所得税法56条廃止の請願採択=大阪・茨木市
茨木市議会事務局に、署名を提出する婦人部員たち
大阪・茨木市議会は6月23日、茨木民主商工会(民商)婦人部が提出した「所得税法第56条の廃止を求める請願書」を全会一致で採択しました。婦人部は07年から市議会に働きかけを続け、4回目の挑戦でようやく採択にこぎつけました。
金澤有子婦人部長は「私たちの運動で議会を動かし、採択されてうれしい。56条を廃止するため、さらに運動を強めたい」と決意を語っています。
「56条を知ってはいるけれど中身がよく分からない」との声から、婦人部が役員会で56条問題を初めて学習したのは08年2月。所得税法や自家労賃問題を学びました。その後、全支部で学習会を開き、婦人部では56条を廃止させたいとの思いが広がりました。
08年9月議会に向けて初めて「所得税法第56条廃止を求める請願署名運動」に取り組み、3000人分の署名を市議会に提出。しかし、市議会では否決され、09年9月議会でも同様の結果でした。
それでもあきらめずに、32人の市議会議員あてに56条廃止の請願書採択を訴えるはがき272枚を送り、女性議員を対象に56条問題の学習会を開き議員たちを動かしました。はがきを受け取った議員は「市民からこんなに声が届いたことはない」と共感が広がりました。
3月議会は審議が見送られたものの、6月議会で32人すべての議員の賛成で「所得税法第56条の廃止を求める請願書」が採択されました。
所得税法第56条問題
「配偶者とその他の親族が事業に従事したとき、対価の支払いは必要経費に算入しない」(条文要旨)とし、家族が従業した場合は、その給料は税法上では必要経費に認められず、すべて事業主の所得に合算されます。
事業主の所得から控除される働き分は、配偶者が年間86万円、家族が50万円と低額で、住宅ローンが組めないなど事業継承の障害となり、国民健康保険に傷病手当や出産手当が支給されない根拠の一つにもなっています。
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