全国商工新聞 第3380号2019年10月7日付
登壇者の発言に温かい拍手を送る参加者。商売人を取り巻く厳しい環境に負けまいと頑張る姿に「元気をもらった」の声も
全商連婦人部協議会(全婦協)は9月26日、全国業者婦人決起集会に先立って消費税の10%への増税・複数税率導入などの中止と所得税法第56条廃止の早期実現を求めて藤川政人財務副大臣に要請し、各地から12人が参加しました。
井賀久恵副会長が要請書を手渡し、「中小業者は消費税を増税されても値上げはできず、納税することができない。このままでは商売は続けられない。街は怒りであふれている。10%は絶対にやめてもらいたい」と訴えました。参加者からは、「複数税率制度は複雑すぎる。区分経理への対応も難しいので中止を」と意見が出されました。
藤川財務副大臣は「商売人の息子として実情は把握している。中小事業者は地域にとって貴重な存在。消費税の増税は全世代型社会保障を進める上で必要な財源。複数税率などは迷惑をかけることも承知しているが、その都度対応する」と述べました。56条の廃止については、「意見をいただきながら慎重に検討を進める」としました。
要請には日本共産党の大門実紀史参院議員が同席しました。
「ストップ、ストップ消費税」のリズムに乗って元気いっぱいアピールしたデモ行進。沿道から声援が飛ぶなど注目を浴びました
「商売、暮らしを壊す消費税増税は許せない」「所得税法第56条を廃止し、働き分を認めて」─。全商連婦人部協議会(全婦協)は9月26日、第16回全国業者婦人決起集会を東京・上野公園野外ステージで開催し1200人が結集しました。消費税10%増税前に国会審議すらしない安倍政権に怒りを込め、省庁交渉や議員要請などでアピール。元気いっぱいにパレードしました。
今年のスローガンは「当たり前に生きたい! 業者婦人が希望の持てる世の中に つながってみんなと変えよう世の中を」。夫とラーメン店を営む新潟民商婦人部の土田文江さんは白色申告です。10年ほど前、車の購入時に働き分を所得として認められずローンが組めませんでした。「お客さんにおいしいラーメンを届けたい、そんな当たり前の思いが56条と消費税増税で壊される。そんなのおかしい」。店を手伝う娘の希生美さんと、ともに声を上げます。
「朝から夜遅くまで働いても、収入の半分が税金に取られてしまう」と、財務省交渉で藤川政人財務副大臣に訴えたのは、沖縄・那覇民商婦人部の知念富貴子さん=建設。白色申告で自分の時給を計算してみると、わずか200円。「婦人部の仲間と一緒に理不尽な社会を変えたい」と力を込めます。
集会では、全婦協の塚田豊子会長が「私たちの運動は、立憲主義や男女平等を求める国民と豊かに響き合う。手をつなぎ、全国を業者婦人の元気で満たそう」と呼び掛けました。たたかいの交流では10人が発言。「成果と熱い思いを持ち帰り、みんなの力で前進しよう」との行動提起を大きな拍手で確認しました。
全商連の太田義郎会長、日本共産党の倉林明子参院議員と田村貴昭衆院議員、社民党の福島みずほ参院議員、婦団連の柴田真佐子会長があいさつしました。
消費税増税や原発、所得税法56条に高すぎる国保など、商売と暮らしを取り巻く問題に、たくましく立ち向かう業者婦人が登壇した「たたかいの交流」。人権無視の税務調査や倉敷民商弾圧事件で不当逮捕された困難を仲間の力で乗り越えた発言に涙をぬぐう参加者も。広がる市民と野党の共闘の報告も相次ぎました。
県内全自治体で「所得税法第56条廃止を求める意見書」採択を勝ち取った高知県からの発言に大きな拍手が湧きました。前回の集会以降、意見書採択を勝ち取った県の代表が登壇し、自治体名のプラカードを手に胸を張りました。
「消費税増税反対、最後まで諦めない」─。JR上野駅前では200人が参加し署名宣伝行動。「増税を中止して」と訴えました。
建設業を営む大阪・西成民商の婦人部員は、国保に出産・傷病手当がないことや人権侵害の徴税を告発し「安心して商売をし、暮らせる社会を」と強調。電気工事を営む滋賀の業者婦人は「夫と一緒に頑張っているのに働き分が給与として認められない。男女平等が当たり前に」と呼び掛けました。
「地元選出議員に直接、実態を届けよう」─。7月の参院選で誕生した野党共闘の議員など衆参200人超の国会議員に要請。
青森県連婦人部協議会(県婦協)は、石岡静代会長=建設=ら9人で日本共産党の高橋千鶴子衆院議員を訪ね、「増税による現場の混乱は必至」などと意見交流。高橋議員は「56条廃止や消費税引き下げで野党と共闘していく」と強調し、「所得税法56条廃止を求める請願」署名850人分を受け取りました=写真。