所得税法56条見直しへ 意見書採択 奈良県議会が全会一致
奈良県議会は3日、奈良県連婦人部協議会(県婦協)が提出した「所得税法第56条の見直しを求める」意見書を全会一致で採択しました。2009年6月議会では一度否決されており、3年越しの採択。県議会での採択は全国8番目です。
働き分認めて
奈良県婦協では、6月議会に向け、議員要請行動や議長懇談を行い、「中小業者の家族従業者の給与を必要経費と認めてほしい」と訴えました。6月12日の国中憲治議長との懇談には、県婦協の三原泉会長=建築=をはじめ奈良民主商工会(民商)婦人部と日本共産党の宮本次郎県議ら13人が参加しました。
「所得税法第56条」の趣旨を宮本県議が説明し、造園業、建築業の部員が「仕事でけがをしても、休業補償もない」と実状を訴えました。
国中議長は「56条のことは知っています。住みにくい時代になったのは、小泉純一郎元首相からだ」と話し、懇談が盛り上がりました。
署名の数に驚き
2月から6月までに集めた「所得税法第56条の廃止、業者婦人の実態調査を求める」署名1892人分を手渡すと「こんなにたくさんの方の署名があるんですね。しっかり預ります」と受け取りました。
本会議の当日、県婦協三役は県議会を傍聴。全会一致で採択される瞬間を見届けると涙を流す役員もいました。
同趣旨の意見書は県内で、奈良市、大和郡山市、橿原市、王寺町、上牧町、広陵町、田原本町、川西町、大淀町の計9自治体が採択しており、今回で10自治体に拡大しました。役員らは「県議会で採択されたのは画期的。今後も県全体に広げて粘り強い運動をしていこう」と決意を新たにしました。
▼所得税法56条とは
自営業者は、配偶者とその他の家族が一緒に働いている場合、その給与は事業所得等の必要経費として認められていません。長時間働いても事業主の所得から控除される働き分(自家労賃)は、配偶者は年間86万円、家族は50万円にすぎず、社会的にも経済的にも自立できない状況を生んでいます。世界の主要国では「自家労賃を必要経費」として認め、家族従業者の人権・人格、労働を正当に評価しています。これまで、宮城、三重、富山、石川、高知、大分、沖縄の7県をはじめ、347自治体で見直しを求める意見書が採択されています。
全国商工新聞(2012年7月23日付)
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