国分全商連会長が中小企業庁長官に要請 セーフティーネット保証「全業種指定」継続へ
セーフティーネット保証の拡充などを訴える国分会長(左)、吉井英勝衆議院議員(右から2人目)
全国商工団体連合会(全商連)の国分稔会長らは9月26日、就任したばかりの鈴木正徳中小企業庁長官を訪ね、中小企業憲章の立場で7項目にわたり震災復興と円高対策に取り組むよう要望しました。鈴木長官は9月に期限切れとなるセーフティーネット保証の全業種指定の継続について「みなさんに喜んでもらえるよう最後の詰めをしている」と明言。翌27日、中企庁は今年度の下半期について同制度を継続すると発表しました。
長官への要請には国分会長のほか中山眞常任理事らが参加、日本共産党の吉井英勝衆院議員が同席しました。
国分会長は要望書を手渡し、中小企業者の負担を減らすための財政支援、二重債務の解消、不公正な取引是正など「どんな問題も中小企業の立場で考えていく」と明記した「中小企業憲章」(今年6月に閣議決定)の立場で取り組むよう要望しました。
鈴木長官は震災復興をめざす中小企業者の支援について「できるだけ要望に応えたい」と表明。
中小企業庁が実施している「中小企業等グループ施設復旧整備補助事業」については1次、2次補正に続き、3次補正でも「大幅に財源を確保するため、財務当局と折衝している」ことを明らかにし、希望する多くの中小企業に支援できるようにしていきたいと述べました。「岩手県内の自治体が個別の中小企業の施設整備を実施し、中小企業の負担を減らしている。国としても中小企業への個別支援を」との求めに対しては、国としては「原則としては行なわない」。岩手県の施策については「把握したい」と答えるにとどまりました。「二重債務」の解消については「できるだけ早く解決したい」と答えました。
金融円滑化法の趣旨を踏まえない金融機関の対応についても「実態を真剣に検証したい」としました。
また、下請中小企業者の経営を圧迫する不公正な取引是正については、中企庁の8月の調査結果でも、削減要請が4割、受注減少が3割に及んでいたことに触れ「しっかり対応したい」と答えました。
要請を終えるにあたって国分会長は全商連が発表した「日本版・小企業憲章」(案)を鈴木長官に手渡しました。
全国商工新聞(2011年10月10日付)
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