【談話】
消費税増税を前提とした税制「改正」に抗議する
2013年1月25日
全国商工団体連合会
事務局長 岡崎民人
自民、公明両党は24日夕、2013年度与党税制改正大綱を決定した。「成長戦略を可能とするため税制措置をこれまでになく大胆に講ずる」と強調しているように、安倍内閣が掲げる「成長戦略」を推進するためにいっそうの大企業減税を図るものとなっている。莫大な借金による大型公共投資と大企業減税の穴埋めを、消費税増税と社会保障費の削減で賄うものであり、断じて認められない。総選挙での国民の審判を無視して、「社会保障と税の一体改革」に基づく消費税増税を既定路線に据え、庶民・中小業者へは重税と負担増を押し付ける税制「改正」に抗議する。
大綱は、わずかばかりの高所得者増税で批判をかわそうとしながら大企業中心の減税を広げるものとなっている。主な項目でも、研究開発減税を現行20%から30%に引き上げ、自動車・住宅メーカーの要求を取り入れた自動車取得税の廃止やエコカー減税、住宅ローン減税拡充などの減税メニューを並べたものになっている。所得税と相続税の最高税率をそれぞれ5%引き上げるとしたが、所得税で言えば最高税率は現行40%、相続税は50%まで一貫して引き下げられてきたもので、全く不十分である。少なくとも所得税50%、住民税15%(98年)、相続税70%(02年)の水準に戻し、優遇税制を抜本的に改め所得再分配機能を強めるべきである。
一方で、消費税増税に伴う低所得者対策と称して、食料品などの税率を低く抑える軽減税率を10%増税時に導入をめざすとした。多くの中小業者団体も反対しているように、インボイスなど膨大な実務負担を強いることは認められない。低所得者対策というなら、そもそも消費税率の引き上げ中止が最大の対策であり、合わせて生活保護制度の改悪など社会保障切り捨て政策の転換こそ内需を振興する景気対策である。
民商・全商連は、中小業者・国民の共同を広げ消費税増税の中止を求めてたたかう。大企業・大資産家優遇税制の抜本見直しで必要な財源を確保し、生活費非課税、応能負担原則が貫かれる真の税制改正を求めるものである。
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