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  トップページ > 中小施策のページ > 国会 > 全国商工新聞 第2997号 10月31日付
 
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「増税路線強行を許さない」 全中連が省庁交渉

 「震災復興を口実にした増税路線許すな」「原発被害の全面賠償を」―。第3次補正予算案を審議する臨時国会の開会を前に全国中小業者団体連絡会(全中連)は18日、中小企業庁、財務省はじめ8省庁や全国信用保証協会連合会と交渉、切実な要求の実現を迫りました。全国から130人が参加。交渉では三谷光男財務大臣政務官が「2010年代半ばまでに(消費税を)10%にすることは決まったこと」と回答するなど、増税路線強行を鮮明にしました。国会内集会では日本共産党の吉井英勝衆院議員が緊迫した国会情勢を報告しました。

国税通則法改悪するな 財務省

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三谷財務大臣政務官に国税通則法改悪の中止などを訴える全商連の西村副会長(右)

消費増税中止を要請
 民主党衆院議員の三谷光男財務大臣政務官が応対した財務省交渉には全商連の西村冨佐多副会長ら10人が参加。日本共産党の大門実紀史参院議員が同席し、国税通則法改悪と消費税増税の中止などを訴えました。
 納税者権利憲章の制定を法文から削除しながら、納税者に義務規定を設け、課税庁の権限を強化する通則法「改正」案について三谷政務官は「自民党が『権利』という部分が気に入らないので」と、三党の協議を踏まえて変更した事実を認めました。大門議員が「自民党に言われたから変えるのでは民主党の存在意義はない」と述べると、「私たちも頑張りたいが」と言葉をにごしました。
 消費税増税について西村副会長が中止を求めると三谷政務官は「2010年代半ばまでに10%にすることは決定事項で、議論する段階ではない。社会保障制度の安定運営のため財源が必要」と強弁。参加者の「中小業者は消費税を転嫁できない」との訴えには「実家が自営業者で実感として分かるが、増税はしなければならない。理解といっそうの努力をお願いしたい」と増税は規定路線との立場を鮮明にしました。

被災業者に直接支援を 中企庁

「予備費1250億円を措置」
 中小企業庁では、中小業者に十分な資金が供給されるようにすること、被災中小業者の再建のために、直接支援を含めた積極的な復旧・復興支援などを求めました。
 保証協会が過去の自己破産を理由に保証を断っていることについては「内容を見ずに形式的に断っているなら問題」との認識を示しました。被災した中小企業などのグループへの補助について、「要望も強かったので予備費で1250億円措置した。自治体の負担軽減も総務省と調整している」と回答しました。
 「東北には仕事はあるのに資金がない。一日も早く、資金が必要」と、迅速な融資の要望をはじめ、「16年前に受けた融資の債務が今も残り、苦しんでいる業者がたくさんいる。兵庫も東北の業者も救ってほしい」と訴えました。
 直接支援では、「資金力のある大企業グループ支援ではなく、多数の小規模事業者を支援をする方が復興に貢献する」「国や県の事業再開支援制度は店舗や工場の改修費用などの下限が200万円と高い。もっと小規模の修繕にも補助を出してほしい」と訴えました。

原発完全賠償せよ 文科省

子ども、妊婦の被爆予防策も要求
 文部科学省では、風評被害含め原発事故に伴う完全賠償、放射能汚染の情報公開、とりわけ子どもや妊婦の被ばくを最小限に抑える取り組みの徹底を求めました。
 文部省側が研究機関に委託して土壌汚染などの調査をしていると回答したのに対し、怒りの声が次々。
 参加者は「専門家だけにまかせるのではなく、文科省が直接現場に来て調査すべき」「本当に実態を知っているのか」と強く反発。
 事故以来家に帰れず、現在も借り上げアパートに住む福島県連の紺野重秋副会長は、避難地域解除を進める国の方針について「きちんとした調査もしないで、なぜ子どもたちを放射線の高い地域に戻すのか」と怒りをぶつけました。
 牛肉の通信販売会社を経営する内山康夫さんは、風評被害の請求をしても東電は「待ってくれ」の一点張りで会社がつぶれるかどうかの瀬戸際と告発。「いつ払えるのか。文科省として東電にはっきりさせてほしい」と詰め寄りました。
 文科省は「早く賠償金を支払うよう東電にも伝えている」と回答しました。

国保料強制徴収やめよ 厚労省

「指導はしていない」
 厚生労働省では、税と社会保障の一体改革の撤回や、国保料(税)や社会保険料の滞納に関して差し押さえをやめ、納付相談に応じることなどを求めました。
 省側は「年金事務所が行っている3カ月ルール(保険料の未納分を3カ月で収めるように迫り、強引に差し押さえを行うこと)は、省として指導はしていない」と明言。被災者への医療費一部負担金の免除措置については「実情に応じて来年2月以降の実施も検討していく」と回答。また、労働保険事務組合の報奨金申請の実務が「過重な負担にならないようにする」と答えました。
 一方で、「かかった医療費は、国民全員で薄く広く負担していただく」と国民皆保険制度を相互扶助と発言するなど、「税と社会保障の一体改革」を推し進める立場を明確にしました。
 参加者は「国保料(税)の滞納率は全体の20%を越えている。これが社会保障制度といえるのか」「震災の影響で国保料(税)を払いきれずに滞納し、医療にかかれない人は確実に増える」「財産調査や売掛金の差し押さえは業者にとって死刑宣告と同じ。納税緩和措置の徹底を」と訴えました。

不当な税務行政是正を 国税庁

「実情を把握する」
  国税庁では、違法・不当な税務調査や徴収の実態、人権無視の取り立てなどを告発し、税務行政の是正を求めました。
 滞納処分の問題では、売掛金や年金などの生存権的財産の差し押さえや、納税者の状況把握なしに、無差別に預金口座の財産調査・差し押さえを行なわないことなどを申し入れました。
 国税庁は「(差し押さえは)実情を把握し、一律には差し押さえない」と回答。
 財産調査については「国税徴収法の質問検査権に基づき、納付の意思を示さないなど、やむを得ない場合に行う」「無差別に預金口座の財産調査・差し押さえは行わない」と答えました。
 一方、参加者は「まるで犯罪者扱いの徴収を行なっている」「修正申告を慫慂している時点では消費税の仕入れを認める書面を出したのに、修正を拒否したら更正決定で仕入れ税額控除が否認された」など強権的な税務行政の実態を告発。請願書を提出し、回答に沿った対応を強く要請しました。

親身で迅速な対応を 保証協会

「門前払いはしない」
 「破産免責など過去の事故を理由に拒否はしない」「税金滞納、赤字決算など表面的な事象のみで門前払いしない」―。全国信用保証協会連合会では、資金需要が高まる年末に向け、親身でスピーディーな対応を要請。震災復興保証やセーフティーネット保証をはじめ、積極かつ柔軟な資金繰り支援に努力する姿勢を表明しました。
 協会は金融円滑化法について「来年3月に終了となると、代位弁済が急増する恐れがある」と懸念を表明。被災中小業者の「二重ローン」問題への対応については、「私的ガイドラインがつくられた。申請内容に同意できれば、保証協会も債権カットに応じることになる」と述べました。
 条件変更や借り換えによって発生する信用保証料が借り手の大きな負担になっている問題では、免除・軽減を国に要望することを求めました。また、自治体の制度融資の改悪につながる例も出ている「全国共同システム」導入が、借り手の負担増にならないよう要望しました。

総務、国交、金融3省庁へも要請

 総務省では、整理回収機構が「借金して払え」などサラ金まがいの対応をしていることについて「直接確認する」と約束しました。
 国土交通省は耐震改修の自治体の補助制度に対して社会資本整備交付金を拡充と明言。また「住宅リフォーム助成を個人資産には補助できない」と背を向けている自治体を「住生活基本計画に即した施策を講じるべき」と批判しました。
 金融庁は東京三菱UFJ銀行など都市銀行が条件変更などについて門前払いや申し出の取り下げを求めている実態を告発。「金融機関に聞き、適切に対応する」と回答しました。

来年一月に決起集会

全中連が幹事会開く
 省庁交渉に先立って全中連は18日、国会内で幹事会を開きました。新成長戦略や構造改革路線の復活強化の策動と対決することなどを確認。新鮮で柔軟な発想での運動や共同・連帯を発展させていくことを決めました。
 また、新役員を選出し決算を承認。中小業者決起大会を来年1月26日、日比谷公会堂で開催することを確認しました。
◇   ◇
全国中小業者団体連絡会(全中連)とは
 全国商工団体連合会(全商連)、全国保険医団体連合会(保団連)、全国FC加盟店協会、全国貸本組合などで構成。中小企業・業者の要求を総結集し中小業者決起大会を毎年開催している。

全国商工新聞(2011年10月31日付)
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