56条廃止へ決意新たに・意見書採択まであと一歩
市議会での意見書採択まであと一歩―。宮崎・日向民主商工会(民商)婦人部は日向市議会で県内初の所得税法第56条廃止の意見書採択をめざし、運動を強めています。昨年は市議会議長や保守系の最大会派と懇談、賛同やアドバイスを得ました。婦人部の仲間は「県内トップで必ず採択させよう」と決意を新たにしています。
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市会議員らのアドバイスに、真剣に聞き入る日向民商婦人部 |
「56条廃止という歴史的瞬間に立ち会えるかもしれない。一人ひとりは小さくても、集まれば国を動かせる事実にワクワクする」。婦人部長のTさん=土木=は楽しげに話します。
市議会への働きかけを通じて賛同の広がりを肌で感じています。10歳の男の子の子育てに頑張るTさん。昼間は落石防止用ネットの設置工事を行う夫とともに車で走り回り、夜は趣味のバレーボールや婦人部の活動に力を注ぐパワフルウーマンです。全商連婦人部協議会(全婦協)の09年11月5日の署名提出・国会議員要請には、近くに住む母親に子どもを預けて参加。
最初は「自家労賃って?」と疑問だらけだったTさん。実態を知るにつれて怒りがわき、このことに気づいていない業者婦人や農漁業の女性たちに立ち上がってほしいとの思いを強く持ちました。今は「誰かがやらないと変わらない」との思いで声を上げています。
婦人部では08年の9月議会に「所得税法第56条廃止を求める」陳情書を提出しましたが継続審議に。しかし同年12月議会では否決されました。婦人部ではその時の悔しさを忘れず何度も学習会を開催。09年10月には市議会議長と、11月には保守系の最大会派と懇談。業者婦人の実態、56条廃止への協力を訴えました。「各委員会所属の議員に会って話をしなさい」などアドバイスを受け、採択に向けて弾みをつけ12月議会には陳情書を提出しました。懇談で出された疑問や質問には、すぐ資料を作って応えました。
副部長のWさん=建築、Kさん=建築=も仕事の合間を縫って活動に参加し、署名などに取り組んできました。「年間50万円しか認められない後継ぎにも影響がある問題。少しずつでも進みだしてよかった」とWさんはふっくらした笑顔で話し、懇談の成功を喜びました。
税務調査がきっかけで民商に入会した。Kさんは、現在は息子に家業を譲り、仕事をサポートしています。「給料が認められず年間86万円や50万円の控除だけというのはやはりおかしい。もっとたくさんの人が『これは私のことだ』と自覚して運動に参加してくれたらいいね」と笑顔がはじけます。
12月議会では継続審議になったものの、この間の働きかけを通じ所得税法第56条の問題点への理解が広がり、市議会での意見書採択までもうひと踏ん張りのところにきていることを実感しています。
「私たちの手で必ず廃止させたい」との思いを一つに、運動を前進させています。
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