学用品購入費など助成 活用しよう 就学援助制度
入学、進級と子どもたちの新しい学校生活を迎える季節が近づきました。学用品購入など入学準備に必要な費用を助成する「就学援助制度」が全国の自治体で実施されています。各地の民主商工会(民商)婦人部は制度を知らせ、活用することを呼びかけながら、制度の改善・充実を求める運動を広げています。
憲法26条は、義務教育の無償を定めています。就学援助制度は、小・中学生のいる家庭に条件が合っていれば入学準備金や学用品、修学旅行費、医療費などが支給される制度です。
この制度は、市区町村が実施するもので、費用の半分を国が負担します。しかし、2005年度から、小泉内閣の「三位一体改革」の強行で、就学援助に対する国の補助金額が大幅に削減されています。この影響で、自治体独自で行ってきた支給項目を廃止にしたり、支給金額の減額、申請方法や支給内容を改悪する自治体が広がっています。
《対象者》
小・中学生のいる家庭はだれでも申請できますが、受給条件、支給内容、支給金額については自治体によって異なります。
《支給項目》
国が補助をする項目は図表のとおりです。
自治体によっては、独自で補助項目を設けたり、支給金額を国の補助金額に上乗せしているところもあります。(社会科見学や卒業記念品代など)
《手続き》
教育委員会への直接申請と学校を通しての方法があります。制度を活用している家庭からは「書類などプライバシーを守るために、子どもを通さないで郵送にしてほしい」との要望が出ている中、自治体によっては学校への申請に一本化させる動きがあり、改善を求める運動が必要です。
申請期間については制度上いつでも受け付けることになっていますが、市区町村の事務処理の関係で、時期などを決めて受け付けている自治体があります。不況による親の失業・収入減など、就学援助の受給者が増えていることから、1年を通して受け付けさせるとともに、年度途中の申請でも4月からさかのぼって支給させる運動が必要です。
手続きに必要な書類は、申請用紙と前年分の源泉徴収票、住民票の申告書の控えなど所得を証明する書類です。収入がなくても所得申告をしておくことが大切です。
《支給方法》
銀行振り込みなどで教育委員会から保護者へ直接支給する方法と現金や現物を学校を通して渡す方法があります。支給期間については、早い市区町村でも6月以降で、入学準備に間に合っていないのが現状です。
また、給食費や教材費の未納が増え、就学援助金が保護者に支給される前に未納分を差し引いて支給する自治体が増えています。これは、保護者の同意なしにやってはいけないことです。
全国商工新聞(2013年2月11日付) |