10日に開かれた業者婦人の地位向上へ思いを一つにした全国商工団体連合会婦人部協議会(全婦協)主催の第10回全国業者婦人決起集会。午前中は、厚生労働省、中小企業庁など7省庁と交渉し、さまざまな要求をぶつけ、実施を迫りました。
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国保・介護・年金など社会保障の充実を求めた厚労省交渉 |
中小企業庁との交渉では、人権無視の所得税法第56条廃止(注)の要求に対し、「勤労報酬を正当に認めてという要求は理解できる。関係省庁と調整しつつ進めていきたい」と答えました。
しかし、2年前に実施を約束していた「実態調査」は、「関係省庁と連携をとりながら調査したい」と回答。下請け単価、工賃を社会的に相応した金額に保障するよう指導強化を求めたことにも消極的だったことから、各地の代表が切実な実態をぶつけました。
阪神淡路大震災後、中国などからの安い製品に押され苦境に立たされている兵庫民主商工会(民商)婦人部の光瀬政江さん=靴製造=は「1足80円、1日働いても手元に3000円も残らず、メーカーと1円、2円で交渉している。腕に自信があるのに続けられないなんて、こんな理不尽なことはない」と告発。
柏崎民商婦人部の品田とめ子さん=鉄工=も「8月に住宅ローンが終わったばかりなのに地震で半壊し、仮設住宅にいる。商売できるようにしてほしい」と涙ながらに訴えました。
厚生労働省では、国民健康保険(国保)の改善などを要望し国保加入者に正規の保険証を発行するよう指導を求めると「特別な事情にあたる人などは、市区町村で適切な対応をとるようにしている」と回答。広島北民商婦人部の小松京子さん=建築塗装=は「実際に資格証明書発行で4人が手遅れで亡くなっている。命を守るのが厚労省の仕事でしょう」と切実に訴えました。
年金問題では、「家族4人分の年金保険料が5万6400円、その上、国保料、税金と払っていけば生活できるわけがない。免除制度の周知も図られていない」と怒りの声が上がりました。
デイサービスを経営する福岡・飯塚民商婦人部の成清勝子さんは「昨年の介護保険の改悪で、従業員の給料も払えない状況に。利用者に一部負担金を請求するのは涙が出そう。高齢者をいじめる制度はもうやめてください」と介護保険の抜本的な改善を求めました。
文部科学省では、義務教育の国庫負担の堅持を求めると「今後も維持していく」と明言。
内閣府男女共同参画室では、「第2次『男女共同参画基本計画』で雇用の機会均等について、関係省庁に働きかけている。(所得税法)56条問題は非常に重要な分野として認識しており、引き続きとりくむ」ことを明らかにしました。
国税庁では、「納税の猶予」について「納税者の意思を確認し実情に即して対応するよう指導する」と答えました。
その他、財務省では消費税増税の中止や住民税の税率を元に戻すこと、金融庁では、金融機関の貸し渋りをやめさせることや女性事業主が融資に際して不利な扱いを受けることのないよう求めました。
(注)所得税法第56条では、白色申告者の配偶者とその親族が事業に従事したとき、その給与は必要経費として認めていません。
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