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  トップページ > 婦人部 > 全国商工新聞 第3296号1月22日付
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婦人部
 

利用しよう就学援助

 子育て世帯の実質賃金が低下し、教育費の負担が家計を直撃する中、「就学援助制度」の拡充を求める声が広がっています。憲法26条で保障された「義務教育の無償化」に基づいてつくられた制度です。各地の民主商工会(民商)婦人部は制度の活用を広げるとともに改善を教育委員会に要望しています。制度の内容を紹介します。

◇就学援助の概要
 就学援助制度は小学生や中学生がいる家庭に学用品費や入学準備金、学校給食費などを補助する制度です。
 学校教育法(第19条)では「経済的理由によって、就学困難と認められる学齢児童生徒の保護者に対しては、市町村は、必要な援助を与えなければならない」と明記されています。

◇対象者
 生活保護を必要とする要保護者と準要保護者(市町村教育委員会が生活保護法条6条2項の規定に準ずる程度に生活が困窮していると認める者)です。
 公立小中学校生徒数約963万人(2015年度)のうち就学援助を受けているのは約147万人(15.23%)。約6.5人に1人が制度を活用しています。
 就学援助の認定基準は各自治体によって異なり、生活保護基準に係数をかけている自治体が7割以上を占め、生活保護基準の1.2倍から1.3倍が最も多くなっています。
 要保護者は国が2分の1を補助し、準要保護者は各市町村が単独で実施しています。
 国は2018年10月から3年かけて、生活保護費について最大5%を削減しようとしています。これまで就学援助制度を活用していた世帯が今後、制度から外されることが懸念されています。

◇支給項目
 支給項目は表1のとおりです。文部科学省の調査によると学用品費や新入学児童生徒学用品費等、修学旅行費については、ほとんどの市町村(97%以上)が支給費目に設定しています。

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 また、2010年度から要保護児童生徒援助費補助金の対象費目に追加されたクラブ活動費や生徒会費、PTA会費を加える自治体が増加しています。

◇手続き
 教育委員会への直接申請と学校申請があります。民商婦人部では地域の民主団体とともに集団で教育委員会に申請書を提出し、制度改善を求めています。

◇支給方法
 教育委員会から保護者の口座に振り込まれます。支給は回数や項目ごとに支給日を決めるなど自治体によって対応が異なります。
 入学準備金について交付要綱を改正して「就学予定者」の保護者に加え、小学生も中学生と同様に入学前に支給できるように各都道府県教育委員会教育長宛に通知(2017年3月31日)し、2017年度から小学生についても入学前に支給した「新入学児童生徒学用品費等」を国庫補助の対象に追加しました。
 この通知を受けて入学前に支給する自治体が広がっています。
 しかし一方で、文科省の調査によると入学前に支給している自治体は5割にも満たない状況です(図1)。入学前の支給を求め運動をさらに強めることが必要です。

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入学前の3月支給を実現 民商婦人部が自治体に要請
北海道旭川市
 北海道旭川市は就学援助の新入学用品費(入学準備金)について3月下旬に支給することになりました。旭川民商も加盟する「子育て支援の充実を求める会」の運動が実ったものです。
 「子育て支援の充実を求める会」は2017年6月1日、「就学援助の入学準備金3月支給を求める要望書」を旭川市教育員委員会に提出し、懇談しました。
 ランドセルや制服の費用を一時的に立て替えるのは子育て世帯にとって大きな負担となっていました。教育員委員会は「中学生については、他都市でも3月支給が増えているので参考にしたい」「小学生も国庫補助の対象となっているが、予算上のこともあるので検討する」との回答でした。
 旭川市には今春、支給対象となる新入学生数は小学生で470人、中学生で547人。12月議会で4200万円を計上した補正予算が成立しました。1月下旬に小学校の入学予定者がいる約2500世帯に郵送で案内し、2月20日ごろまで申請が受け付けられます。

群馬県桐生市
 群馬県桐生市はこれまで入学後の7月に支給してきた「新入学学用品費」を、「入学準備金」に名称を変え、3月に前倒しで支給することになりました。
 桐生市議会本会議(2017年11月30日)で関口直久議員(共産)の質問に対して教育部長が回答したものです。「1月下旬から2月中旬に予定される市立小中学校の入学説明会で全保護者に通知するほか、市の広報紙やホームページなどで周知徹底したい」と答えていました。

神戸市

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就学援助制度の問題について神戸市教育委員会に申し入れる兵庫県連の役員ら

 神戸市は入学時の学用品費(就学援助の入学準備金)をこれまで4月末に申請し、7月の決定後の支給でしたが、3月に支給することになりました。「入学するのにお金がかかる」「制服を買うのにも借り入れをしなければならない」との声が上がっていました。
 県連・民商は11月28日、神戸市教育委員会と話し合い、「小学校の入学前健康診断で申請用紙を配布している」「中学校の入学はすでに就学援助を受けている世帯を対象に、1月ごろに個別に通知を渡す」「事前申請がなくても4月申請で、7月に通常の就学援助と同様に支給される」ことを確認しました。
 また、生活保護基準の引き下げによって、これまで対象だった受給者が認定から外されないように市独自の支援策を設けるよう要請。「従来どおり、市独自の所得基準を崩さないようにする」との回答を得ていました。

全国商工新聞(2018年1月22日付)
 

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