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第15回業者婦人決起集会 多彩な企画 高まる期待
3000人集め要求実現を
全婦協・集会実行委員長 藤江 由美子さんに聞く
業者婦人のパワーを安倍政権にぶつけようと語る藤江さん
「業者婦人の働き分を正当に認めて」「消費税増税は絶対中止」「戦争する国づくり反対」-。さまざまな要求を掲げて全商連婦人部協議会(全婦協)は10月26日、東京・日比谷野外音楽堂で第15回全国業者婦人決起集会を開きます。いのちと暮らし、商売を守りながら地域で生きる業者婦人が全国から集まってきます。藤江由美子実行委員長(大商連婦人部協議会会長)に決起集会にかける思いや企画の内容、各地の取り組みなどを聞きました。
安倍政権追い込むチャンス
─今回の決起集会はどんな思いで取り組んでいますか。
秘密保護法に続いて戦争法や共謀罪法の強行採決を重ねる一方で、国有地をただ同然で払い下げた森友学園や、安倍首相の関与が疑われている加計学園問題で安倍政権は支持率が急落し、日本中に怒りが渦巻いています。さらに改憲が狙われ、日本を戦争する国に変えようとしています。
そういう中で今回の決起集会は開かれます。安倍政権を退陣させる世論と運動を大きく広げ、「私たち業者婦人が安倍政権を退陣に追い込む絶好のチャンス」と、ワクワクした気持ちで取り組んでいます。
─参加目標は3000人ですね。
実行委員会の中では初め「3000人も集まるの」という声が上がっていました。
私たちはこの間、増税はやめて、働き分を認めてよ、人間らしく生きたい、9条を守りたい、好きな商売を続けたいと運動を続けてきました。「その願いが安倍政権によって打ち破られようとしている」と話し合い、「だから今、3000人、今やらなくて、いつやるの」との思いを一つにしました。
すべての国会議員に私たちの要求を届け、各省庁とも交渉し、街頭でも大宣伝を繰り広げる。そして日比谷野外音楽堂を業者婦人で埋めつくし、パレードでは業者婦人の思いを街行く人たちに届ける。終日、業者婦人のパワーを全開させたいと意気込んでいます。
─今回は15回目の決起集会ですね。
1回目が開かれたのは1990年で、89年に消費税が導入され、中小業者の営業と暮らしは大打撃を受けました。営業と暮らしを数字でつかみ、苦しい原因はどこにあるのか、集まって話し合いながら「営業と暮らしの見直し運動」に取り組みました。自分たちの働き分(自家労賃)が取れず、ただ働きであることが分かり、業者婦人の労働が社会的に認められていない矛盾を話し合う中で「私たちは人間らしく生きたい」と立ち上がったのが決起集会の始まりです。
「10月8日、お母さんは休みを取ります」と冷蔵庫にステッカーを貼って「世直し休暇」宣言をし、「国に切実な声を届けに行きます。お父ちゃんも応援してください」と手紙を出すなどの行動が広がりました。
─毎回、創意工夫あふれる取り組みが展開されますね。
私が印象に残っているのは初めて参加した2003年の決起集会(第8回)です。当時は破綻した信用金庫、信用組合からの融資がRCC(整理回収機構)に送られ、中小業者の怒りが沸き起こっていました。400人の業者婦人が日本経団連を包囲するという前代未聞の行動を起こし、敷地内に入れようとしない職員を振り切って代表が中に入り、要請書を読み上げ担当者に手渡しました。迫力ある業者婦人の行動を目の当たりにして感動したことを覚えています。
─今回のスローガンは「いま 守りたい いのち・暮らし・商売を 地域で生きる業者婦人の心意気」ですね。
いま、業者婦人が置かれている状況は本当に厳しい。みんなどうやって生き残ろうかと必死で考え、知恵をひねり出しています。
そんな中で大阪ではこの間、料飲と建設業者の交流会を開きました。料飲業者は60歳からカフェを始め、「子ども食堂」を開いて地域の人たちとの絆を深めています。建設業に関わる業者婦人も男社会の中で苦労しながら現場で働き、職人から信頼が寄せられるようになりました。共通していたのは、商売が大好きで、自分の商売に誇りを感じていることでした。スローガンは業者婦人の思いを表現していると思います。
─決起集会に向けてどんな取り組みが始まっていますか?
所得税法56条廃止を求める意見書採択は現在、485自治体ですが、過半数の自治体での採択を勝ち取るために全国の民商婦人部が働き掛けています。
愛知では1部員10人の署名を集めるために一人ひとりの部員にどうやって声かけするかと知恵を出し合い、集会には夜行バスを走らせて参加しようと話し合っています。
福島でもいつもはバス1台ですが、今回は2台に。京都では2万人の56条廃止の署名目標を掲げ、「署名チャレンジャー」を募っています。参加目標を200人にした大阪では、茨木民商婦人部が願いを集める部員訪問を開始し、代表派遣カンパ袋を作り、‘ありがとう’の文字が入った飴200セットを準備しました。
決起集会のキャラクターはポスターに登場している‘えみちゃん’です。いつも明るく元気な業者婦人です。登場は2回目ですが、今回は家族や仲間も加わりました。「そうだ!決起集会に行こう」と呼び掛けています。
全国の婦人部の皆さん、10月26日、東京・日比谷野外音楽堂でお会いしましょう。
全国業者婦人決起集会とは
第15回業者婦人決起集会のチラシ
所得税法第56条を廃止して業者婦人の働き分(自家労賃)を認めることや、国民健康保険(国保)に傷病手当、出産手当を実施すること、消費税の増税中止、5%に戻すこと、憲法改悪反対など業者婦人の切実な要求を掲げ、1990年に1回目を開き、91年から2年に一度、開いているもの。今回は15回目を迎えます。
決起集会の開催と主な企画は次のとおり。
日時 10月26日(木)正午開場 13時30分開会〜15時(文化行事13時〜)
会場 東京・日比谷野外音楽堂
参加目標 3000人
主な企画 決起集会では文化行事を行い、全国の仲間のたたかいを交流。集会後は国会または銀座に向けてデモ行進をします。
また、集会に先立ち業者婦人の地位向上を求める署名を衆参すべての国会議員に届け、内閣府・男女共同参画局、厚生労働省、中小企業庁など各省庁との交渉や国会議員との懇談、駅頭宣伝など終日行動します。
全国商工新聞(2017年8月7日付) |