2年がかりで56条意見書採択かちとる=日向市
宮崎・日向市議会は3月18日の本会議で、所得税法第56条の廃止を求める意見書を全会一致で採択。日向民主商工会(民商)婦人部が08年12月議会に陳情を提出して以来、2年がかり5回の委員会審議を経てかちとった粘り強い運動の成果です。
5回目の審議で採択となりあきらめなかった運動の成果を喜び合う婦人部員たち
11人の婦人部員が議会を傍聴し、総務常任委員長が読み上げる「意見書」にじっと聞き入り、思わず拍手。その内容は婦人部が求めるものとまったく同じもので、採択されて議場を出た部員は自動販売機の前で乾杯して喜び合いました。
婦人部が初めて市へ陳情書を提出したのは08年の12月議会。ここで継続審議となり、09年3月議会では不採択に。さらに再提出し同年9月議会と12月議会でも継続審議でした。その度に婦人部の中でも「56条ってなに?」と学習しながら取り組んできました。
昨年12月、日本共産党市議団の尽力で、議長や最大会派の自民党との懇談が実現。商工新聞など全国の動きが分かる資料を届け、賛同を求めました。
3月17日の総務常任委員会は委員数の2倍にあたる12人が傍聴。委員たちからは「100年近く続いている家族制度は時代に合うか疑問」「問題の根幹はシャウプ勧告で、個人課税になったのに家族従業者のみが世帯単位であること。56条自体が問題」「56条の問題は理解する。その根拠とされてきた税逃れについては他の法整備が必要」と、傍聴者を意識する発言が続きました。
途中の休憩時間で議長から「傍聴者の意見を聞きたい」と婦人部の代表者が呼ばれました。「趣旨は十分に理解した。廃止を含める意見書でどうですか」との考えが伝えられ、その内容で採択されました。
谷口美春婦人部長は「採択まで長い時間がかかったおかげで56条がよく理解できた。これからも業者婦人の地位向上をめざして運動しましょう」と仲間に呼びかけています。
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