「戦争させない」決意あふれる=第60回日本母親大会
日本母親大会が8月2、3の両日、横浜市内で開催されました。安倍政権による秘密保護法制定や集団的自衛権の行使容認など、平和な暮らしが脅かされる中で開かれた60回目の大会では、集まった1万3400人(延べ)の女性たちの「夫や息子、恋人を絶対に戦場に送らない」の強い思いが響き合いました。
消費税の本質に怒り=全婦協担当分科会
2日目は、子ども、教育の問題、女性の地位向上や船で巡る横須賀港の見学など38の分科会が行われました。
全商連婦人部協議会(全婦協)は「消費税が8%に上げられてどうなった? 私たちのくらしと地域経済」の分科会を担当し、42人が参加。税理士で元静岡大学教授の湖東京至さんを講師に迎え、消費税の本質に深く切り込んで学習しました。
湖東さんは、4月の消費税増税後、80円の郵便料金は82円に値上げし120円の郵便料金は値上げしていないことを例に、ものの値段は事業者が決めていることを説明。消費税の計算式を示しながら、「消費税は事業者が自分で計算して納める付加価値税。消費者は事業者に預けてもいないし負担もしていない。皆さんが増税後、払っているのは上がった分の物価」と強調しました。また、12月に10%への増税が狙われていることについて「政府は物価上昇で、デフレから脱却し、景気も回復したと見せかけ増税しようとしている」「家計消費は減っているし、庶民や中小業者は困っている」と説明。「消費税は社会保障のためと言われてきたが年金は減り続けている。消費税は自衛隊を海外に派兵するための財源」と本質を突きました。
参加者から「食料品などにかける税金を安くする軽減税率に期待している」との声が上がると、「生鮮品の税率が下がったとしても、物流、パッケージ、生産や販売時の電気代などに消費税はかかるので、私たちが買うものが安くなるわけではない」と湖東さん。「『軽減税率が適用されるから』と言って10%になっても仕方ないなどというのはごまかし。だまされてはいけない」と力を込めました。
業者婦人から「滞納せざるを得ず、延滞税も大変」などの実情が話されると、湖東先生が「消費税は滞納が最も多い。過疎地の滞納は深刻で地域経済の崩壊につながる。消費税の制度が破たんしないように、すぐ差し押さえるなど税務署の取り立てがひどいものになっている」と実態を話しました。
参加者は「業者が消費税の被害者だと分かった」「10%には絶対させないように署名を頑張る」などと感想を寄せていました。
全国商工新聞(2014年8月25日付) |