【声明】
「特定秘密保護法案」衆議院強行採決に強く抗議し、廃案を求めます
2013年11月26日
全国商工団体連合会
会長 国分 稔
安倍内閣は本日、多くの国民の反対を無視し、特定秘密保護法案の衆議院本会議での採決を強行しました。私たちはこの暴挙に強く抗議し、速やかに廃案にするよう求めるものです。
- 特定秘密保護法案は、憲法の原則に反する違憲立法であり、稀代の悪法です。
衆議院での短時間の審議でも、この法案の問題点が次つぎ明らかになっており、どこからみても危険と矛盾にみちたものです。
政府が持つ膨大な情報のうち、「特定秘密」に指定し、「秘密を漏らす人」「秘密を知ろうとした人」を厳罰に処す矛先は、公務員だけでなく、全ての国民に向けられています。何が秘密か国民にはわからず、まるで戦前と同じ暗黒社会となります。「情報を公開せよ」と集会や街頭で叫んだら「共謀」「教唆」「扇動」として、処罰の対象となり、それはまるで治安維持法そのものです。特定秘密が開示されないまま行なわれる裁判は暗黒裁判です。原発や米軍基地の情報を公開すれば突然逮捕されかねません。
「安全保障のためなら秘密は当たり前」というのは、ウソにウソを重ねた結果、国民に言い尽くせない犠牲を強いた戦争の教訓を学ばないものです。今、アメリカの要求で、集団的自衛権行使を前提にしたこの法案を強行することは、「戦争する国」にするために国民の目、耳、口をふさぎ、情報の統制と世論誘導でいつか来た道を歩むものです。
- そもそも選挙の公約にもなかったものを、国民の審判を経ず、反対の声にも耳を貸さずに通すなど、もはや民主主義国家とはいえません。
25日の地方公聴会では7人の公述人全員から反対・慎重審議を求める意見が相次ぎました。日本弁護士連合会、日本ペンクラブ、テレビのキャスターたち、憲法や刑法、メディアを専門とする学者や演劇人など広範な人たちが「反対」を表明しています。世論調査でも「反対」が過半を占め、「慎重に」が7〜8割を占める事態となっています。国連人権NGOも批判しています。21日には日比谷野外音楽堂に1万人余の人たちが集うなどこれまでにない多くの人びとが反対しています。政府はこの声に耳を傾ける義務があります。
全国商工団体連合会は、参議院での徹底審議と廃案をめざし、国民諸階層と連帯して断固戦い抜くことを表明します。
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