第11回全国業者婦人決起集会
台風を吹き飛ばすほどの熱気とパワーあふれた「第11回全国業者婦人決起集会」が8日、東京・日比谷公会堂で開かれ、1401人が参加しました。午前中から「所得税法第56条廃止を求める請願」で国会議員要請をしたほか、6省庁との交渉や議員懇談会など多彩に行動(次号詳細)。「所得税法第56条廃止を求める意見書」の採択自治体は126に上り、請願署名は過去最高となる70万1418人分(10月9日現在)に到達した運動の高まりの中で集った参加者は「56条は廃止できる」の思いを一つにしました。
集会成功をと
台風18号が列島を縦断し交通機関が相次いで不通になる中でも、集会を成功させようと会場にたどり着いた参加者たち。ピンクのジャケットやTシャツ、オレンジの帽子、ブルーのハッピなどで華やかに彩った業者婦人が「やめてんか消費税増税」「Don't所得税法第56条」「守れ平和憲法」のゼッケンやうちわを掲げ、確信に満ちた笑顔が広がりました。
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奮闘して採択をかちとった自治体名を書いたたすきをかけて登壇すると、会場の熱気は最高潮に |
126自治体で
集会でひときわ歓声と拍手がわいたのは、「わたしたちは負けない〜たたかいの交流」で「所得税法第56条廃止を求める意見書を採択した自治体が126になりました」とアナウンスが響いたとき。採択した自治体名を書いたたすきをかけた業者婦人が誇らしげに登壇すると会場には「ここまできた…」の思いがあふれました。
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たたかいの交流で報告される各地の奮闘に、会場からは共感の声や拍手が起こりました |
代表して北海道連婦人部協議会(道婦協)の後藤裕子会長(60)=料飲=が「私の働き分を計算したら年間240万円。自分は価値あるもので付属品ではないと自覚し、署名運動や自治体交渉、議員訪問などに打って出て、全道で31自治体が意見書を採択しました。56条廃止が手の届くところにあると信じて努力を重ね、人権をかちとりましょう」と力強く訴えると、割れんばかりの拍手が会場を包みました。
コントもあって
また、大阪・南大阪地域の婦人部が「コント56条・日比谷劇場」を披露。鳥取の代表が、県が児童手当(差押禁止財産)を差し押さえた事件を報告すると、どよめきが起きました。消費税増税反対の運動(宮城)、国保料の引き下げ(福岡)、経営を守る取り組み(愛知)、平和について(沖縄)、それぞれ実態や運動を報告し、共感や感動の拍手、声援が広がりました。
激励あいさつ
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日本共産党の大門実紀史参院議員(右)に、目標を達成して署名を手渡す秋田・能代民商の山口香美副部長 |
大石邦子全婦協会長が「今こそ要求を実現するチャンス。56条廃止、増税反対など、力と心を合わせて業者婦人として生きていける世の中をつくろう」と主催者あいさつ。国分稔全商連会長が「今政権の中で私たちの要求を実現させるよう運動を進めよう」と述べ、日本婦人団体連合会の堀江ゆり会長が連帯のあいさつで激励しました。
日本共産党の大門実紀史参院議員が国会情勢を報告。「意見書を採択した自治体は、春先は約40だったが今は126。この運動は確信にしていい。自治体を数百まで積み上げ、私たちの力で政治を動かしましょう」との発言に、大きな拍手が起こりました。仁比聡平参院議員も駆けつけました。
一丸で署名達成
集会には全国からさまざまな要求を持った業者婦人が参加。「採択をかちとり、壇上に立ちたかった」と話すのは兵庫・高砂民主商工会(民商)婦人部の上田千香子部長(58)=建築板金。過去に交通事故に遭い、56条のせいで惨めな思いをしたという上田さん。数千万円を売り上げるほど働いても、給与になるのは年間86万円で、入院時の補償はわずか日額2300円。「こんな理不尽なことはない」と、婦人部員はもちろん民商の常任理事や役員と一丸となって、1部員10人の目標を大きく上回る4350人分の署名を集めました。
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集会の最後に「がんばろう!」を三唱し、所得税法第56条廃止への意気込みを新たにしました |
子どもの学費のため、本業以外に二つの仕事を掛け持ちながら署名目標を達成して参加したのは、埼玉・本庄民商婦人部の清水由美子部長(47)=金型成形研磨。「パートに出るようになって56条の不当性を強く感じるようになった。申告の違いだけで働き分が否定されるのは許せない」と憤っていました。
6省庁と交渉
集会に先立ち、午前中は6省庁と交渉。内閣府男女共同参画局との交渉では「家族従業者について、男女共同参画基本計画(第三次案)に向けてフォローアップ中。実態調査については、三次案をつくる際に具体化したい」、財務省では「56条については抜本税制改革の中で検討していく。諸外国の例も引き続き研究する」など、これまでよりも踏み込んだ回答を得ました。
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