増税勢力に審判下し、商売応援の政治を
社会保障 国民負担増を続けるのか
後期高齢者医療は廃止、国保への補助拡充を
国保料に引き下げを求め、署名を提出する国保をよくする福岡市の会(09年3月)
「国民健康保険証がなく、病院にかかれない」といった相談が各地の民商に寄せられています。
昨年の総選挙では、自公政権が退場しました。自公政権は企業の社会保障負担削減を求める財界・大企業の意向を受け、02年は3000億円、03年から毎年2200億円もの社会保障予算を削り続けてきました。また、08年には野党の反対を押し切って後期高齢者医療制度を強行採決。75歳以上を強制加入させ、保険診療の内容も制限するなど、「うば捨て山」と呼ばれる制度をスタートさせました。
一方、民主党は「後期高齢者医療制度の廃止」「国保の国庫負担を9000億円増やす」などを公約して政権交代しました。しかし、廃止は先送りにした揚げ句、廃止後には65歳以上を国保に強制加入させ、現役世代とは税制を別立てにするという新制度の創設を狙っています。国保の国庫負担金増額に関しても、公約を大きく下回るものです。社会保障・福祉の充実のためには「消費税増税もやむなし」という姿勢も見逃せません。
日本共産党は、国会などで一貫して「軍事費や大企業・大資産家優遇税制にメスを入れる」ことを主張し、社会保険制度を維持・発展させるべく奮闘しています。(1)後期高齢者医療制度の廃止(2)高すぎる医療費の窓口負担の引き下げ(3)高すぎる国民健康保険料の引き下げ‐などを緊急課題として提案しています。
高すぎる国保料(税)
引き下げは可能
高すぎる国保が払えず、医者にかかるのが遅れるなどして、09年だけで47人が命を落とす悲惨な事例が多発しています(全日本民主医療機関連合会調べ)。この中には正規の保険証を持ちながらも、日々の業務に追われ、また医療の重い窓口負担のために受診できずに亡くなった業者=そば店=も含まれています。
全商連の「2010年上期営業動向調査」では「暮らしで困っていること」の問いに対し、「国保・健保の保険料の支払い」が第2位となるなど、深刻な事態が広がっています。
国保料(税)が引き上がるのは、自公政権が国庫負担金を減らしてきたからです。国保の総収入に占める国庫支出金の割合は49・8%(84年)から25・0%(07年)まで下げられ、1人あたりの保険料は3万9020円から8万4367円と、約2倍も跳ね上がりました(表2、グラフ2)。民主党政権も国庫負担増額の願いに背を向けています。
日本共産党は、国の責任で国保料(税)を一人1万円引き下げること、国保への国庫負担を元に戻し、誰もが払える国保料(税)に引き下げ、機械的な保険証の取り上げなど人権を無視した国保行政をやめさせることなどを提案しています。
また、この間、民商・全商連の運動と日本共産党の小池晃参議員議員候補などの国会追及で、「18歳までの子どもに保険証を交付」、経営難や失業など「特別な事情」の場合は「資格書は発行しない」「窓口負担の減免制度の積極的活用」などを実現してきました。
減免制度活用しなんとか支払う
大阪・摂津民商 Sさん=建築金物
私は減免を受け、貯蓄を崩しながら何とか国保料を払っています。昨今の不況の影響もあり、民商にも「国保料が高くて払えない」との相談が増えています。
自治体と交渉を行うと、この間に行われてきた国保の国庫負担金削減などが大きく響いていることが分かります。
その結果、自治体の国保財政が悪化し、国保料の値上げが止まらないという悪循環に陥っているのです。
国会でも地方議会でも日本共産党だけが国保料の値下げを主張しています。他党は「足りないのであれば値上げしたらいい」と言うばかり。
業者に限らず、国保料や消費税の支払いは切実な問題です。
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