安心して学ばせたい 就学援助の活用進める=各地の婦人部
「子どもたちが安心して学べるように、活用しやすい就学援助制度に」―― 。全国の県商工団体連合会(県連)や民主商工会(民商)は、就学援助制度の拡充を求めて行政との懇談や申請書記入会(申請会)に取り組んでいます。
所得基準下げないで 市に対象拡充求める=兵庫県婦協など
兵庫県連婦人部協議会(県婦協)も加盟する「神戸市就学援助を求める実行委員会」は3月25日、神戸市教育委員会と懇談。13人が参加し、「生活保護の基準引き下げによる所得基準引き下げをしないこと」などを要望しました。
市側は「本来であれば、就学援助対象は生活保護基準の1.2倍の所得家庭となっているが、今年は厚生労働省、文部科学省から『影響させないように』との通知がきている。市では5000万円を予算化し、据え置きしている」と話しました。
PTA会費、クラブ活動費などへの拡充も迫ると「独自の通学費の援助もしている。新たなものを対象にすれば、何かを削ることになる」との返答。政府の子どもの貧困対策ガイドラインをもとに、学校を中心とした対応策を強化していく方向が出されました。
参加者からは「義務教育は無償にしてほしい」「医療券はどれだけ発行しているか」など意見や質問が出されました。
拡充を求める懇談は30年以上続けられてきたもの。各民商婦人部では、他団体と協力し、4月28日に集団申請を予定しています。
申請会開き書類作成 運動強め制度改善=北海道・旭川民商
北海道・旭川民商は3月23日、就学援助の申請会を民商事務所で行い、10人が申請書を書き上げました。後日、18人分の申請書をまとめて、教育委員会に提出しました。
民商では、毎年、確定申告の際に就学援助と国保減免のチラシを作製。この時期の恒例行事として活用を呼び掛け、定着しています。
申請会では太田孝副会長が「義務教育は無償とうたっている憲法があるのに、多額の教育費がかかっている。消費税も8%になり、生活が大変になる下で、就業援助制度を、積極的に活用していきましょう」とあいさつ。今年度からPTA会費の助成開始や、援助対象の所得基準が拡大されるなど変更点を説明しました。「義務教育が終わるまでは制度を活用したい」と、毎年参加している会員も多く、書類を書き上げて安心していました。
旭川市では、就学援助は生活保護基準の1.2倍が所得基準でした。しかし国の生活保護基準引き下げに伴い、今まで制度の対象になっていた人が基準から外れることに。民商は他団体とつくる「子育て支援の充実を求める会」に加盟し、昨年から制度改善を求めて運動してきました。パブリックコメントへの参加呼び掛けや委員会の傍聴、交渉を重ねた結果、教育委員会も「予算はないが、従来利用できた人が漏れないようにフォローする」とし、今年度の対象所得基準は生活保護の1.25倍、来年度は1.28倍に改善されました。
全国商工新聞(2015年4月27日付) |