<10・15つながろう 業者婦人決起集会>
国の男女共同参画公聴会 業者婦人の地位向上を訴え=広島県婦協
第4次男女共同参画基本計画策定に向けての公聴会に参加した広島県婦協の山田照美会長(右)ら
広島県連婦人部協議会(県婦協)は2日、「第4次男女共同参画基本計画策定に向けての基本的な考え方(素案)」の公聴会に参加し、所得税法第56条廃止と業者婦人の地位向上について発言しました。
公聴会は、男女共同参画局が開催。「第4次男女共同参画基本計画策定に向けての基本的な考え方」をまとめるため、素案について国民から意見を集めるもの。宮城、東京、広島、愛知、京都、福岡で開催されました。
第4次案には「商工業などの自営業における家族従業者の実態を踏まえ、女性が家族従業者として果たしている役割が適切に評価されるよう、税制などの各種制度の在り方を検討する」「商工業等の自営業における家族事業者の実態を踏まえ、働きすぎの防止等に向けて就業環境に関する調査を行うことを検討する」など、自営業者に対する文言が盛り込まれています。
山田照美県婦協会長は、所得税法第56条の実態を告発。「保育園入所時の書類、事業継承などで不当・不利益な扱いを受けることもある」と実害を話し「家族の働き分を正当に認めているとは言い難い状況」と廃止への議論を求めました。また、国保加入にも傷病手当・出産手当の制度を作ること、中小零細業者の実態を正確に把握する調査を行い、働き過ぎを防止する抜本的な援助策などを要望。「女性が働き続けるためには保育・介護など社会保障制度の充実が欠かせない。憲法に基づく社会保障制度の在り方も記載してほしい」と発言しました。
会場からは、DV被害をなくすための施策の充実、保育環境や働き方の整備、男性の育休、選挙制度改善など多くの分野から発言がありました。「平和でなくなれば女性の参画など実現できない。戦争法案は廃案を要求して」と情勢に対する不安も出されました。
行政側は「家庭生活と他の事の両立ができるよう、社会支援のサポートや民間連携などでカバーしていく」と回答。民間への数値目標や大企業支援ばかり強調し、業者婦人部の要求とは相容れないものでした。
山田会長は「業者婦人の実態を把握してもらうためにも、県の男女共同参画課と懇談し、自治体として実態調査を行ってもらいたい」と述べていました。
全国商工新聞(2015年9月28日付) |