全商連トップページ
中小施策 税金 国保・年金 金融 経営 業種 地域 平和・民主 教育・文化 県連・民商 検索
 全商連とは活動方針・決議署名宣伝資料調査婦人部青年部共済会商工研究所発行案内入会申込リンク
  トップページ > 中小施策のページ > 選挙 > 全国商工新聞 第3146号12月1日付
相談は民商へ
 
選挙
 

沖縄県知事選 歴史開く翁長氏圧勝

Photo
当選を喜びカチャーシーを踊る翁長氏(中央)

 開票と同時に「翁長当確」の一報が駆け巡った沖縄県知事選挙。「オール沖縄」に支えられ、名護市辺野古への米軍基地建設反対を掲げ「誇りある沖縄」を訴えた翁長雄志氏が、現職の仲井真弘多氏に約10万票もの大差をつけて勝利しました。その勝因と、辺野古新基地建設反対の展望について、沖縄の変化を追いました。

安倍政権へ痛烈な批判
 「オール沖縄の勝利」「県民の勝利」-。当確の瞬間、翁長氏の選対事務所に詰め掛けていた支持者は大きな歓声を上げました。「歴史の一ページが開かれた」と語った翁長氏。「沖縄は大きく変わっていく」。誰もが新しい歴史の扉を開いたと実感した瞬間でした。
 知事選の結果について、地元紙は「民意 歴史動かす オール沖縄再び」「見せた県民の誇り」「保革の枠超え新潮流」などと大きく報道。「新基地建設ノー」を掲げた翁長氏が、県民の圧倒的な支持を受け、基地建設推進に変質した仲井真氏に審判を下したことをあらためて示すものとなりました。同時にそれは、オール沖縄がつくり上げた13年1月の「建白書」に対し、変質と屈服を迫った安倍政権に対する痛烈な批判でもあります。
 前泊博盛・沖縄国際大学教授は勝因について、「保革を超えた沖縄のアイデンティティーがひとつになったことだ」と指摘。そして「基地経済は時代遅れで、沖縄の振興策は自分たちでつくり上げていくものと県民が認識したこと。同時に政府によって基地問題で対立させられてきた沖縄が、本来たたかうべき相手が誰なのかをはっきり認識し、もう県民同士の対立はやめようというメッセージを送ったことになる」と、その意義を強調します。
 仲山忠克弁護士も「県民を裏切った仲井真知事に対する県民の批判が、オール沖縄の態勢を増幅させたことが大差の要因」と分析。さらに「この選挙の勝利は、政治を変える新しい力を予感させる」と強調します。

民商の奮闘全国が支援
 県民の意識の変化、新しい潮流-。それは知事選挙のたたかいの中でも広く深く広がっていました。
 「共産党の宣伝カーに乗って、共産党の人と一緒に演説したのは初めてだよ」と笑顔で語るのは、翁長氏を支持したとして自民党から除名された那覇市議会の最大会派、新風会会長の金城徹市議。何十年も連絡がなかった友人・同僚から電話がかかってきました。防衛施設局のOBからも「今度は翁長さんに投票する」と耳打ちされました。街頭演説では行く先々で聞き入る県民を目にしました。
 「これまでいくら基地問題の解決を政府にお願いしても変わらなかったが、翁長氏が勝てばひょっとしたら変わる、そういう雰囲気が広がっていった」と振り返ります。
 民商・全商連も「オール沖縄」の一員としてフル回転。大型宣伝カーを1カ月間にわたって運行し、延べ400人が全国から応援に入りました。沖縄県連は選挙前に、辺野古新基地建設反対、消費税増税反対など「中小業者の5大要求」を翁長氏に申し入れ、「要求選挙」として知事選をたたかいました。
 翁長選対本部が行った「Vロード作戦」(国道58号線からの手振り)にも参加し、「翁長旋風」を巻き起こしました。県内5民商も集いや決起集会を開催、連日の宣伝、支持拡大に取り組みました。
 31人分の名簿で声を掛けた建設業の会員、10人分の支持カードを集めたケーキ店の会員、「30人に支持を広げた。あと5人分頑張る」と声を掛けてきた会員。市場を練り歩き、街頭でも職場でも親戚にも最後まで支持を広げました。
 消費税中止を求める自動車パレードも実施し27台43人が参加。婦人部の集会では沖縄戦や基地の問題を語り合い、沖縄のアイデンティティーを再確認するものとなりました。
 「集金先でも支持を訴えた」と話すのは、新聞販売店を営む名護民商のWさん。孫が通う小学校の上にもオスプレイが飛来し、「新基地をつくらせてはいけない」と決意。ビラまき、そして親戚、集金先の読者に支持を訴えるまでに。「仲井真氏を支持している親戚とは口論にもなったんですよ。とにかく必死でした」と苦笑いします。
 美容室を経営する北那覇民商のYさんは、お客の髪をカットしながら政治談議。同業者にもお客にも「今まで以上」に話しかけました。高校卒業後、米軍基地にも勤めたことがあるYさん。さまざまな米軍人による事件も目にしてきました。「この知事選で変わらなければもう沖縄はだめになる」。そんな強い思いに駆られてのことでした。

日本の政治を帰る力に
 大差をつけ「新基地建設ノー」の県民の審判が下された知事選挙。しかし、投票日直後に菅官房長官は「基地建設は粛々と進める」と表明。3日後には埋め立て工事再開に向けた海上作業を再開、県民世論を踏みにじる姿勢をあらわにしています。
 知事に当選した翁長氏は「埋め立て申請を厳しく審査し知事権限を行使する」と表明。さらに「県民の考えを日米両政府、国連にも訴える」とし、県民世論をバックに埋め立て承認の「取り消し」「撤回」も視野に入れた運動を展開する構えです。
 先の金城市議は「基地建設は日米両政府が連携して進めてきたもので、翁長知事一人で阻止できるものではない」とし、「県民が翁長知事をどう支えるのか、オール沖縄に参加した政党や団体がどう支えるのか。新基地建設反対はそうした県民運動にかかっている」と強調します。
 新基地建設反対の世論をどう広げるか。県連の仲本興真会長は言います。「沖縄が変われば日本の政治も変わる、と訴え県知事選挙に勝利した。14日に投票される総選挙では、消費税増税の中止などとともに、新基地建設を断念させるため力を尽くしたい」

全国商工新聞(2014年12月1日付)
   

相談は民商へ
ページの先頭