消費税「転嫁困難」が増加=全国業者婦人実態調査
所得200万円以下が44%を占め、個人の白色申告者だけで見ると55.6%と過半数になっています。加えて所得200万〜300万円の比重が増えており、長引く不況と度重なる税制・社会保障改悪が中小業者の家計を直撃しています。
不況と負担増家計を直撃し
消費税の納税の状況では、「滞っている」「一括で払えない(分納、納税猶予)」割合は、14.5%。しかしながら、「営業だけで生活できない」割合が全体の6割という厳しい状況の中で、所得200万円未満の層でも、3割超が「苦しいが納めている」としています。消費税の納税資金を生活費から捻出し、業者婦人がパート・アルバイトで家計を支えるという実態が浮かび上がります。
消費税の転嫁状況では「完全に転嫁できている」割合が前回調査(09年)の44.6%から2012年の26.1%と大きく減少。また、「まったく転嫁できていない」が28.3%に上ります。大企業の買いたたきや価格破壊の影響で、価格転嫁できず自腹を切って消費税を払わされているのが中小業者の実態です。
帝国データバンクが行った「消費税引き上げに対する企業の意識調査」では、67.1%の企業が消費税が上がれば「業績に悪影響」と回答しており、影響理由については49.7%が「税負担の上昇」を挙げ、「販売価格に転嫁できない」も約4割に上ります。特に税負担増は小規模企業で高くなっています。また、8割が国内消費の「縮小」を懸念としています。
消費税増税は景気に悪影響
消費税が5%に引き上げられた97年を前後して、企業倒産が目立って増え、消費税の滞納が跳ね上がった事実からも、増税が国内消費をいっそう冷え込ませ、景気悪化を招くことは必至です。
転嫁できない消費税制度の矛盾や赤字でもかかる消費税の実態を告発し、消費税増税中止の声を地方から上げていくことが大事です。自治体の意見書採択を求めるなど、共同を大きく広げましょう。
全国商工新聞(2013年1月21日付) |