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  トップページ > 中小施策のページ > 国会 > 全国商工新聞 第2914号 2月15日付
 
中小施策 国会
 

7省庁などと交渉・懇談


 決起大会に先立ち、中小企業庁や金融庁など7省庁と公正取引委員会、日本政策金融公庫、全国信用保証協会連合会と交渉・懇談しました。厳しい実態を告発し、融資や生活福祉資金、仕事確保、税金の取り立ての問題などを取り上げ、実行・改善を迫りました。

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中小企業庁に金融円滑化法に基づく保証協会の対応やいじめ防止法の制定などを要望する全商連の太田副会長(右)と全中連の橋沢代表幹事(その隣)

中企庁 保証協会へ指導約束
 下請けいじめ「対応する」

 中小企業庁では、金融円滑化法に沿った保証協会の対応や「下請けいじめ防止法」の制定などを求めました。
 愛知県の代表は県保証協会が税金滞納を理由に借り入れの一本化を認めず、謝絶理由を説明しないと訴え。庁側は「税金滞納については柔軟に対応するように指導する。また、税金滞納や総合的判断だけでは不十分。本人が納得できる説明をするように指導する」と答えました。
 「下請けいじめ防止法」制定に関連して「現行の独占禁止法の下で救われない問題がどこにあるのかなど、公正取引委員会と共同して対策を検討している」と回答。「単価たたき」の問題では、川崎市の設備機械加工業者が「中国帰り」の仕事が増え、従来の半額で加工することが押し付けられている事例を告発。これに対して「情報を提供してもらえば対応したい」と答えました。
 東京都大田区の業者は「大企業の下請けいじめは当たり前になっている。告発などしたら即、仕事を打ち切られる。法改正も必要」と訴えました。

政策公庫 柔軟な対応約束
 「全国の支店に指示」

 日本政策金融公庫との懇談では、「業者はいまだに貸し渋り、貸しはがしで苦しんでいる。公庫の設立理念、金融円滑化法の趣旨どおりに対応してほしい」と改善を要求。担当者は「お客さま目線で、柔軟に親切に対応するよう全国の支店に指示している。職員は融資したいと思って仕事をしている」と回答しました。
 「指摘された問題点への対応策を示したら、また別の問題を持ち出すようなことはせず、一度に指摘し、それをクリアできたら融資をするようにしてほしい」の要望に対し、「そうします」と回答しました。
 開業資金融資を2回断られて交渉に参加した神奈川県厚木市の飯島千恵美さんは「3度目の申し込み」を厚木民商と相談しています。

金融庁 条件変更でも融資
 取引履歴の改ざん「検査できる」

 金融庁では、貸し渋りなど具体的事例も示しながら金融円滑化法の趣旨に沿った運用を要望。庁側は「3カ月ごとに謝絶の件数や理由について開示・報告していく」「要望は金融庁の相談窓口に出してほしい、一つひとつしっかり対応する」と答えました。
 リスケ(債務返済を繰り延べる)した人が新規融資を受けにくい問題では、「条件変更したからといって追加融資を検討しないのはダメ」と明確に回答しました。
 また、設備資金について金融機関が業者の口座に直接振り込むとしている問題は「融資の条件とする決まりはない。そういうことをしているのであればよくない。具体的に意見を上げてほしい」と述べました。
 貸金業者が取引履歴を改ざんするなど不誠実な対応をしている問題では、「指摘があれば立ち入り検査ができる」と回答しました。

保証協会 残債あっても保証
 全国一律の対応約束

 全国信用保証協会連合会では、税金滞納、過去の事故・免責があっても、門前払いせず親身に対応することを要請。「自己破産して免責を受けた事案には求償権がない」「残債があっても保証を断わることはしない」ことをあらためて確認しました。その上で、「全国の協会ごとの対応の違いを是正するよう周知する」と回答しました。
 また、「納税証明がないと保証されない」(愛知)など、具体的事例を示したところ、「税金完納を理由に謝絶するのではなく、利用者が納得できる説明をするよう指導する」と回答。さらに、民商・県連だけでなく業者団体との懇談に応じていない協会には、実情を確認することも約束しました。

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「使い勝手のいい仕組み」をと国交省に要望する参加者

国交省 仕事確保支援を
 公契約法の制定求める

 国土交通省では、住宅リフォームをはじめ地域経済を担う建設業者への仕事確保支援や公契約法の早期制定などを要望しました。
 補正予算で住宅エコポイント制度を創設、10年度には「木のまち・木の家整備促進事業」「環境・リフォーム推進事業」を目玉として「リフォーム市場の整備と活性化」をうたっています。
 住宅エコポイント説明会で「(内容は)決まっていないので分かりません」と回答する一方、大手サッシ会社が「新製品はエコポイントの対象となる」と宣伝している実態を告発。長期優良住宅についても「大企業にだけ有利なものにするのでなく中小業者が使いやすい仕組み」と「制度の丁寧な周知」を徹底するよう求めました。
 公契約法制定については「与党の動きを注視している」とし、労賃の低下については「ダンピング防止策で対応する」と答えるにとどまりました。

厚労省 福祉資金改善を
 国保料負担軽減も

 厚生労働省では、生活福祉資金の対応について要望しました。
 「減額の理由が明らかにされない」(兵庫)、「受け付けられず申込用紙もくれない。どうすれば借りられるのか」(東京)、「言われた通り出しているが事業計画書が何度もやり直し。国の制度なのに都道府県任せはおかしい」(埼玉)など、問題点を指摘し改善を求めました。
 後期高齢者医療制度の廃止については「新たな制度を作り移行をめざしたい」と回答しました。国民健康保険では「所得200万円で35万円もの国保料。生活が成り立たない」(奈良)と訴え、国庫負担の増額を求めました。
 また、高額療養費を認めず、還付金を滞納に充当する国保料(税)滞納者への制裁措置の中止、医療費の窓口負担の軽減などを求めました。

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国税庁 緩和措置適用を
 「適正な処理を指導」

 国税庁では「滞納整理にあたっては納税者の個々の事情をよく把握し、納付意思のある納税者には納税緩和措置を行使すること」と訴え。「納税者の実情を把握し、法令等に基づき適正に処理するよう指導している」と回答しました。参加者からは「不当な審査で納税猶予が不許可になった」「申請書をおいていない税務署がある」などの事例が出され、さらなる徹底を求めました。
 昨年12月17日に新しい法令解釈通達が出された「大工・左官・とび等の所得税の扱い」について、従前の給与所得控除の案分方式も選択可とすることを要求。今年の確定申告での扱いについては「所得の区分が明らかでない場合は、前年度の申告を参考にしても差し支えない」と答えました。
 税務調査において納税者の理解と協力を得て行うよう徹底を求めました。

総務省 任意の整理機構
 「組織に権限はない」

 総務省では、「まず差し押さえありき」の地方税務行政が各地に広がり、自殺者も出ている被害を告発。行政の姿勢を正すため、自治体に適切な「助言と情報提供」を行うよう求めたのに対し、「(被害についての)話も聞くので、正すべきは正す」との認識を示しました。また、「地方税滞納整理機構」などのうち、任意組織においては滞納整理などの実施について「組織に権限はない」ことを認めました。
 また、住民税の扶養控除を廃止・縮小しないこと、不況下の臨時措置として店舗・工場の固定資産税、都市計画税を引き下げること、などを求めました。
 郵便事業に関して「ゆうパック」と「ペリカン便」の事業統合により、下請け業者が契約を解除されている問題で、被害者の現場復帰などを求める請願書を提出しました。


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