全商連トップページ
中小施策 税金 国保・年金 金融 経営 業種 地域 平和・民主 教育・文化 県連・民商 検索
 全商連とは活動方針・決議署名宣伝資料調査婦人部青年部共済会商工研究所発行案内入会申込リンク
  トップページ > 方針・決議
 
方針・決議
 

【声明】

全国商工団体連合会は6月1日、以下の声明を発表しました。

消費税増税は延期ではなく断念し、税率を5%に引き下げ、アベノミクス失敗の責任をとることを求める

2016年6月1日
全国商工団体連合会 会長 太田義郎

 安倍晋三首相は6月1日、2017年4月に予定されていた消費税率10%への引き上げを2019年10月に再延期すると正式に表明した。もともとは2015年10月に予定されていた増税を2017年4月に延期し、「税率引き上げに向けた環境を整える」「再び延期することはない」と豪語していたもので、それを覆したことは、アベノミクス(経済政策)の行き詰まりを自ら証明したものであり、消費税増税路線の破綻を示すものである。民商・全商連は、2014年4月に消費税率が8%に増税されて以後、税率10%への再増税に反対し、税率を5%に引き下げることを要求してきた。安倍首相は経済政策の失敗を認め、増税を完全に断念し、政権を担当してきた者として責任をとって退陣すべきである。そして、税率引き下げによって地域経済を活性化させ、景気回復をはかることを強く求めるものである。 内閣府が5月18日に発表した2015年度の実質国内総生産(GDP)で個人消費は前年度比0.3%減、14年度の2.9%減に続いて2年度連続の低下となり、日本経済は戦後初めての深刻な事態に陥っている。総務省の「家計調査」を見ても2014年4月から家計消費支出が低迷しており、消費税率8%への引き上げが大きな原因となったことは明らかである。これは安倍首相自身が「予想以上に落ち込んだのは事実であり、予想以上に長引いている」と認めている(3月3日参院予算委員会)。円安や減税で大企業のもうけを増やせば、家計や消費も潤うという「トリクルダウン(滴り落ちる)」現象は起きず、大企業の内部留保が300兆円を超えただけで賃金増や雇用増に結び付かず、経済政策は完全に破綻した。安倍首相は、増税延期の理由を「世界経済」に責任転嫁するという姑息な態度を改め、日本経済を戦後最悪の状況に陥れた自らの失政を認めるべきである。
 今年の確定申告は、消費税率が1年間にわたって8%課税されて初めての実施となった。各地の民商で取り組んでいる自主計算会に集う会員らから、「売り上げが微増でも、税額が倍になった」「どうやって納税したらいいのか分からない」など悲鳴や怒りの声があがった。中小業者は重税に苦しみながらも納税猶予制度も活用しながら必死に納税し、何とか地域に貢献しようと奮闘している。 一方で、「パナマ文書」に端を発したタックスヘイブン(租税回避地)を利用した大企業・富裕層の税逃れ問題が注目されているが、担税力が十分にありながら脱法まがいの税逃れを繰り返す不公平を見逃そうとする安倍政権は糾弾されなければならない。税金の集め方や、軍事費を削って社会保障にまわすなどの税金の使い方をあらためれば、消費税増税も社会保障の削減も必要がないことは明白である。
 そもそも消費税は、低所得者ほど負担が重く不公平な最悪の大衆課税である。生活費非課税、応能負担というあるべき税制の原則からすれば「消費税廃止への道」こそ、真剣に検討されなければならない。今、必要なことは税率と免税点を元に戻して中小業者・国民の苦難を軽減するとともに、地域経済を活性化させ、景気回復をはかること、消費税を戦費調達税にさせないことである。そのためにも増税は延期ではなくキッパリと断念すると同時に、中小業者にさまざまな負担・困難を強いる「軽減税率」「インボイス(適格請求書)」の導入も撤回すべきである。
 民商・全商連は消費税増税路線そのものの断念と撤回を求め、来たる参議院選挙で安倍政権ノーの審判を下すよう全力をあげるものである。

以上
   
  ページの先頭