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全国商工新聞 第2810号 12月10日付
政府(官庁など)
原油・原材料高騰で緊急要請
全商連全労連 収益圧迫の実態告発
国に金融支援策など求める
中企庁 返済条件の緩和へ通達
原油・原材料高騰が中小業者の営業を脅かしています。全国商工団体連合会(全商連)は11月28日、全国労働組合総連合(全労連)とともに対策を求めて、中小企業庁と公正取引委員会に要請しました。
原油高騰などへの対策を求め中企庁と交渉する全商連と全労連の代表
公正取引委員会では、保住正保・企業取引課長が「親会社や業者団体向けに『下請法解説パンフ』を作製し普及している。違反事例は調査もするので、積極的に知らせてほしい」と答え、中小企業庁では金井利正・取引課課長補佐らが「不公正取引防止のためのガイドラインを作成し、政府系金融機関での相談窓口や融資枠を拡大している」と説明しました。
東京商工団体連合会(東商連)の竹原幸雄事務局次長は「原材料高騰での影響調査」に基づいて、実態を告発。クリーニング店では溶剤やハンガーの値上がりで月7〜10万円もの減収、個人タクシーもガソリン代の値上げで月3万円もの負担増になっていることを示し、「ガソリン諸税や高速料金の引き下げ、便乗値上げの取り締まり、返済猶予やゼロ金利の公的融資制度創設」などを求めました。
全商連の嶋岡千年常任理事は「07年下期営業動向調査」をもとに、単価・マージンが悪化していることを指摘。「仕入れ値DI値」が全体で▲61・3と前期に比べ10ポイントも悪化し、原材料高騰が中小業者の収益を圧迫していること、建設業と製造業の調査で値引き強要が8割に上り、不公正取引が広がっていることを示し、買いたたき防止と中小業者への緊急の金融支援策を求めました。
政府は原油高騰による中小企業への影響調査(11月27日公表)を踏まえ、関連中小企業者への対策として「下請取引適正化に係る通達」を経済産業大臣、公正取引委員長の連名で発出(11月27日)。
また同日、中小企業金融対策として政府系金融機関からの既往債務の返済条件緩和を要請するとともに、民間金融機関にも配慮を要請していくと述べました。
全労連の伊藤圭一常任幹事らは政府の緊急で本格的な対策を重ねて求めるとともに、引き続き懇談の機会を設けることを要請しました。
(C)全国商工団体連合会
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