への対応改善を促します。
 経済センサス調査を要求の掘り起こしと組織拡大に生かします。
 ネット流通大手による個人運送業の抱え込みや、不動産大手と金融機関による不当な「サブリース」契約が業界の混乱を招いています。また、生活環境を破壊し、旅館経営を脅かす「民泊新法」の見直しも切実です。地域や業界の変化に対応し、道理ある要求の実現へ旺盛な相談活動を強めます。「街のスナックを守る」署名と対話を広げ、料飲業者への警察の過度な取り締まりをやめさせます。「法人のメリット・デメリット」相談や社会保険・労働保険の対応を強めます。急増する介護事業者との対話を広げ、福祉のまちづくりに貢献し、介護報酬の不当な差し押さえを是正させます。
 第一次産業や地域経済に壊滅的な打撃を与えるTPP11(イレブン)協定の批准に反対し、経済主権に立った公正で平等な貿易ルールの確立を要求してたたかいます。
 全自治体要請を強め、循環型地域経済への転換や中小企業(小規模企業)振興基本条例の制定を迫ります。振興条例を具体化する審議委員会などへの民商代表の参加を求めます。日本版小企業憲章(案)に学び、知恵を集め、政策提案を強めます。住宅リフォーム助成や商店リニューアル助成の創設や継続、改善とともに、制度融資の改善、利子・保証料補助の拡大を働きかけます。
 大規模自然災害からの営業と生活の再建へ、被災者に寄り添った対策を国・自治体に迫ります。福島原発事故で、東京電力と国の責任を認め、「中間指針」に基づく賠償制限を誤りとした勝利判決を生かして、完全賠償と原状回復、原発再稼働の中止を求めてたたかいます。
 全国中小業者決起大会・省庁交渉(1月22日、全中連主催)を危機打開の力にします。

三、第52回総会現勢突破へ、持続拡大の追求を
 全商連第53回定期総会(2018年5月)まで約半年となりました。
 すべての民商が歴史的転換期に打って出る取り組みを強め、商工新聞読者と会員の第52回総会時現勢を必ず突破するよう、全国の力を合わせることが強く求められています。
 小企業・家族経営の多数派結集で「政治的な力関係を変える」という大志を持ち、小法人の組織化にも大胆に挑戦しているところで仲間を増やしています。商売に込めた夢や希望、本来の目標を呼び覚まし、事業継承の際にも商売の新たな工夫を二世と一緒に模索し合うことで活力を高めています。
 記帳を要求運動として正しく発展させ、自主申告権の行使を法人申告の会員にも広げることで「税金の在り方と使い道」を正すたたかいへの活動参加を増やしています。「いつ、どこで、何を押し出したチラシに関心が寄せられたか」を分析できるよう活動を改善し、さまざまな相談への対応に力を集中することで会勢を前進させています。
 大切なのは、市民と立憲野党の共闘に貢献することで会内外の信頼を培い、個人の尊厳を守る相談活動を強めて、仲間の笑顔を呼ぶ持続拡大への会員参加を促進することです。
 春の運動の「目標と計画」を充実させ、「権利宣言」を力にして「右手に署名、左手に商工新聞」の取り組みを大きく展開します。厳しい時代を乗り越える相談会・説明会・学習会の機会を増やして大勢の仲間を迎え入れます。
 会員の自覚が高まるよう、班や支部での集まりへの参加を丁寧に呼び掛けるとともに、春の運動DVDは実務の手を止め、集中して視聴するようにします。新会員歓迎学習会を計画的に開き、パンフ「ようこそ民商へ」も使って民商の魅力を知らせます。
 自主記帳を要求運動とする取り組みとともに、法人申告の会員からも役員づくりを進め、小法人対策を系統的に強めます。
 商工新聞の紙面を紹介し合う機会を増やし、仲間の奮闘から困難を乗り越える展望を学びます。「拡大リレー」などの経験も生かして、読者前面の拡大への行動参加を広げます。「読者から入会へ」の取り組みを強め、毎月の会員拡大に足並みがそろうよう、県連としての援助を進めます。
 全商連は、春の運動での宣伝・対話と紹介運動を促進するため、商工新聞号外を発行・普及します。また、ホームページの刷新とSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)でのフォロワーを増やし、民商との新たな出会いを広げるようにします。民商・県連・全商連が力を合わせ、「目に見え、音に聞こえ、口コミで話題」となる大量宣伝を推進します。
 共済会と一緒にいのちと健康を守る活動を推進するとともに、第15回全国業者婦人決起集会を新たな出発点とした婦人部員の拡大を応援し、「民商サクセション(継承)企画」を結節点に「業者青年に魅力ある民商建設」を進めることで、総合力発揮の拡大を推進します。
 年末・年度末を中心に財政活動を強め、苦難の解決と運動財政づくりへの理解を広げます。

全国商工新聞(2017年12月4日付)
   
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