「消費税転嫁できない」70% 経営実態調査=福岡
福岡県商工団体連合会(県連)は12日、記者会見を開き「2012年中小業者経営実態調査」結果を発表しました。消費税増税には83.0%の事業者が反対し、税率が10%になれば廃業せざるを得ないと答えた事業者が18.1%に上るなど、消費税増税が中小業者に及ぼす悪影響が鮮明になりました。
調査は09年から毎年実施しているもので、今年は消費税増税の影響予測と賛否を問う設問を新設しました。
消費税増税には83・0%が反対。賛成はわずか1・4%にとどまりました。
消費税が10%になった場合の影響については、18・1%が「廃業」と答え、「厳しくなる」が76・5%と、9割以上の業者が影響を受けると回答しています。
「消費税分の価格への転嫁」は「まったくできていない」が40・4%と09年の調査以来過去最高に。「部分的にしか転嫁できない」を合わせると70.3%と7割を超えています。業種別では料理・飲食が最も厳しく60.4%がまったく転嫁できておらず、部分的にしか転嫁できないを合わせると84.5%を占めます。料理・飲食は消費税10%増税の影響で24.9%が「廃業」と答えるなど、現状でも転嫁できない厳しさが、増税によってますます過酷になる様子がうかがえます。
本業だけでは生活できない
経営状況では売り上げ・利益が「増えた」「同じぐらい」の合計が33.1%で前年比で9.4ポイントの改善が見られるものの、今年の経営見通しが「悪くなる」が42.9%と先行きの不安感は解消されていません。
本業だけで生活できていない事業者は61.6%と依然として高い割合を占め、副収入には年金(29.7%)をはじめ本人や妻のパートが25.1%、預金や生命保険を取り崩しが15.5%と、中小業者の厳しい生活が表れています。
記者会見には岩下幸夫会長をはじめ県連三役が出席。マスコミ6社が取材し、会見後も県連に問い合わせがくるなど、関心の高さをうかがわせました。
岩下会長は「私の商売はスナックだが、今でも消費税分はほとんどサービスしている。10%になったらとてもやっていけない。中小業者をつぶす増税のごり押しは絶対に許せない。断念させるまでたたかいぬく」と決意を語っています。
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調査は民商会員を対象に1月中旬から3月上旬に実施。2149人から回答がありました。調査内容は記事中のほか、事業所規模、利益・売り上げの増減、単価引き下げの有無など税の滞納状況など20項目。
全国商工新聞(2012年6月25日付)
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