全国商工新聞 第3372号2019年8月5日付
所得税法第56条廃止に向け、専門家の立場から長年応援してくれている有識者から、メッセージが届きました。
高知県内の全自治体で「所得税法56条廃止意見書」の採択が実現。採択を喜ぶ県婦協役員の皆さんの写真から、「やり切った」という、深い確信と気迫と喜びの思いが伝わってきました。
ここに到達するまでの皆さんの「絶対に諦めない」という強い決意とひたむきな努力を思って、私は胸がいっぱいになりました。
「個人の尊重」を基本原理とする現行憲法の下で、依然として憲法の上に君臨する所得税法56条の存在は異常な事態だと、地方議員に訴える活動の困難を、私は地元の神奈川県婦協の皆さんから伺ってきました。
それを乗り切った今回の成果は、全婦協の皆さんを励まし、160万人の家族従業者を励まし、賃金差別、セクハラ、パワハラ、マタハラなどのジェンダーギャップ、LGBT、その他さまざまな人権問題をたたかう多くの人たちを励まします。
今、人権の尊重、差別解消のたたかいが地球規模で高まり拡大していますが、全商連婦人部の「所得税法56条廃止」の活動は、そのたたかいの高まりの一翼を担ってもきました。同時に「日本母親大会in高知」の成功へ、そして高知県全自治体で「廃止意見書」の採択実現に結実しました。
運動は互いに助け合い、励まし合い、進展します。「絶対に諦めない」から「やればできる」を胸に、しっかり受け止めて、新たな峰に向かって私も頑張らねばと思いました。共に頑張りましょう!
高知県で2人目の女性県議になって28年。高知県婦協とともに活動を続けている塚地佐智県議(共産)に話を聞きました。
12年前、県議会で採択された時のことを、はっきり覚えています。その2年前、議会に提出した時には「青色にすれば」と返されてしまったので、婦人部の皆さんと集まって作戦会議をしました。「青色と白色の申告の違い」「青色にすると、具体的にどんな負担になるか」など議員が知らないことを、会派を回って、しっかり伝えることに。その頃は橋本大二郎県政で、国保の傷病手当の試算を実現するなど業者婦人の待遇改善の議論が前向きに進んでいました。「女性だけでなく、後継者の人権保障を」と地域の課題を交えて訴えたのも良かったのかもしれません。
民商婦人部は粘り強い運動、そしてパワーがすごい。目標を定めて、即行動、動き続けるパワーはピカ一です。そうしたエネルギーに、論理が合わさったら、絶対に伝わるんですね。
高知の全自治体で意見書の採択がされ、この世論を力に迫れる土台ができつつある、ということでしょう。次は、この意見書を実現する社会をつくらなければ。次のステージに入ってきましたね。私はぜひ、議会で、尾﨑正直知事にこの状況をどう受け止め、どうアプローチしていくか、聞いてみたいと思います。
高知の女性は「はちきん」と呼ばれ、全国で初めて女性参政権を訴えた楠瀬喜多さんのように、切り開いていく人たち。今の時代は、高知の女性だけでなく、すべての女性が未来を切り開いてきています。みんなで頑張りましょう。