56条廃止の大波 全国へ=大阪、茨城
意見書採択309自治体に
全商連婦人部協議会(全婦協)、各民主商工会(民商)婦人部が中心となり運動を広げている「所得税法第56条廃止を求める意見書」の採択が、全国で309自治体(1月9日現在・採択後の合併自治体を含む)になりました。12月議会では、茨城県内で初となるつくばみらい市が採択をかちとるなど、民商婦人部の粘り強い運動が56条廃止へ大きな波となって全国各地に広がっています。
長年の運動の成果で=大婦協
51人が参加した大阪府との交渉で業者婦人の実態を話す狭川大婦協会長
大阪・岸和田、池田両民商婦人部が岸和田市と能勢町に提出していた「所得税法第56条の廃止を求める意見書(要望書)」が12月16日、それぞれ全会一致、賛成多数で採択されました。
「やった。やっと採択された。次は大阪府議会の採択に向けてさらに頑張りたい」と役員は喜びを語ります。
12月1日に会派回りを行い、議会運営委員会と本会議に向けて、56条廃止の要請はがき200通を送り、議員一人ひとりに、業者婦人の切実な声を届けました。
部員を一軒一軒訪問し「56条があるせいで私たちはいつまでたっても働き分が認められない。協力してほしい」と、要請はがきと一緒に花と「お元気ですか?」の手紙を添え、訴えてきました。時間は掛かるけれども、要請はがきの説明をしながら、その場で書いてもらって推進しました。
池田民商婦人部が担当する能勢町では、日本共産党議員と要望書を作成し議会に提出しました。役員は「長年の運動が実り09年に池田市で採択されたときは、56条廃止への流れが大きく動き出したと実感しました。能勢町の採択も池田市の採択が大きな影響を与えている」と、56条廃止の全国の動きが追い風になっていると話します。
昨年11月の大阪府との交渉では24民商婦人部から51人が参加するなど、大阪全体で運動のうねりが広まっています。
大商連婦人部協議会(大婦協)と民商婦人部は、2月議会に向け所得税法第56条廃止の意見書採択、国保料引き下げを求めて大阪府との交渉や署名、要請はがき、議員要請行動の運動を強めています。
県内初に喜びの涙=茨城・県南
茨城県初となる56条廃止の採択をかちとった県南民商婦人部員の喜びのVサイン
茨城・つくばみらい市議会は12月1日、県南民商婦人部が提出した「所得税法56条の廃止を国に求める意見書」を賛成多数で採択しました。
茨城県では初めて。同民商婦人部と茨城県連婦人部協議会(県婦協)の役員13人は「うれしい! やっと風穴が開いた。ここから運動を広げ、56条廃止の採択をかちとっていこう」と、うれし涙を流して喜び合いました。
昨年9月議会に向け請願書を提出。総務委員の議員一人ひとりに電話をかけ、資料を送って56条廃止を訴えました。
総務委員会では「白色は税金をごまかせる」との反対意見が出されて継続審議となり、悔しい思いをしました。
11月の総務委員会には8人の婦人部員が傍聴。当日、趣旨説明を求められてもいいように、みんなで答えを用意して委員会に臨みました。審議の結果、56条廃止の意見書が採択されました。婦人部員たちは「継続審議になったときはだめかと思ったが、あきらめずに行動して良かった」と喜び合いました。
12月の本会議に向け、「私たちの働き分を認めて」のリーフや商工新聞に掲載された意見書採択の全国地図、採択のお願いの文章を付けて全議員に送り、理解を求めてきた運動が実ったものです。
所得税法56条問題
「配偶者とその他の親族が事業に従事したとき、対価の支払いは必要経費に算入しない」(条文要旨)とし、家族が従業した場合は、その給料は税法上では必要経費に認められず、すべて事業主の所得になります。
事業主の所得から控除されるのは、配偶者が年間86万円、家族が50万円。住宅ローンが組めないなど事業継承の障害、国民健康保険に傷病手当や出産手当が支給されない根拠の一つにもなっています。
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