【声明】
全国商工団体連合会は、18日に安倍晋三首相が衆院の解散・総選挙(12月2日公示、14日投票)を表明したことに対して、次の声明を発表しました。
消費税増税は先送りではなくきっぱり断念を 増税・改憲勢力に審判を下し真の景気対策を
2014年11月19日
全国商工団体連合会
会長 国分 稔
「売上減なのに消費税納税額は確実に増える」「アベノミクスは大企業だけがもうかるシステム。税金が払えない中小企業はつぶれろというのか」―― 安倍政権の暴走の下で、私たち中小業者の多くは、消費税につぶされようとし、倒産・廃業の瀬戸際に追い詰められています。
安倍首相は、消費税再増税の先送りを決めた上で、21日にも衆議院を解散します。この局面で国会を解散せざるを得ない状況に追い込んだのは、増税への国民の怒りと世論、消費税大増税に反対する多くの人々の運動の成果であることをあらためて確信するものです。
8%への増税と「異次元の金融緩和」による物価上昇により、実質賃金は下がり、地域経済や国民の暮らしはいよいよ深刻さを増しています。17日に内閣府が発表した7〜9月期の国内総生産(GDP)の速報値は、実質前期比0・4%減、年率換算で1・6%減となり、2四半期連続のマイナス成長でした。
「アベノミクス」はすでに破綻しており、8%への増税自体が間違った政治判断であったことが証明されています。本来であれば、この失政の責任を取り、安倍首相は国民に謝罪し、増税計画そのものを「きっぱり断念」するべきです。切実な国民の暮らしや地域経済の深刻さに思いを寄せることもなく、増税を「先延ばし」するといって解散・総選挙で政権の延命を図るなど、無責任の極みであり、もはや一国の首相としての資格がありません。
私たちは、安倍政権のたくらみを打ち砕き、総選挙では消費税10%への大増税ではなく、きっぱり「中止」することを求めます。
社会保障の解体を進めつつ、「解雇の自由化」を狙うなど、広範な国民には苦難を幾重にも押し付けながら、一方で多国籍大企業の「もうけ口」を広げるためのTPP(環太平洋連携協定)の参加に突き進み、原発の輸出や再稼働、武器輸出の解禁を推し進める政治姿勢も、根本から問い直されなければなりません。また、沖縄・辺野古新基地のたくらみを打ち砕くとともに、集団的自衛権の行使容認や秘密保護法の具体化に向けた法整備を断念させるためにも、重要な意義を持つ選挙となります。
消費税を創設・増税した歴代内閣は、国民の強い反対で退陣させられてきたのが歴史の教訓です。今回の総選挙は、大増税と改憲で「戦争する国づくり」を狙い、国民の願いとは反対の方向へ暴走する政治をただし、国民の所得を増やす「真の景気対策」を実現する絶好のチャンスです。全力でたたかいましょう。
全国商工新聞(2014年12月1日付)
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