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トップページ > 婦人部 > 全国商工新聞 第2797号 9月10日付

婦人部
 
憲法を生かし平和な未来を子どもたちに
日本母親大会 9500人の熱い願い
東京・埼玉4会場で「問題別集会」を開催
 「憲法を守りたい」「平和な社会を子どもたちに」という母親たち、女性たちの願いが寄せられた第53回日本母親大会が8月25、26両日に開かれ、9500人が参加しました。1日目は東京・港区の芝公園に集まり、日比谷公園まで「母親大パレード」。2日目は東京、埼玉の4会場に分かれて問題別集会を開きました。7月の参議院選挙で自公政権に厳しい審判を下し、憲法を守るたたかいはいよいよ正念場。平和な未来を展望し、新たなたたかいへの決意を誓い合いました。

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パネリストや参加者の発言に大きな拍手が送られました(東京・九段会館)
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初参加の三浦さん

怒りと共感、響き合って豊かに交流、確信を刻む

くらしと社会保障
  「くらしと社会保障」集会が開かれた九段会館には超満員の1200人余りが参加しました。格差社会や税金のとられ方・使われ方、医療、介護、年金などの問題を思いっきり語り合いました。
  群馬・高崎民主商工会(民商)婦人部の三浦宏予さん(49)=ビル管理=はお母さんパワーに初めて触れました。「税金のとり方も使い方もおかしいし、自民党や民主党では世の中は変わらない」と参加者の怒りを共有しました。
  三浦さんは3月に婦人部に入部したばかり。「今まで子どもを一流企業に入れることが最大の目標だった。でも、それが間違っていたことにはっきり気づいた。生きる道しるべが見つかった」と目を輝かせました。
  2度目の参加という静岡・清水民商婦人部の柴田章子さん(40)=下着販売=は高校2年と小学校5年の二人の子育て真っ最中です。「地方税が上がってびっくり。教育にこれほどお金がかかるのはおかしい。やっぱり私たちが行動しなければ」と力強く語りました。
  集会では都留文科大学の後藤道夫教授が「格差社会をやめさせ貧困をなくすために」をテーマに講演。「経済的理由で高校を退学する子どもたちが増え、就職もできない。子育て世帯のワーキングプアが深刻化している」と強調し、日本型雇用の解体とともに労働条件が破壊されたことなどがその背景にあると指摘しました。
  「先生はまるで私の回りのことを話しているよう」と共感した山口・下関民商婦人部の倉本直子さん(55)=書道教室=は、生き方に悩む長女(30)と向き合いながら書道教室に通う若者の悩みや相談に耳を傾けています。「大学生もアルバイトをしなければ生活できないし、仕事を失い、うつ病になって引き込もる青年も。青年が夢が持てる社会をつくりたい」と話します。
  パネルディスカッションでは、東日本大学の後藤宣代さんをコーディネーターに伊藤和巳さん(首都圏青年ユニオン)、田中美智子さん(元衆院議員)、大高保明さん(労働者教育協会)の3人のパネリストが問題を提起。山口・下関民商婦人部の山根安代さんが業者婦人の実態を告発しました。

女性と権利・労働
 「女性と権利・労働」集会のパネルディスカッションでは、司会の古屋和雄さん(アナウンサー)が3人の子どもを共働きで育て、各地の母親大会にも参加してきたと自己紹介。パネリストの小松民子さん(日本医労連)は「医療費削減、医師養成数の削減、病院の統廃合が進められている。医療難民・介護難民が増大し、医師、看護師不足で深刻化している」と医療現場の問題点を指摘しました。
  平山知子さん(弁護士)は日本初のストライキは明治時代に長野県の製糸工場で働く女工たちによるもので、奴隷的な労働条件の改善をかちとったことを紹介。「日本国憲法はアメリカの押し付けではなく、平和を願う国民がつくり出したもの」と強調しました。
  午後は神戸女学院大学の石川康宏教授が「安倍首相が描く『美しい日本』と女性」をテーマに講演。「安倍首相などの靖国派は女性の社会進出に逆行して、その権利を明治にまで戻すことを目的としている。先進国の中でも日本の女性の労働力率が低いのは、男性上位の古い考え方と労働力政策によるもの」と指摘。幅広い国民と手をつなぎ憲法に沿った日本をつくることを呼びかけました。

子どもと教育
 「子どもと教育」集会では、格差社会の中で、さまざまな苦しみを背負って生きている子どもたちの実態が浮き彫りになりました。
  とりわけ、参加者の胸を打ったのはパネルディスカッション。息子がいじめを苦に自ら命を絶ったというパネリスト・森美加さんは「学校で何が起きたのか、何も知らされないために法的手段を取らざるを得ず、いじめた子どもたちが法廷に立つことになってしまった」と悔やまれる思いを切々と語り、「問題解決のために、私たちが一番向き合わなければならないのはいじめをしている子どもたち。その子たちの背景にある苦しみに寄り添うことが大切」と訴えました。
  講演では法政大学の尾木直樹教授が「いわゆる『良い子』による殺人事件の共通点から、成績や進路をめぐって親と学校が対立するなど成績優秀な子どもたちも追い詰められている」と複雑な状況を報告。会場からは東京・足立区の教師が学校選択制の問題を報告し、「学力テストで学校の平均点を上げるために障害児学級の答案を抜いたり、昨年と同じ問題を出させるなどの不正がおこなわれている」と指摘しました。

平和と民主主義
 勇壮な川口市錦太鼓会の太鼓で幕を開けた「平和と民主主義」集会には2000人以上が参加。「愛・平和・未来を語る」をテーマにした映画監督の山田洋次さん、詩人のアーサー・ビナードさん、コーディネーターを務めた全国革新懇の三上満さんのビッグてい談は大好評でした。
  山田監督は映画「母べえ」のことに触れながら、「戦争を知っている最後の世代の私たちが、語り残していかなければ。今こそ歴史に学ばなければならない」と強調。ビナードさんは「戦争を体験しないと分からないというのでは、戦争はなくならない。想像力を生かさなければ」と語りかけました。アメリカのマスコミも含め権力による情報操作の話など3人が語るエピソードは興味深く、あっという間に時間が過ぎました。
  午後からは植野妙実子さん(中央大学教授)と西野瑠美子さん(バウネットジャパン)を迎えた憲法問題のパネルディスカッション。会場から6人が発言し、大きな拍手が沸き起こりました。
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思い思いのパフォーマンスで平和をアピールした母親大パレード
母親大パレード
世論動かし9条守ろう

 東京タワーが見える夕暮れ時の港区芝公園。「母親大パレード」の出発集会が開かれ、参加者が続々と集まってきました。
  「9条の会」の事務局を務める一橋大学の渡辺治教授が激励に駆けつけ、「改憲を許すかどうかの正念場。改憲策動を阻む可能性は大きく広がり、全国にある6000以上の『9条の会』が世論を動かしている。9条を必ず守ろう」と呼びかけました。
  パレードでは憲法9条と書いた色とりどりの風船やうちわ、パラソル、タペストリーを手に歌声を響かせ、憲法音頭を踊りながら思い思いのパフォーマンスで町行く人たちにアピールしました。
  千葉・流山民商婦人部の鎌田一子さん(41)=配管=も婦人部の仲間と参加。出かけるときに中学生の息子たちに励まされました。「母親大会のことを話したら、『戦争は絶対にイヤだからね』と真剣な顔をしていた。その姿を見て心の底から9条を守りたいと思った。平和な社会を子どもたちに手渡したい」との思いを新たにしました。

 
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