就学援助制度・申請の相談は民商へ
子どもたちが新しい生活に踏み出す春です。小中学生、高校生、大学生の子どもを持つ家庭向けに、就学援助など教育に関する助成制度があります。各地の民主商工会(民商)の婦人部や青年部は制度を知らせ、活用することを呼びかけるとともに改善や充実を求めて運動しています。申請希望者は民商にご相談下さい。
就学援助制度は「義務教育は無償」として憲法第26条などに基づき、小中学生のいる家庭に学用品や入学準備金、給食費、医療費などを補助するもの。
支給内容と金額、申請手続き、補助の方法は自治体により異なります。
手続きは次のとおりです。
《対象者》
小中学生のいる家庭。受給できる適用基準は市区町村により違います。
《支給項目》
国が補助を出す項目と補助額は表のとおりです。独自で補助項目を増やしている自治体もあります。
《手続き》
(1)教育委員会へ直接申請(2)学校を通じて申請‐のやり方があります。
制度上、申請はいつでも受け付けることになっていますが、事務処理の関係上、在学生は前年度の12月から3月、新入生は4月などと時期を決めている自治体もあります。年度途中でも4月にさかのぼって申請を認めさせましょう。
必要書類は申請用紙、前年分の源泉徴収票や住民税の申告書控えなど所得を証明するもの。収入がなくても所得申告しておくことが大事です。
《支給方法》
(1)教育委員会から直接振り込み(2)現金や現物を学校を通じて渡す‐などの方法があります。
支給は早くても6月以降のため、入学準備金が必要な時期に間に合わない問題があります。
そのほか認定に際し「民生委員の助言」を求める必要がなくなりました。
一方、保護者に渡す就学援助金から、給食費や教材費などの未納分を差し引いて振り込む自治体が増えています。保護者の同意なしにやってはいけないことになっていますので、き然と対応しましょう。
高校生・大学生への貸付金
生活福祉資金のなかに教育支援資金があります。対象者は高校生から大学生までです(表参照)。
日本学生支援機構の奨学金
経済的理由で就学困難な学生に学費を貸し付ける制度です。日本学生支援機構が行っています。
《対象者》
高専・大学・大学院・大学の通信教育、専門学校に通学する学生で経済的理由で就学困難な人。
《申込方法と手続き》
(1)入学前に奨学金を予約する「予約採用」と、(2)入学後に学校で募集する「在学採用」があります。
保護者の失職や倒産、病気、災害などで家計が急変した場合に「緊急採用奨学金」(無利息)「応急採用奨学金」(卒業後年利3%上限の利息付き)もあります。
みんな活用すべき
大阪・平野民商 Mさん
大阪・平野民主商工会のMさん=プレス加工=は、長女(現在小学2年生)が1年生のときから就学援助を活用しています。
「この不況で仕事も減っているし、義務教育なんだから使うべきと思いました。偏見を持つ人もいるようですが必要な世帯は使わないと、せっかくの制度がなくなってしまう。法律に基づいた制度なのだから、安心して子どもに教育の機会を与えるためにみんなで活用すべきです。知らないでいる人たちに呼びかけていきたいです」と語っています。
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