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  トップページ > 中小施策のページ > 国会 > 全国商工新聞 第2904号 11月23日付
 
中小施策 国会
 

中企庁など5省庁と交渉


 11・8国民大集会に続いて全国商工団体連合会(全商連)は9日、全国労働組合総連合(全労連)などがつくる国民春闘共闘委員会とともに国会議員要請行動や中小企業庁など5省庁と交渉。臨時国会での本格的な審議が始まる中、経済対策を根本に据え、雇用や営業、暮らしの改善などの要求を直ちに実行することを求めました。


中企庁・公取委 中小企業憲章の制定を
 「早急に検討する」

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公正な取引などを要望する交渉参加者

 中小企業庁交渉には20人が参加。中小企業憲章の制定はじめ緊急の仕事おこし、雇用創出などを要望。中小企業憲章制定について「早急に策定する方向で検討する」とし、緊急保証の対象枠についても「年末に向け拡大する方向で検討する」と回答しました。
 愛知県から参加した業者は、しっかりした事業計画など提出しているにもかかわらず「総合的判断」を理由に保証しない県信用保証協会の対応を批判。
 不当に下請け代金を減額されたとして親会社を下請代金法違反で「下請かけこみ寺」に告発した岡山・津山民商の松田孝二さんは、親会社を調査・指導した中小企業庁から何の連絡もないとし、調査結果について報告を求めました。中小企業庁側は愛知の保証協会の対応について調査を約束。松田さんに対しても調査が終了したかどうか「連絡する」と答えました。
 公取委には下請け取引の適正化と下請けいじめ防止法の策定を要望。兵庫の参加者は、明治乳業の指導によって乳製品の移動販売を継続し、1億6000万円以上の損失を出した事例を告発し調査権を持つ公取委として必要な調査を要求しました。
 蒲田民商会員は3倍にも跳ね上がった材料費や中国並みの加工賃が下請けに押し付けられている実態を指摘し、「適正な取引」を強く要望しました。
 取引先の指導を三菱本社に要請
 下請代金法に違反していると親会社「共和」を告発している岡山・津山民商のMさん=鋳物=は9日、三菱自動車の本社を訪れ、親企業として「共和」を指導するよう求めました。
 三菱側は「改善しているという報告を受けているから取引を継続しているが、中企庁の改善指示に従っていないなら問題だ。対処する」と答えました。
 全商連の中山眞常任理事らが参加。松田氏は三菱自動車の認定工場である「共和」の下請けとして91年以降、三菱自動車の部品などを製造。しかし不当な単価の減額などによって4600万円の損害を受けたとしてその返済を求めています。


金融庁 検査マニュアル改善を
  「円滑化法に沿うように」

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返済猶予や金融機関の貸し渋り・貸しはがしの是正を求めて金融庁との交渉

 金融庁との交渉では、3年間の返済猶予や金融機関の貸し渋り・貸しはがしの是正、金融機関が必要な融資相談に応じられるように「金融検査マニュアル」を改善することなどを求めました。
 庁側は「金融機関が返済猶予などの条件変更に努めることを求めた『金融円滑化法案』を臨時国会に提出した。それを受けて金融検査マニュアルを改定し、条件変更などに応じているか、金融機関の開示を義務付け、監督していく」ことをあらためて示しました。
 参加者は「融資を受ければ十分に立ち直れる中小企業が金融機関の貸し渋りによって閉鎖に追い込まれ、労働者の雇用を奪おうとしている」(全国一般・京都)などの実態を告発。過去に自己破産をし、免責を受けた福岡・西福岡民商のYさん=建設=は「残債を払わなければ融資ができないと拒否された」ことを訴えました。
 参加者は「免責を受ければ残債は消える。存在しない債務をどうやって返済するのか」と矛盾点を突き、免責を理由にした貸し渋りを「金融検査指摘集」で紹介することを要望。
 庁側は出された意見・要望について「法案審議に反映されるように関係機関に働きかける」と回答しました。


国税庁 納税者本位の税務行政を
 納税緩和措置実施する

 国税庁では、納税者本位の税務行政の実現を求めるとともに、滞納処分において生存権的財産の差し押さえを行わないよう要望。誠意ある納税者であることを把握した上で、法令手続きにのっとって納税緩和措置を実施すると回答しました。
 従業員の給料を差し押さえられた(東京)、賃貸マンションを差し押さえられ、生活ができない(兵庫)、「どうせ会社がつぶれるなら差し押さえても一緒」と署員が暴言(熊本)など不当な滞納処分の実態が。
 個々の事情を無視した厳しい取り立ての是正が全国国税局徴収部長会議(9月20日)で議論されたと報じられていることを踏まえ、「誠意ある納税者には生存権的財産の差し押さえをしないと解釈してよいか」とただしたのに対し、長官官房総務課の福居英雄課長補佐は「そう解釈できる」と述べました。
 また、納税者の承諾もなしに、17人が6店舗などを同時に税務調査し、レジなどを勝手に開けた問題(兵庫)、収支内訳書の未提出を理由に所得税の還付を保留にしている案件(京都)などに抗議。個別の事案については関係課に伝え、問題がある場合は指導することを約束しました。


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