所得税法56条廃止 請願を採択=群馬・吉岡町
渋川市、榛東村、吉岡町議会の請願採択を喜ぶ小浜婦人部長(左から2番目)と婦人部員
群馬県吉岡町は6月議会で、渋川北群馬民主商工会(民商)婦人部が提出した「所得税法第56条廃止を求める請願」を趣旨採択しました。渋川市、榛東村では3月議会で同請願が全会一致で採択され、担当する全3自治体で採択をかちとりました。
婦人部では5月の役員会で、所得税法第56条廃止の1点で署名を集めることを確認。部員たちは1軒1軒を回り、3週間という短い期間に100人分の署名を集めました。
小浜鶴美婦人部長らは6月1日に請願書と署名を町議会に提出。産業建設委員会を傍聴しました。
56条に批判的な発言が続く中、税務課長は「すでに242自治体で第56条廃止は採択されており、社会の流れになっている」と発言しました。しかし、国に意見書を上げるところまでは一致しませんでした。1時間以上の議論の結果、「趣旨採択」となり、本会議でも「趣旨採択」となりました。
小浜婦人部長は「業者婦人の働き分が正当に認められないことを、多くの人に知ってほしい」「趣旨採択になったのは、100人分の署名の力。婦人部員の確信にもなりました」と話しています。
3月に採択された渋川市では、56条廃止の請願が採択された全国の自治体が紹介されている商工新聞を全議員に配布して理解を求めたことが大きな力になりました。
所得税法第56条問題
「配偶者とその親族が事業に従事したとき、対価の支払いは必要経費に算入しない」(条文要旨)とし、家族従業者の給料は税法上では必要経費に認められず、すべて事業主の所得に合算されます。
事業主の所得から控除される働き分は、配偶者が年間86万円、家族が50万円と低額で、住宅ローンが組めないなど、事業承継の障害にもなっています。
国民健康保険に傷病手当や出産手当が支給されない根拠の一つともなっています。
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