消費税 半数が「転嫁できない」 業者婦人アンケート=群馬県婦協
群馬県連婦人部協議会(県婦協)が実施した「業者婦人のアンケート」の調査結果がこのほど明らかになりました。昨年の売り上げや所得が一昨年より減少しているが65%を超え、消費税を完全に転嫁できているのは無回答を除きわずか23・7%。経営の厳しさとともに、消費税が経営に重くのしかかっている実態が浮き彫りになりました。
アンケートは2011年1月〜12月までの経営や暮らしの状況を調査したもの(2012年1月〜3月に実施・回収)。1701人の部員のうち806人が回答しました。
各民主商工会(民商)婦人部の役員がアンケートの調査結果を集約し、業者婦人の実態をつかみました。
「売り上げが1割以上減った」が65・5%を占め、うち5割以上が12・5%にも及んでいます。「暮らしや営業の困りごとはあるか」の問いに、資金繰りや返済に対して「窮屈」と答えたのが38・5%、「行き詰まっている」が16・6%、「仕事確保が困難」が41%を占めました。
転嫁はわずか
消費税問題では、無回答が30・8%を占め、「課税業者ではない」が含まれています。その無回答を除いた課税業者と思われる中で「転嫁できている」のはわずか23・7%。「ほぼできている」26・3%です。「まったくできていない」25・6%、「あまりできていない」24・4%と半分が転嫁されていない状況が明らかになりました。また、「消費税増税反対」は89%に上っています。
今後の商売の見通しでは「見通しがない」が28・6%、「廃業を考えている」人が9・4%もいました。
国民健康保険の問題では、滞納があると答えた人は18%、資格証明書が交付され、保険証がない人もおり、年金の未加入者も6%いることが分かりました。
さらに、慢性の病気も含め「体の具合が悪い」が52・3%と半数を超えていました。
重く受け止め
県婦協では5月15日に幹事会を開き、アンケート結果について話合いました。
悩みごとを相談できる人がいますかの問いに「誰もいない」と36人が回答した結果に対し、熊谷京子県婦協会長は「この数字を重く受け止めなくてはいけない。各民商婦人部が集まって元気が出る婦人部をつくることが求められている。消費税の転嫁状況を見ても増税は絶対に許してはいけない」と語りました。
アンケートではパソコン教室や自主記帳の学習会、食事会や旅行の取り組みなど婦人ならではの要望もあり、「どんなことで悩んでいるのか」「どんな要求があるのか」をくみ上げようと話し合いました。県婦協ではアンケート結果を基に自治体交渉などを取り組むことにしています。
全国商工新聞(2012年6月11日付)
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