全商連第50回定期総会特別決議「消費税増税断固粉砕へ総力をあげてたたかおう」
全商連第50回定期総会は2日目の全体会で、特別決議を採択しました。
いま、消費税の大増税を阻止するたたかいが重大な局面を迎えています。
国会では、消費税増税法案とともに、年金の改悪、子育て支援の市場化の審議が始まっています。同時に、簡易課税制度の改悪、国民を番号で管理するマイナンバー導入、税金と国保料(税)や社会保険料を一体で徴収する歳入庁創設も検討されるなど、徴収強化の仕組みづくりが狙われています。被災地復興に逆行し、お年寄りから子どもまで、すべての国民に新たな苦難を強いる悪法を許すわけにはいきません。
野田首相は、「消費税増税に政治生命をかける」と言いますが、公約を投げ捨て、国民・中小業者の暮らしと営業を押しつぶすために命をかけるなど言語道断です。
すでに、消費税増税の論拠は崩壊しています。
「社会保障のため」といいますが、消費税導入以後、社会保障は改悪の連続でした。今回、増税と年金支給開始年齢の繰り延べなどが同時に提案されていることを見ても、そのでたらめさは明らかです。
「財政再建のため」という理屈の破綻は歴史が証明しています。1997年の3%から5%への増税のあと、景気の悪化や大企業減税で所得税・法人税が減り、税収は14兆円も減っています。結局、財政は再建されず、悪化し続けています。
消費税が増税されれば、国民の可処分所得が減り、モノが売れず、価格が下がり、企業の収益が落ち込み、さらに国民の所得が減るという悪循環に陥ります。
それでも、消費税増税へと民主党政権が暴走するのは、大企業減税や輸出戻し税によって莫大な利益を得ている財界の要求があるからです。
いま、求められているのは、生活費非課税、応能負担という大原則を税制に貫くことです。富裕層や大企業に能力に応じた負担を求める動きは世界でも強まっています。そして、大型公共工事や軍事費、原発温存の予算や政党助成金など税金の無駄づかいを正せば、財政再建も社会保障財源の確保も可能です。
消費税増税は経済恐慌を誘発する亡国の道です。消費税に頼らない民主的な税制改革によって、持続可能な社会保障と健全な財政確立をめざす私たちにこそ大義があります。
国会審議の行方は予断を許しません。情勢は、全国の民商の総決起を求めています。今こそ、消費税増税を断固粉砕する決意を固め合い、共同を広げ、班や支部、民商の持てる力を総結集し、野田内閣の暴走を阻止するために全力をあげましょう。
右、決議する。
2012年5月20日
全商連第50回定期総会
全国商工新聞(2012年5月28日付)
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