保育園 自営業は預かれない? 仲間の助けで入園実現=愛知・春日井民商
「やった! 保育園に入園できた」―。愛知・春日井民主商工会(民商)婦人部のKさん=解体=の娘・Iちゃんは、10月から元気に保育園に通っています。「子どもを保育園に預けたい」の一言で婦人部などの先輩お母さんたちが集まり、共に考えながら励まし合い、入園が実現しました。
「保育所に預けられることになりました」。9月末、民商事務所にKさんの弾んだ声で喜びの一報が舞い込んできました。
自営業者だから難しいと言われ
Kさんは、夫と共に解体業を営んでます。作業が忙しいときは、解体現場にIちゃんを連れて行くこともありました。
危険を感じたKさんは8月、保育所の申込書を青少年こども部保育課に提出。仕事の実態を説明すると職員は「産休明けのご家庭のお子さんの入所を優先している」「自営業の優先順位はどうしても低くなる。民間の保育所に預けられないのか」と言われ、つらい思いをしました。
保育課の対応に不安になったKさんは民商に相談。春日井市長宛てに嘆願書を提出することにしました。
嘆願書には、解体現場に子どもを連れて行っている実態や記帳、事務一般を任されている中で、子どもから目が離せず仕事に集中できないこと、子どもが外に出て、交通事故に遭う不安があることなどを訴えました。
小集会を開いて悩みを出し合い
9月22日に開かれた婦人部総会でKさんは、「保育園に子どもを預けられないで困っている」と報告。
総会後、婦人部の仲間が子育て中の業者婦人に声をかけて小集会を開きました。保育園に子どもを預けている先輩のお母さんの体験談などを交流し「嘆願が受け入れられなかったらみんなで市役所に行こう」とKさんを励ましました。
数日後、保育課から連絡があり、入園が決まりました。「商売、家族、子育てなど業者婦人の悩みや要求はたくさんあるが、小集会で集まって近況を話すことで、みんなが心を寄せてくれる。それが婦人部の素晴らしいところ」です。
Iちゃんの入園が決まったKさんは「これで仕事にも集中できる。私の一言で婦人部の仲間が親身になって話を聞いてくれてうれしかった」と喜びを語ります。
婦人部では、「子育て中の業者婦人の実態をしっかりとつかみ、市の対応など改善を迫る運動を広げていこう」と話しています。
全国商工新聞(2012年10月22日付)
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